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第11話 襲いくるもの
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そして今度は、己に何の相談もなく、愛しい人が戦に加わる話が進行しているのだ。何一つ納得がいかなかった。
仮に戦わざるをえないにせよ、女には、ただ待つしか、できぬのか。
自分にも、何かできるのではないか。いや、何かするべきだろう。
ヤマトの上に広がる雲1つない空は、いつしかよく熟れた柿の色に染めあがり、そのうち一面真っ暗な宵闇にすっぽりと覆われた。
広大な夜の世界で明るく輝くものと言えば、キリサメ公が住む城内にあるかがり火と、空を飛ぶホタルの尻と、城下町を彩るかがり火や、あんどんや、燭台の灯りぐらいだ。
古代には、この夜空には『ホシ』と呼ばれた無数の小さなまたたきが、晴れた夜なら眺めるのが可能だったが、偉大なる神が戦争に明け暮れる人類の愚かさに対して怒り、全ての『ホシ』を消してしまい、夜を真っ暗にしたという伝承が残っていた。
その闇に紛れ空中を静かに飛翔する、無数のミジンコのように小さな物体があるのを、キリサメ公領の人々は、まだ知らない。
それらは一路キリサメ公の居城へと、ひたすらまっすぐ進んでゆく。
やがて微細な物体は城壁の上空を越え、城内に入ると下降を開始した。城内のあちらこちらには警備の兵士が槍を持って、寝ずの番をしている。
たくさんの微小な物体は、兵達の背後で凝集すると、いくつもの、形も大きさも人体程の塊になった。
それはやがて、人の背丈程もある真っ黒で、表面がつややかな金属製の人形となる。それはまるで夜の一部を切りとったかのようだ。
その右腕の先は指がなく、代わりに鋭く槍のように尖っている。
そして、その手先の槍が音もなく長く伸びると、鎧を着た兵士の背中を、まるで紙でも突きやぶるかのようにあっさりと貫通して、串刺しにした。
また他の人形は、右手が包丁のような形になり、兵士の首を豆腐でも切るように切断したのだ。
それまで頭部のあった場所から噴水のように血液が飛びだした。日々の訓練で鍛えあげられた兵達が、まるで藁人形のように、もろくも地面に倒れてゆく。
同じ頃キリサメ公は何とも言えぬ異様な気配を感じて、深夜に目を開けた。隣の布団には、側室の一人が寝ている。
公爵は、枕元にいつも置いてある刀を手に取った。真っ暗で、何もないはずの寝室内に、いつのまにか黒い人影のような存在がある。
(忍びの者か)
公爵は刀を鞘から抜き、気合と共にその刀を、相手の上部から振りおろし、曲者から見て首の右から左の腰へと斜めに斬ったのだが、何だかコンニャクでも斬るような、妙な手ごたえがあり、深く斬ったはずなのに、人影は倒れずに、その場にいた。
しかも相手の右腕が、常人ならばありえない程長く伸び、その先を鋭く尖らせ、キリサメ公に音もなく迫りくる。
公爵は手にした刀で防いだが、その衝撃は、信じられぬ程強かった。まるで巨大な壁にでも激突したかのようである。
「公爵様」
変事にめざめた側室が、悲鳴混じりの叫び声をあげる。
「お前は早く、ここを出て、逃げよ」
命じられるが早いか、彼女は寝巻きを振りみだしながら、ふすまを開けて脱出した。普段はむしろ男よりも気丈な女だが、こんな変事を前にしては、とりみだすのも無理はない。
(これが、殺人人形か)
ヨイヤミ公の領内に放った間者や、あちら側からキリサメ領に亡命してきた高官からの情報で知ってはいたが、見るのはこれが初めてだ。芥子粒よりも小さい、目にも見えない無数の機械が集まって、殺人用の木偶を構成している。
いにしえの大博士達が作りだしたものだという。公爵は、左手に握った愛刀で相手の尖った手をはねとばすと、枕のそばにいつも置いている短銃を、空いてる右手でつかんだ。
この短銃は、先祖伝来の特別な品で、刀では立ち向かえない深刻な危機が起きた時使うよう、父から伝授されていた。
短銃は金属でできている。その銃口を木偶に向け、右手の人差し指で引き金を引く。するとその筒先から放射状に放たれた閃光が、殺人人形の全身に浴びせられた。
次の瞬間今までそんな物がなかったように、木偶の姿が消失する。
キリサメ公は短銃を手に、単身部屋の外に出た。
すでに城内のあちらこちらに殺人人形が出没しているが、銃から放たれた閃光を浴びるが早いか、木偶達は、一瞬にして消失した。
「公爵様」
刀を手にして、ツユクサがどこからともなく現れた。目が殺気だっている。
「ご無事でしたか……しかし、その短銃はすごいもんですな。刀が効かぬ人形共を、一瞬にして消し去るとは」
「先祖伝来の秘宝だ。いにしえの技術がなせる技よ」
自分達の不利を悟ったのか、真っ黒な木偶達は、じりじりと後退していった。人間のように意志があって動いているのか、遠方のヨイヤミ領からあやつり人形のように操作されているのかはわからない。
公爵が撃ち続けると、さらに消滅する人形達が増えてゆく。やがて残りの木偶達は一斉に後ろを向くと、脱兎の勢いで駆けだしはじめる。やがてその腕は翼のように変形し、体全体を大きな鳥のような姿に変え、それぞれが、翼を広げて城外の空へ飛びだしてゆく。
気がつくと城内の至る所に惨殺された兵士達の亡骸が散在し、猛烈な死臭が鼻を刺した。
「敵襲です」
兵士の一人が大声で叫んだ。彼が指さす方に目をこらすと、漆黒の闇の中キリサメ城に近づいてくる軍勢が見えた。
(ヨイヤミ軍か)
「鐘を鳴らせ。ほら貝を吹け」
キリサメ公は大声で命じた。
「殺人人形の奇襲に乗じてこの城を乗っとるつもりだろうが、そうはさせん」
やがて夜の闇に現れた軍勢と、城の高みに配置された兵士の間で弓の撃ちあいがはじまった。
やがて双方の兵士から、撃たれた者の悲鳴が聞こえる。そのうちヨイヤミ公の軍勢と思われる奇襲部隊が左右に割れ、中央から何か、巨大な物が登場した。
「投石機だ」
叫んだのは、ツユクサだ。やがてその投石機から巨大な岩が放たれて、城の高みにぶちあたり、壁が崩れて、そこにいた兵が絶叫と共に墜落してゆく。
仮に戦わざるをえないにせよ、女には、ただ待つしか、できぬのか。
自分にも、何かできるのではないか。いや、何かするべきだろう。
ヤマトの上に広がる雲1つない空は、いつしかよく熟れた柿の色に染めあがり、そのうち一面真っ暗な宵闇にすっぽりと覆われた。
広大な夜の世界で明るく輝くものと言えば、キリサメ公が住む城内にあるかがり火と、空を飛ぶホタルの尻と、城下町を彩るかがり火や、あんどんや、燭台の灯りぐらいだ。
古代には、この夜空には『ホシ』と呼ばれた無数の小さなまたたきが、晴れた夜なら眺めるのが可能だったが、偉大なる神が戦争に明け暮れる人類の愚かさに対して怒り、全ての『ホシ』を消してしまい、夜を真っ暗にしたという伝承が残っていた。
その闇に紛れ空中を静かに飛翔する、無数のミジンコのように小さな物体があるのを、キリサメ公領の人々は、まだ知らない。
それらは一路キリサメ公の居城へと、ひたすらまっすぐ進んでゆく。
やがて微細な物体は城壁の上空を越え、城内に入ると下降を開始した。城内のあちらこちらには警備の兵士が槍を持って、寝ずの番をしている。
たくさんの微小な物体は、兵達の背後で凝集すると、いくつもの、形も大きさも人体程の塊になった。
それはやがて、人の背丈程もある真っ黒で、表面がつややかな金属製の人形となる。それはまるで夜の一部を切りとったかのようだ。
その右腕の先は指がなく、代わりに鋭く槍のように尖っている。
そして、その手先の槍が音もなく長く伸びると、鎧を着た兵士の背中を、まるで紙でも突きやぶるかのようにあっさりと貫通して、串刺しにした。
また他の人形は、右手が包丁のような形になり、兵士の首を豆腐でも切るように切断したのだ。
それまで頭部のあった場所から噴水のように血液が飛びだした。日々の訓練で鍛えあげられた兵達が、まるで藁人形のように、もろくも地面に倒れてゆく。
同じ頃キリサメ公は何とも言えぬ異様な気配を感じて、深夜に目を開けた。隣の布団には、側室の一人が寝ている。
公爵は、枕元にいつも置いてある刀を手に取った。真っ暗で、何もないはずの寝室内に、いつのまにか黒い人影のような存在がある。
(忍びの者か)
公爵は刀を鞘から抜き、気合と共にその刀を、相手の上部から振りおろし、曲者から見て首の右から左の腰へと斜めに斬ったのだが、何だかコンニャクでも斬るような、妙な手ごたえがあり、深く斬ったはずなのに、人影は倒れずに、その場にいた。
しかも相手の右腕が、常人ならばありえない程長く伸び、その先を鋭く尖らせ、キリサメ公に音もなく迫りくる。
公爵は手にした刀で防いだが、その衝撃は、信じられぬ程強かった。まるで巨大な壁にでも激突したかのようである。
「公爵様」
変事にめざめた側室が、悲鳴混じりの叫び声をあげる。
「お前は早く、ここを出て、逃げよ」
命じられるが早いか、彼女は寝巻きを振りみだしながら、ふすまを開けて脱出した。普段はむしろ男よりも気丈な女だが、こんな変事を前にしては、とりみだすのも無理はない。
(これが、殺人人形か)
ヨイヤミ公の領内に放った間者や、あちら側からキリサメ領に亡命してきた高官からの情報で知ってはいたが、見るのはこれが初めてだ。芥子粒よりも小さい、目にも見えない無数の機械が集まって、殺人用の木偶を構成している。
いにしえの大博士達が作りだしたものだという。公爵は、左手に握った愛刀で相手の尖った手をはねとばすと、枕のそばにいつも置いている短銃を、空いてる右手でつかんだ。
この短銃は、先祖伝来の特別な品で、刀では立ち向かえない深刻な危機が起きた時使うよう、父から伝授されていた。
短銃は金属でできている。その銃口を木偶に向け、右手の人差し指で引き金を引く。するとその筒先から放射状に放たれた閃光が、殺人人形の全身に浴びせられた。
次の瞬間今までそんな物がなかったように、木偶の姿が消失する。
キリサメ公は短銃を手に、単身部屋の外に出た。
すでに城内のあちらこちらに殺人人形が出没しているが、銃から放たれた閃光を浴びるが早いか、木偶達は、一瞬にして消失した。
「公爵様」
刀を手にして、ツユクサがどこからともなく現れた。目が殺気だっている。
「ご無事でしたか……しかし、その短銃はすごいもんですな。刀が効かぬ人形共を、一瞬にして消し去るとは」
「先祖伝来の秘宝だ。いにしえの技術がなせる技よ」
自分達の不利を悟ったのか、真っ黒な木偶達は、じりじりと後退していった。人間のように意志があって動いているのか、遠方のヨイヤミ領からあやつり人形のように操作されているのかはわからない。
公爵が撃ち続けると、さらに消滅する人形達が増えてゆく。やがて残りの木偶達は一斉に後ろを向くと、脱兎の勢いで駆けだしはじめる。やがてその腕は翼のように変形し、体全体を大きな鳥のような姿に変え、それぞれが、翼を広げて城外の空へ飛びだしてゆく。
気がつくと城内の至る所に惨殺された兵士達の亡骸が散在し、猛烈な死臭が鼻を刺した。
「敵襲です」
兵士の一人が大声で叫んだ。彼が指さす方に目をこらすと、漆黒の闇の中キリサメ城に近づいてくる軍勢が見えた。
(ヨイヤミ軍か)
「鐘を鳴らせ。ほら貝を吹け」
キリサメ公は大声で命じた。
「殺人人形の奇襲に乗じてこの城を乗っとるつもりだろうが、そうはさせん」
やがて夜の闇に現れた軍勢と、城の高みに配置された兵士の間で弓の撃ちあいがはじまった。
やがて双方の兵士から、撃たれた者の悲鳴が聞こえる。そのうちヨイヤミ公の軍勢と思われる奇襲部隊が左右に割れ、中央から何か、巨大な物が登場した。
「投石機だ」
叫んだのは、ツユクサだ。やがてその投石機から巨大な岩が放たれて、城の高みにぶちあたり、壁が崩れて、そこにいた兵が絶叫と共に墜落してゆく。
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