ガタリアの図書館で

空川億里

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第5話 旅の始まり

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 パムの眼前に、図書館に現れた身長1グラウト(約20センチ)よりもやや小さい女の子のフィア・ルーが登場したのだ。
 緑色の髪は短く刈り込んでおり、トンボのような羽が生えている。
「あんた、一体どうしたのよ?」
 驚いて、パムは尋ねた。
「面白そうだから、ついてきた」
 フィア・ルーは、いたずらっ子の笑みを浮かべる。その時だ。突然馬車の歩みが止まった。御者が降りて、荷台の方へやってきたのだ。
 御者の男は、怖い顔でにらみつける。
「おい娘っ子。貴様いつのまに、わしの馬車の荷台に潜りこんだのだ。この馬車はチャーダラ・トワメク準伯爵の一行の物だぞ」
「ごめんなさい。ご迷惑をおかけするつもりはなかったのです」
「すでに充分迷惑がかかっておるわい」
 馬車だけでなく、騎馬隊含め全部隊が一斉に、歩みをいつのまにか止めていた。荷台の周囲はいつしか騎士が取り巻いている。
 仮面をかぶったトワメクと、弁髪のダランサ、魔道士のキュルンも現れた。
「パムか。一体どうしたのだ?」
 怒りを含んだ苛立たしい口調でトワメクが聞く。
「西の図書館に、私も連れて行ってください」
「危険だから、あれほどダメだと申したろうが」
「しかしここまで来ちまったら、帰らせるってわけにもいかんでしょうな」
 そう口をはさんだのは、ダランサだ。
「それに旅の道連れにフィア・ルーを連れてると、不運をよせつけないって言いますぜ」
「キュルンと、同じ馬車に乗せろ。ただし、足手まといになるなよ」
 準伯爵は、そう命じた。
「ありがとうございます!」
 思わず笑顔になりながら、パムが感謝の意を表す。そして荷台から飛び降りる。
「あたしの馬車はこっちだから、一緒に来な」
 キュルンが微笑んでそう話す。フィア・ルーの少女も一緒に飛びながらついてくる。
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