ホワイトアフターデー

春山 一貴

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第四話

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 山下は朝起きて、再び自分のスマホを見返した。ラインの新しい友達、その欄には舞桜の名前があった。何度見ても彼女の名前がある。山下は思わず何度もその名前を見てしまう。

「今日、話すか…」

台所から山下の母親が声が聞こえたので、支度をし、朝食をとりに台所へ向かった。両親が既に朝食を取り始めていた。彼が席に座ると母親が彼のコップに牛乳を入れた。

「涼介、何にやけてるの?笑」

「え?いや別に…」

「お、なんだ笑、女か?」

「やめろよ父さん」

「動揺しちゃって笑 青春ね~!」

「母さんまで…」

「早く食べなさい、遅刻するわよ」

「誤魔化したな…」


 一方、舞桜の家では、驚異のドタバタ劇が行われていた。

「お母さん!!どうしよう…!!汗」

「なによー」

「クマがやばいよー、、」

「えー?」

昨夜一睡も眠れなかったらしい。朝から洗面所で肌の調子を確認するなり悲鳴と共に母親の元へ駆け寄ったみたいだった。

「何にも出てないじゃないー。そんなにピチピチなのが羨ましいわー。お母さんも中学生に戻りたいなー」

「そんな場合じゃないのー!!ど、どうしよう…」

「何かあるの?」

「い、いや!!なにもないよ…??」

「…。ふーーん。」

 母親が舞桜の顔をじっと見つめて表情を伺おうとすると舞桜は部屋の角の方を向き、頬を赤らめて誤魔化そうと必死に次の言葉を探した。

「そろそろ学校行くね!!行ってきます!!」

「あら、もう行くのー? 慌てちゃって笑 青春ね。」

 舞桜は急いで支度をし家を飛び出した。今日はどこかのタイミングで先月の返事を聞く。考えるだけで手の汗がびっしょりになるくらいきんちょうしてしまう。何度も深呼吸をしながら学校へと向かった。
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