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第8話 久々の派遣
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社内では私の派遣嫌いは有名だった。
そりゃ入社以来何年間も派遣は嫌だと言い続ければ、有名にもなるってものだが。
もちろん組織の一員である以上、派遣に出ろと言われたら従うか会社を辞めるかしかない。
その覚悟はいつも持ち続けていたつもりだ。
これまでは会社の方針と俺の希望が社内開発という方向性で一致していたことや、社内開発の仕事が潤沢にあったことも相まって、派遣に出される心配はほとんどしないで済んだ。
しかし緊急不況対策の発表以降はそうもいかないだろうと考え始めていた。
開発用コンピュータが2台から1台になるということは、社内開発の仕事が減るということだ。
仕事があれば減らしはしないだろうから、受注量激減でやむなく減らしたのだろう。
そういえば最近は2台とも電源が入っていないことも多く、これまでのようにだれかが出社したら真っ先に立ち上げるような光景は見なくなっていた。
それだけ社内開発の仕事量が減ったということで、ということは俺もそうそうわがままを言えるような状況ではなくなったようだ。
派遣も覚悟しないといけないかな。
派遣に出されるかどうかも気になったが、それ以外にもなんともいえない薄っすらとした、しかし確実にざわざわした不安感があった。
これから会社はどうなって行くのだろう、俺たちはどうなっていくのだろう。
今まで考えもしなかった不安感が、うっすらではあるが湧き起こっていた。
そんなある日、俺の次の仕事が決まった。
上司の業田課長から伝えられたのは大手電気メーカーでのシステム開発、派遣だった。
なんとなくそんな噂は聞いていたこともあって、あれだけ嫌だった派遣だが自分でも不思議なほどあっさりと引き受けた。
あと数日で派遣先に行くことになったある日、それまでの仕事の引き継ぎや資料整理をしている俺のそばにポンちゃんが来た。
「聞きましたよ、次の仕事。
派遣ですって?
派遣嫌いで有名なのに、よく引き受けましたね」
俺は苦笑いしながら答えた。
「冷やかすなよ。
まあ、ほかに仕事もなさそうだし会社の雰囲気も悪い。
久しぶりの派遣を楽しんでくるよ」
派遣を楽しむと言ったのは俺の強がりだ。
しかし緊急不況対策以降、会社全体が妙な不安感とピリピリとした雰囲気に包まれていて居心地が悪かったのも事実だ。
それに、最近は劣悪な派遣先に飛ばされて苦労している人が増えていて、それだけ仕事が減っていることが実感として伝わってきていた。
俺の派遣先にはすでに2人が派遣に出ていたのだが、彼らによると良くもないがそんなに酷くもない派遣先のようだった。
それなら雰囲気の悪い社内にしがみつくよりも、派遣の方が楽かもしれない。
社内開発の仕事にこだわってもいいのだが、すでに年単位の大規模開発の仕事はなくなり、小規模ですぐ終わるような仕事が時々ある程度になっていた。
小規模の仕事にしがみついても、数ヶ月後にはまた派遣の話が再燃するだろう。
そのときにどんな派遣先に飛ばされるかは運次第だ。
たった1人で劣悪な派遣先に飛ばされる可能性も低くはないので、それならすでに2人が行っていて環境もそこそこの派遣先があるのだから、そっちを選んだ方がましだろう。
最近の社内は常時監視されているような緊張感があり、なんとも居心地の悪い空気で満ちていた。
残業が禁止になった水曜日だけでなく、課長は部下の残業を減らすべく毎日部下たちを監視するようになった。
上司の監視の目を感じながら、したくもない残業をするのはうんざりだった。
派遣を引き受けたのも、こんな雰囲気から逃れたかった気持ちが大きかった。
それだけ社内の空気は居心地の悪いものになっていた。
たった数ヶ月でこんなにも変わるものなのか。
そりゃ入社以来何年間も派遣は嫌だと言い続ければ、有名にもなるってものだが。
もちろん組織の一員である以上、派遣に出ろと言われたら従うか会社を辞めるかしかない。
その覚悟はいつも持ち続けていたつもりだ。
これまでは会社の方針と俺の希望が社内開発という方向性で一致していたことや、社内開発の仕事が潤沢にあったことも相まって、派遣に出される心配はほとんどしないで済んだ。
しかし緊急不況対策の発表以降はそうもいかないだろうと考え始めていた。
開発用コンピュータが2台から1台になるということは、社内開発の仕事が減るということだ。
仕事があれば減らしはしないだろうから、受注量激減でやむなく減らしたのだろう。
そういえば最近は2台とも電源が入っていないことも多く、これまでのようにだれかが出社したら真っ先に立ち上げるような光景は見なくなっていた。
それだけ社内開発の仕事量が減ったということで、ということは俺もそうそうわがままを言えるような状況ではなくなったようだ。
派遣も覚悟しないといけないかな。
派遣に出されるかどうかも気になったが、それ以外にもなんともいえない薄っすらとした、しかし確実にざわざわした不安感があった。
これから会社はどうなって行くのだろう、俺たちはどうなっていくのだろう。
今まで考えもしなかった不安感が、うっすらではあるが湧き起こっていた。
そんなある日、俺の次の仕事が決まった。
上司の業田課長から伝えられたのは大手電気メーカーでのシステム開発、派遣だった。
なんとなくそんな噂は聞いていたこともあって、あれだけ嫌だった派遣だが自分でも不思議なほどあっさりと引き受けた。
あと数日で派遣先に行くことになったある日、それまでの仕事の引き継ぎや資料整理をしている俺のそばにポンちゃんが来た。
「聞きましたよ、次の仕事。
派遣ですって?
派遣嫌いで有名なのに、よく引き受けましたね」
俺は苦笑いしながら答えた。
「冷やかすなよ。
まあ、ほかに仕事もなさそうだし会社の雰囲気も悪い。
久しぶりの派遣を楽しんでくるよ」
派遣を楽しむと言ったのは俺の強がりだ。
しかし緊急不況対策以降、会社全体が妙な不安感とピリピリとした雰囲気に包まれていて居心地が悪かったのも事実だ。
それに、最近は劣悪な派遣先に飛ばされて苦労している人が増えていて、それだけ仕事が減っていることが実感として伝わってきていた。
俺の派遣先にはすでに2人が派遣に出ていたのだが、彼らによると良くもないがそんなに酷くもない派遣先のようだった。
それなら雰囲気の悪い社内にしがみつくよりも、派遣の方が楽かもしれない。
社内開発の仕事にこだわってもいいのだが、すでに年単位の大規模開発の仕事はなくなり、小規模ですぐ終わるような仕事が時々ある程度になっていた。
小規模の仕事にしがみついても、数ヶ月後にはまた派遣の話が再燃するだろう。
そのときにどんな派遣先に飛ばされるかは運次第だ。
たった1人で劣悪な派遣先に飛ばされる可能性も低くはないので、それならすでに2人が行っていて環境もそこそこの派遣先があるのだから、そっちを選んだ方がましだろう。
最近の社内は常時監視されているような緊張感があり、なんとも居心地の悪い空気で満ちていた。
残業が禁止になった水曜日だけでなく、課長は部下の残業を減らすべく毎日部下たちを監視するようになった。
上司の監視の目を感じながら、したくもない残業をするのはうんざりだった。
派遣を引き受けたのも、こんな雰囲気から逃れたかった気持ちが大きかった。
それだけ社内の空気は居心地の悪いものになっていた。
たった数ヶ月でこんなにも変わるものなのか。
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