「あまがみのみこと」

あまがみのみこと

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「あまがみのみこと」第四章:運命の出会い

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老人会での「あまがみ」の歌声は小さな町のささやかな噂だけで終わらる事はなかった安らかな眠りを得た老人たちの静かな囁きは道を越え谷を越え

やがて風に乗り町から町へと広がり、ついには遠く王都の宰相の耳にまで届くことになる

そして、王都の奥深く宰相は眉をひそめて手元の報告書を読んでいた

「歌声により老いた者が穏やかな眠りを得たと……」

はじめは迷信だと笑い飛ばし一蹴するつもりだった

だが証言はひとつやふたつではない数多の声が揃って語っている

しかも、その中には自ら癒しを体験した高位の貴族の言葉を記すものまであったのだ折しも王族の一人が危篤の床に臥せっており

あらゆる名医の医術も霊薬も効果がない、もはや手立ては残されていない

「……最後の望みか……」

藁にもすがる思いで「宰相」は「あまがみに」城への召喚命令を下した

ある日の午後「あまがみ」の家の前へ一台の豪華な馬車が静かに乗り付けてきた車体には王家の紋章そこから降り立ったのは王家の紋章をつけた冷ややかで

いかめしい面持ちの使者たち彼らが告げたのは危篤の状態にある王族の癒しを願う城からの正式な依頼だった

「王城よりの命により危篤にある王族を癒していただきたい」

その言葉に「あまがみ」の心臓は激しく脈打ち跳ね上がった老人会での成功は嬉しかった

けれど「相手は王族?もし失敗し上手くいかなかったら?自分の力が、この大きな責任に応えられるだろうか?」これまでのどんな依頼よりも大きく重い重圧が彼女の小さな肩にのしかかった「尊い歌の力、使命なの」「おばさん」の言葉が脳裏をよぎる

「ああ……これは私の役目なのだ……」そう自らに言い聞かせ戸惑いながらも「あまがみ」は城へ向かう馬車に乗り込んだ馬車は石畳の道をガタゴトと揺れながら馬車は進み

やがて天を衝くような巨大な王城が視界に迫り

その姿を現し城門をくぐれば、そこは別世界だった

壮麗な廊下は白い大理石に覆われ絢爛たる装飾が並ぶが漂うのは華やかさよりも張り詰めた静寂

案内されていく城内は外の喧騒とはかけ離れた張り詰めた雰囲気に包まれ

どこか冷たく威圧的な空気が肌を刺すように流れていた

そんな中、不意に、ひとりの兵士とすれ違った

がっしりとした体格に身の丈は175cm位で髪の色は黒色で精悍な顔つき

すれ違いざま、ほんの一瞬「あまがみ」の視線と彼の黒色の瞳の視線が交わり合った

その深く、ただ鋭いだけではない、そしてどこか憂いを秘めた彼の瞳は言葉にならないほど雄弁に語りかけてくる「あまがみ」の心に忘れられないほどの印象を残しその一瞬が「あまがみ」の心に焼きついていた

「あまがみ」は思わず足を止めた彼は無言で通り過ぎたが「あまがみ」の胸の奥には初めて会うはずなのに

なぜか強く惹きつけられるような不思議な熱で揺さぶられる感覚があった

振り返ろうとした時には兵士の背はすでに遠ざかっていった

けれど胸に残った感覚だけは消えない、それは、この城での出来事が

ただの邂逅ではなく、その最初の鐘の音がいま確かに鳴り響き光と影とを織りなす物語の「あまがみ」の運命を大きく変えていくであろう予兆でもあったのだ
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