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決死の八百長と最悪のタイミングで現れた王宮馬車
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魔王軍本拠地、魔王城。そこには、これから「死地」へと向かう男の、あまりにも情けない葛藤が渦巻いていた。
「……ああ、気が進まない。行くのはいいが、本当に大丈夫だろうな? 挨拶した瞬間に、聖剣で問答無用で首をはねられることはないだろうな……」
ゼノンはぶつぶつと独り言をこぼしながら、衣装棚をひっくり返していた。かつては威厳に満ちていたはずの魔王の寝室は、今や迷える中間管理職のクローゼットと化している。
「トップが温厚篤実だろうと、部下にはヤバいヤツもいるんじゃないか? うちのバナード(故人)みたいに、言葉よりも先に斧を叩き込んでくるような狂犬が混ざっていたら……。嫌だなあ、本当に行きたくない……。お腹が痛くなってきた」
ゼノンが手に取ったのは、普段の公務で愛用している、着心地重視のシックなローブだった。
「これでいいか? ……いや、ダメだ。弱そうに見えたら一気に畳みかけられる。動物の世界と同じだ。ナメられたら終わりだ。もう少し威厳があって、物理防御力も高そうなやつにするか……」
結局、ゼノンは数十年前に一度袖を通したきりの、トゲのついた禍々しい漆黒の甲冑を引っ張り出してきた。
「……重い。そして肩が凝る。だが、背に腹は代えられない。首を斬られるよりは、肩こりの方がマシだ」
大きくため息をつき、自らの心臓の激しい鼓動を鎮めるように深呼吸を繰り返す。それから、震える手で転移魔法の触媒となる魔石を握りしめた。この魔石もタダではない。どころか、一回使うだけで中級魔族の年収が吹き飛ぶほど高価なものだが、やむを得ない。
ゼノンは意を決して、転移の呪文を唱えた。目的地は、娘たちが滞在している宿屋の前。魔力の光が収まると同時に、ゼノンは一瞬で「魔王の顔」を作り上げた。感情を殺し、瞳に冷徹な光を宿す。これこそが、長年の統治で培った唯一の護身術だった。
宿屋の前。そこにはすでに勇者一行が、まるでお互いの命を賭けた決闘を待つかのような、張り詰めた空気の中で待ち構えていた。ゼノンは周囲を圧倒するような邪悪なプレッシャーをあえて放ち、眼前の若者たちを、兜の奥から鋭くねめおろした。
「余が、魔族を統べる王……ゼノンである」
低く、地響きのように響く声。内面では、
(ひぃっ、みんな武器持ってる! ギラギラした目でこっち見てる! 怖い! 帰りたい!)
と絶叫していたが、鋼の精神力で顔には出さない。
「……ボクが勇者、アラタです」
一人の少年が、静かに一歩前に出た。 ゼノンは兜の奥で目を丸くした。
(……随分、若いなあ。まだ子どもじゃないか。これが本当に、我が軍の軍団長を次々と葬り去った、七百人の勇者軍団を統べるサイコパス……もとい、リーダーなのか? いや、でも、あの腰の聖剣は本物だ。光がヤバい)
チラリと傍らに立つ長女リリスを見ると、彼女は微かに、だが力強く頷いた。「予定通りに」という合図だろうか。それを見たゼノンは、少しだけ勇気を得て、もっともらしい言葉を紡ぎ始める。
「ほお。さすがは勇者軍のリーダーよ。若年ながら、いい面構えをしているではないか。余の放つ覇気に当てられ、立ちすくむことすらしないとはな」
「お会いできて光栄です、魔王よ」
勇者の礼儀正しい、それでいて凛とした態度に、ゼノンは内心で激しく胸をなでおろした。
(よかった……! 割といいヤツそうだ! いきなり斬りかかってくるタイプじゃない! これなら交渉が成立する!)
「ふっ、すでに娘から聞き及んでおろうが、そなたらの働きを認め、いくばくかの猶予をやろう。講和だ。大陸の半分を返還し、……さらに、我が娘たちもくれてやる。はしためとして使うがよい。魔王の娘を従えるというのは、勇者にとっても悪くない名誉であろう?」
「講和とはすなわち……次に刃を合わせるまでの、かりそめの平和ということですね」
勇者が静かに、だが鋭い瞳で答えた。ゼノンは一瞬、心臓が跳ねた。
(言い方! まあ、理屈ではその通りだけど! でも、そんなことを言ったら、そもそも平和自体が一時的なもんだよね!)
「……ふっ、不服か」
「いえ。一息に攻めてきてもよいところ、わざわざ自ら出向き、我らに時間をくださる。さすがは魔王と称される方の度量の大きさに感嘆しております」
(一息に攻められるわけないだろ! できるなら、とっくにやってるわ! でも、度量大きいって言われちゃった。褒められちゃったよ! この子、本当にいい子だな!)
「ふんっ、子どもの癖に世辞を言いおるわ」
ゼノンは再びリリスを見て、彼女からの二度目の頷きを確認した。
(リリスちゃん、ちゃんと説明してくれているんだろうなあ。昨日のあの後の通信で、『十合くらい軽く打ち合えればいいんだよ。それで、こっちが打ち負けたていにするから』って、念を押してるんだけど……。何と言っても母親似だからなあ、イマイチ不安……)
「だが、講和の調印の前に、手合わせをしてもらわなければならぬ。それが我が魔族の一族に伝わる、強者への礼儀よ!」
「リリス姫からお聞きしております。……全霊をもってお相手いたします、魔王よ!」
勇者が聖剣を抜き放つと、青白い神聖な光が辺りを昼間のように満たした。 ゼノンは、
(やっぱ聖剣抜くのか……そりゃ抜くよなあ……ああ、怖い……あの光、私の闇属性に特効がありそう……。くそ、でも行くしかない。ええい!)
と思いながら、腰に履いていた鞘から、これまた見た目だけは禍々しく装飾された魔剣を引き抜く。
「よし、では参るぞ――!! 余の全力を受け止めてみよ!!」
ゼノンが自分を鼓舞する気合の叫びを上げた、その時だった。
街道の向こう側から、派手な装飾が施された王宮の馬車が、砂煙を上げながら猛スピードで突っ込んできた。 周囲を固めるのは、きらびやかな白銀の甲冑に身を包んだ騎士団の一団。
馬車が急停車し、中から降り立った騎士団長らしき者は、仰々しく羊皮紙の巻物を広げた。そして、魔王と勇者が今まさに刃を交えようとしている中心へと割って入り、朗々たる声で「罪状」を読み上げ始めたのである。
「――勇者アラタよ! 貴様には『シャルロット王女の純潔を奪った王室への不敬罪』の疑いがある! 王都まで同行せよ!!」
それを聞いたアラタが、呆然と、聖剣を構えたまま固まった。
「……え?」
ゼノンもまた、攻撃のポーズを取ったまま固まっていた。
「……ああ、気が進まない。行くのはいいが、本当に大丈夫だろうな? 挨拶した瞬間に、聖剣で問答無用で首をはねられることはないだろうな……」
ゼノンはぶつぶつと独り言をこぼしながら、衣装棚をひっくり返していた。かつては威厳に満ちていたはずの魔王の寝室は、今や迷える中間管理職のクローゼットと化している。
「トップが温厚篤実だろうと、部下にはヤバいヤツもいるんじゃないか? うちのバナード(故人)みたいに、言葉よりも先に斧を叩き込んでくるような狂犬が混ざっていたら……。嫌だなあ、本当に行きたくない……。お腹が痛くなってきた」
ゼノンが手に取ったのは、普段の公務で愛用している、着心地重視のシックなローブだった。
「これでいいか? ……いや、ダメだ。弱そうに見えたら一気に畳みかけられる。動物の世界と同じだ。ナメられたら終わりだ。もう少し威厳があって、物理防御力も高そうなやつにするか……」
結局、ゼノンは数十年前に一度袖を通したきりの、トゲのついた禍々しい漆黒の甲冑を引っ張り出してきた。
「……重い。そして肩が凝る。だが、背に腹は代えられない。首を斬られるよりは、肩こりの方がマシだ」
大きくため息をつき、自らの心臓の激しい鼓動を鎮めるように深呼吸を繰り返す。それから、震える手で転移魔法の触媒となる魔石を握りしめた。この魔石もタダではない。どころか、一回使うだけで中級魔族の年収が吹き飛ぶほど高価なものだが、やむを得ない。
ゼノンは意を決して、転移の呪文を唱えた。目的地は、娘たちが滞在している宿屋の前。魔力の光が収まると同時に、ゼノンは一瞬で「魔王の顔」を作り上げた。感情を殺し、瞳に冷徹な光を宿す。これこそが、長年の統治で培った唯一の護身術だった。
宿屋の前。そこにはすでに勇者一行が、まるでお互いの命を賭けた決闘を待つかのような、張り詰めた空気の中で待ち構えていた。ゼノンは周囲を圧倒するような邪悪なプレッシャーをあえて放ち、眼前の若者たちを、兜の奥から鋭くねめおろした。
「余が、魔族を統べる王……ゼノンである」
低く、地響きのように響く声。内面では、
(ひぃっ、みんな武器持ってる! ギラギラした目でこっち見てる! 怖い! 帰りたい!)
と絶叫していたが、鋼の精神力で顔には出さない。
「……ボクが勇者、アラタです」
一人の少年が、静かに一歩前に出た。 ゼノンは兜の奥で目を丸くした。
(……随分、若いなあ。まだ子どもじゃないか。これが本当に、我が軍の軍団長を次々と葬り去った、七百人の勇者軍団を統べるサイコパス……もとい、リーダーなのか? いや、でも、あの腰の聖剣は本物だ。光がヤバい)
チラリと傍らに立つ長女リリスを見ると、彼女は微かに、だが力強く頷いた。「予定通りに」という合図だろうか。それを見たゼノンは、少しだけ勇気を得て、もっともらしい言葉を紡ぎ始める。
「ほお。さすがは勇者軍のリーダーよ。若年ながら、いい面構えをしているではないか。余の放つ覇気に当てられ、立ちすくむことすらしないとはな」
「お会いできて光栄です、魔王よ」
勇者の礼儀正しい、それでいて凛とした態度に、ゼノンは内心で激しく胸をなでおろした。
(よかった……! 割といいヤツそうだ! いきなり斬りかかってくるタイプじゃない! これなら交渉が成立する!)
「ふっ、すでに娘から聞き及んでおろうが、そなたらの働きを認め、いくばくかの猶予をやろう。講和だ。大陸の半分を返還し、……さらに、我が娘たちもくれてやる。はしためとして使うがよい。魔王の娘を従えるというのは、勇者にとっても悪くない名誉であろう?」
「講和とはすなわち……次に刃を合わせるまでの、かりそめの平和ということですね」
勇者が静かに、だが鋭い瞳で答えた。ゼノンは一瞬、心臓が跳ねた。
(言い方! まあ、理屈ではその通りだけど! でも、そんなことを言ったら、そもそも平和自体が一時的なもんだよね!)
「……ふっ、不服か」
「いえ。一息に攻めてきてもよいところ、わざわざ自ら出向き、我らに時間をくださる。さすがは魔王と称される方の度量の大きさに感嘆しております」
(一息に攻められるわけないだろ! できるなら、とっくにやってるわ! でも、度量大きいって言われちゃった。褒められちゃったよ! この子、本当にいい子だな!)
「ふんっ、子どもの癖に世辞を言いおるわ」
ゼノンは再びリリスを見て、彼女からの二度目の頷きを確認した。
(リリスちゃん、ちゃんと説明してくれているんだろうなあ。昨日のあの後の通信で、『十合くらい軽く打ち合えればいいんだよ。それで、こっちが打ち負けたていにするから』って、念を押してるんだけど……。何と言っても母親似だからなあ、イマイチ不安……)
「だが、講和の調印の前に、手合わせをしてもらわなければならぬ。それが我が魔族の一族に伝わる、強者への礼儀よ!」
「リリス姫からお聞きしております。……全霊をもってお相手いたします、魔王よ!」
勇者が聖剣を抜き放つと、青白い神聖な光が辺りを昼間のように満たした。 ゼノンは、
(やっぱ聖剣抜くのか……そりゃ抜くよなあ……ああ、怖い……あの光、私の闇属性に特効がありそう……。くそ、でも行くしかない。ええい!)
と思いながら、腰に履いていた鞘から、これまた見た目だけは禍々しく装飾された魔剣を引き抜く。
「よし、では参るぞ――!! 余の全力を受け止めてみよ!!」
ゼノンが自分を鼓舞する気合の叫びを上げた、その時だった。
街道の向こう側から、派手な装飾が施された王宮の馬車が、砂煙を上げながら猛スピードで突っ込んできた。 周囲を固めるのは、きらびやかな白銀の甲冑に身を包んだ騎士団の一団。
馬車が急停車し、中から降り立った騎士団長らしき者は、仰々しく羊皮紙の巻物を広げた。そして、魔王と勇者が今まさに刃を交えようとしている中心へと割って入り、朗々たる声で「罪状」を読み上げ始めたのである。
「――勇者アラタよ! 貴様には『シャルロット王女の純潔を奪った王室への不敬罪』の疑いがある! 王都まで同行せよ!!」
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