笑う花

マルゾンビ

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それは笑ってる、
俺の脳は焦ってる。

腕をスッと上げた、おもむろにタイトルの"笑う花"を掴んだ、
掴めるものだな。

タイトル「おい!話を勝手に変えるな、私はタイトルだ、手を離せ」

手が震えるほどタイトルを離さない俺!!!!

俺「おい、タイトルを変えろ、笑う花だろ?まだ葉っぱじゃないか?
作者も読者もわかることだ、偽りだろ?変えろ!」

タイトル「待て、それは無理だ!タイトルは変えれない!往生際の悪いやつ目!」

俺「降りてこい!この!」

タイトル「やめろ!下の奴が呼んでるぞ!」

待て!それは言うな。

……。

葉っぱ「おい!」

俺は恐る恐る下を見た。

葉っぱ「変なことしやがって、タイトルとか、俺とか、なんだそれに葉っぱって」

再び目を逸らす。

葉っぱ「野郎!こっち向け馬鹿!あーわかった、大きい声だそ!」

三度それを見る、叫ぶ前に土から伸びた茎を握り、上に引き上げようとした。

葉っぱ「ちょちょちょちょちょ!!話せばわかる!」

そうだタイトルとも話すこともなくなったし、ルビ振りは終わりにしよう。

そしてこれはなんだ、確実に言葉を話してる、
いや疲れているだけだろう、無視しよ。
成長している植物から手を離し、部屋に戻ろうとする。

「嘘だろ!やっぱり大きい声出す!!」

もう十分大きいんだよ!やめろ!
わかったからなんなんだお前!

ふと我に返る、ヤバい一応ここ外じゃないか。
よし、葉っぱ黙れ、家に入れてやる。
床に新聞紙を引き、得体の知れない葉っぱを中に入れた。

「やっとここまできたか、理解したかこの状況を?」

するわけないだろ、なんだこれ、終わったわ、精神病かな俺。

「いちいちウルサイやつだな、わかった名前は?」

俺?言うわけないだろ、お前こそなんだ?

「それはこっちも同じこと、ならお前は今日からヒロシな」

ヒロシじゃないし、葉っぱ。

「おい、葉っぱはやめろ」

なら葉っぱ、声からするに男みたいだけど。

「植物に性別はない、ヒロシがそう聞こえるならそれでいい」

なら、ショウだ。
"笑"でショウ、女だったらエミだったな。

「ショウか微妙だな」

なら葉っぱだ、いいのか?

「だめだ、ショウでいい、譲歩しよう」

よし少し落ち着いてきた。
しつこいが再度、ショウお前はなんなんだ?と、聞くと、
俺はなんでもない、ただの植物さ、
楽しめこの状況を、と訳のわからないことを言った。

腹が減った、こいつにも水をやるか。

「冷たい!葉っぱじゃなくて土にかけろよ!」


続く。
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