笑う花

マルゾンビ

文字の大きさ
上 下
4 / 10

選ばれた?

しおりを挟む
何かが起こってる、
でも何がどうなっているのかは分からない。
祖先?もしかしておじいちゃんとか?

「そんなことではない」
心を読むなよ!

「そんなことを言われても聴こえてくるから、しょうがないだろう」
そ、そうか…。

でも理解しようとも出来そうにもない、
喋る草が祖先?
同僚はやっぱり何か知っているのかもしれない。

「残念ながらそれはない、ヒロシの家に来たのは多分偶然だろう」
偶然?なんで俺?

「それがわからないが、お前の願いを聞き入れることが出来るかもしれない」
うん??!!?

「それも多分にしておこう、それと祖先というより本当は神様かもしれない、でもそれも言わないでおこう」
もう驚くことはやめよう、なんで祖先って言ったのかもわからないし。

「私は神だが、植物に宿っただけだから力なんていうものも使えないしな」
魔法みたいなものってことか?

「ここの世界なら奇跡というものだろうな、質問攻めはもう終わりだ、
私はヒロシを幸せにさせる為に来たのかもしれない」
良い子にしてたらいいのか?

「そういうことではない、ヒロシは今まで良い行いをしていたから心配するな」
ショウって名前にしたけど本当にそう呼んでいいのか?

「ショウで大丈夫だ、問題ない」

それからの生活は、
自分自身が誰かから認められたみたいに思えて、野暮ったい生活から少し自信が付いた。
相変わらず同僚はいい奴で、
自分が前向きになれたお陰で楽しい日々を送れている気がする。
ショウはもう少し大きくなり、
水以外の栄養剤なども使い、更に騒がしくなったぐらい元気たっぷりになった。

でも今は夏場で暑くてたまらない、
暑いのは好きだが、これはひどい。
ショウも夏場に弱いらしく、
「もっと水をくれ!枯れちまう」

朝と夜に二回水をあげたことにより、
枯れるような心配はなくなった。
更に栄養剤などを使い乗り切ることにした。

「ヒロシ!まだか!?早くプロテインくれ!!!」
プロテインっていつから筋肉キャラになった?

それと同僚とご飯を食べに行ったりはしたことは無かったが、
お昼を一緒に食べることが多々増えた。
多分神様のお陰だろう、
人間性まで上がるとは大したもんだ。

まだまだ向上心さえあれば、
変化を楽しめるようになるかもしれない。



続く。
しおりを挟む

処理中です...