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第1章

12.(残念)美少女降臨

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 狩った鳥を昼食に食べ、その後も魔法の練習だ。
 Lvが上がると精度も上がり扱いやすくなるとハクに聞き、俺は何度も反復練習を行った。それは夕方近くまで続いた。
 
 最後にステータスを見ると全ての属性魔法がLv6になり、俺自身のLvも7まで上がっていた。それをハクにも見てもらうと、

 『もうそんなに上がったのか!?今日狩った魔鳥が経験値になったのかの?まぁ、強くなるのはいい事じゃろう。明日からもはげもうぞ!』
 「そうだな。明日も頑張るよ!」

 そう言って俺達は寝床に戻るのだった。



 「……なぁハク、やっぱり明日の練習は休みにしないか?」
 俺は晩ご飯を食べ終わってダラダラしているハクにそう切り出した。

 『どうしたんじゃ?やぶから棒に。明日も頑張ろうと言ったところではないか?』
 「いや、そうなんだけど。そろそろ新しい服とか日用品とか欲しいなって思ってさ。」

 そう。俺はここに来て4日目になるが町どころかこの森から出たことがない。服も洞窟にあった冒険者の物やアイテムボックスに入っていたシャツなどを「」で洗い、着まわしていたのだが、穴が空いたり汚れが落ちないなどと替えが必要になってしまったのだ。

 それを聞いてハクは、
 『それもそうじゃな。明日は買い物に行くとするかの。我も久しぶりじゃし楽しみじゃ!どこに行くかの?』と聞いてきた。

 「そう聞かれても俺にはわかんないよ。1番近くだとどこになるんだ?」
 『ここから1番近くだとニジュメノ(獣族)大陸の【ラゴナ】という街かの?獣族が多く住んでおるが人族もいた気がするのじゃ。』
 「へ~、じゃあそこにしよう。でもハクはその姿じゃ街に入れないんじゃないか?」
 『大丈夫じゃわい!安心せぇ。があるのでな!そうと決まれば明日に備えて今日は早く寝るぞ!』
 「わかった。おやすみ。」

 俺達は会話を終え明かりを消した。するとハクはすぐにスースーと鼻息をたてて眠りについた。早すぎるだろ(笑)
 それにしても大きなフェンリルが街に入れるとは思えない。ハクだから何か考えがあるとは思うのだが心配だ。小さな犬になって従魔のフリでもするのか?俺は明日が不安でなかなか眠れなかった。



 次の日になり、俺は冒険者風の格好をして街に行く準備をしていた。準備といっても顔を洗って身だしなみを整えるくらいなんだけどな…。
 ハクは『洞窟の前で待っておれ!』と言って俺を追い出すと再び中へ入って行った。何をしているんだ?

 追い出されてから10分ほど経過した時、中から『お待たせなのじゃ!』と言いながらハクが洞窟から出てきた。その姿は俺の予想のを行くものだった。

 出てきたのは白銀のロングウルフに耳があって、ぱっちりした琥珀色の瞳、紺色のリボンがついた白いワンピースにリボンと同じ色の靴。肩からベージュのカバンを斜めにげている。見た目は13~14歳くらいのだ。あまりの衝撃に俺は立ち尽くした。

 『お~い、我はハクじゃよ。どうじゃ、この姿は!可愛いであろう?あまりの可愛さに言葉がでんかの?』

 黙っていれば可愛い女の子なのに、話せば中身は年寄りくさいいつものハクだ。それよりも…
 「人型!?それにハクは女の子だったのか!?」と思わず俺は叫んだ。

 『ハッハッハ!そう焦らんでもよい。我に性別は無いからの。ただおさな女子おなごだと色々と得なのでな。』とハクは答えた。

 ならひとまず安心か…?何しろ俺は毎晩ハクを抱き枕にして寝ていたからな。一瞬「俺捕まるのか?」と頭をよぎった。危ない、危ない。とりあえずセーフでいいんだよな…?(多分)

 『何1人で百面相しておるのじゃ。日が沈む前に帰ってきたいのじゃから早く出発するぞ!』
 そう言ってハクは既に歩き始めていた。

 「待ってくれ!すぐに行く!」
 俺ははぐれないよう急ぎ足でハクを追うのだった。
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