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第2章

47.残された俺達は…

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 女性達が買い物に出掛け、ギルドホームに残された俺達3人。

 とりあえず席に着いてハルクさんが入れてくれたお茶を飲む。
 「ミナトが何で強かったのか今日見たステータスでわかったよ。それとハクの事なんだが…。」
 ソルさんが話し始めたが段々と声が小さくなっていき、最後は申し訳なさそうに俺を見てきた。
 あ~…さっき連れ去られた事を気にしてるのか。

 「多分大丈夫ですよ、自分でことなんで。これからもあの姿で過ごす事が多くなると思いますがよろしくお願いします。」
 ソルさんの言葉に返答をしつつ、ハクの今後を思い俺は頭を下げた。必ず何かやらかすだろうから先に謝っておこうという作戦だ。
 
 「そもそもフェンリルって神獣だろ?うやまったりしなくて……「!!!」
 俺はハルクさんの言葉にかぶせ気味で答えた。すぐに調子に乗り出すからあまり褒めすぎないようにも注意した。


 今度はソルさんが俺について聞いてきた。
 「ミナトは彷徨さまよい人だったな、どこに落ちてきたんだ?」
 「魔の森ですよ。ハクともそこで出会って、そこで生活してました。」
 「「だって!?」」
 ソルさんの質問に答えていたらソルさんとハルクさんがとても驚いた様子で俺を見た。何かおかしな事でも言っただろうか?

 「魔の森っての森と呼ばれている場所だぞ?」
 「その森は『落雷の死神』がいるって噂の…。まさかハクがその張本人か!?」
 ソルさんとハルクさんの言葉に俺は『?』が浮かんだ。世界最悪の森?ハクが『落雷の死神』?俺そんな危ない所に落ちてたの?

 衝撃の事実に俺が驚いているとソルさんが、
 「よく今日まで生きてたな~。」
 と言って肩を叩き、ハルクさんも首を振って「うん、うん。」と肯定している。
 俺はそれに苦笑いで答えるしかないのだった。

 その後もソルさんとハルクさんの質問に答えたりして時間を過ごした。今後の活動は明日以降に話し合う事となり、俺達は解散となった。
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