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第2章

48.一人で討伐依頼に出かけるぞ

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 次の日、リビングにはパーティの面々が集まっていた。もちろん人型のハクも同席している。

 「皆、今回の依頼もご苦労だった。現在この間倒したキメラを研究に出しているから、報告が来るまで休暇期間とする。しっかり体を休めたり、いつでも出られるように調整しておいてくれ。」
 ソルさんがそう言うと皆了承し、解散となった。
 俺はハクを連れて何か手頃な依頼がないかギルドへ向かうことにした。ホームを出る時にはハクは子狼の姿に変わっている。


 ギルドへ着くと依頼ボードにある採取依頼と討伐依頼を選び受付へと向かった。
 「こんにちは!本日のご用件はなんでしょう?」
 「こんにちはラビンさん。今日はこの2つを受けたいんだけど?」
 「ミナトさんは昨日遠征依頼から帰ってきたところじゃないですか!身体を休めなくて大丈夫ですか?」
 「一晩寝たらなんともないですよ。このくらいの依頼だったらお昼くらいには帰って来れそうですし。」
 「ミナトさんがそう言うなら。はい、これで受理されました。気をつけて行ってらっしゃいませ。」
 「ありがとうございます。行ってきます!」

 顔なじみのラビンさんと話を終えた俺は街を出て近くの森へと向かった。
 森に着くとハクが俺に話しかけてきた。
 『今日の依頼はミナト一人で十分じゃろ?我は自分の森に帰って時間を潰しておるから終わったらまた呼び出してくれ。』
 「わかった。たぶんお昼頃には終わりそうだからそのつもりで。」
 『うむ。』
 ハクはそう言って一人で森の奥へと入っていった。いつものワープ出来る大木へ向かったのだろう。


 一人になった俺は「サーチ」と「鑑定眼」を使い、採取する薬草や討伐する魔獣を探した。
 もちろんすぐに見つける事が出来るわけで、ものの一時間ほどで全ての依頼を終えてしまった。この後どうしょう……。

 とりあえず暇だったので森の奥へと足を進める。
 その間俺はこの前の遠征依頼の事を思い出していた。キメラを倒した時に【言霊】を使ったが普通に効いていた。という事はかなり強い魔物や魔獣も簡単にこれで倒せるんじゃなかろうか?
 今では無詠唱でも魔法は飛ばせるが、【言霊】は声に出すと威力もコントロール力も格段に良くなる。昔はハクに『破壊神』と言われていたが、Lvが上がったことで今はちゃんと制御もできるようになった。


 などと考え事をしているうちに森の中心くらいまで来てしまったようだ。この森は1番強くてCランク程度の魔獣しか出てこないので、魔の森育ちの俺からしたら朝飯前だ。

 すると近くの茂みがガサガサッと揺れたかと思うと熊の魔獣が現れた。体長は3mほどで黒い毛並みに赤く光る瞳。涎を垂らしながら俺へと近づいてくる。あれは「ワイルドボア」と呼ばれるCランクの魔獣だ。
 俺は焦ることも無く魔獣に向かって『ドロップデッド』とだけ呟いた。

 攻撃された魔獣は動きを止め、「バタッ」という音と共に倒れた。近づくと死んでいたのでアイテムボックスにしまった。以前から考えていた魔法がどの程度の強さまで効果があるのかの実験のつもりもあったので今回はこのように倒したのだ。
 結果、この魔法は自分より格段に弱い魔獣には効果的なのかもしれない。なんせ一言で心臓が止まり倒れてしまうからだ。だがAランク以上ともなると即死とまではいかず、せいぜい動きを止めるくらいにしかならないと感じた。

 「一応これはギルドに報告して素材は換金、肉は今日の晩ご飯にしようかな?」
 そんなことを考えながら俺は来た道を戻るのだった。
 
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