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はらぺこ王子と椿姫
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とある国のお話し。
そこにはギャンブルをこよなく愛する王子が居て、彼は毎日城を抜け出してはコイントスから始まってバカラ、カジノなどなどありとあらゆる物に手を出していて、お小遣い用にと親に作って貰ったクレジットカードの家族カードと紐づけてある通帳はいつも空っぽ。
そんなある日、ついに完全に信用を失ってしまった王子は当然の如くカードの利用が出来なくなり何かを食べることすらままならなくなってしまいました。
王子は途方に暮れ、仕方なく門番が一番手薄になる真夜中に隣国への門を潜り込み、辿り着いた先には果樹園があり、林檎や苺など様々な果物の木が植えられていて、その中でさくらんぼがちょうど食べ頃なのか、燦然と輝くさくらんぼの木を見つけ、登って手に入れようとするも、立っているのすら辛いほどに腹ぺこなせいか、力が出ず。
木の下にへたり込むしかありませんでした。
そこにちょうど一台の馬車が通りかかりました。
これ幸いと力を振り絞って王子が近づいていくと、中には天使の輪っかの美しいこれ以上にない、まるで本物の天使のようなお姫様が乗っており、彼女は扉越しに言いました。
「何かお困りですの?」
王子は喉も渇きに渇き、どうにか首を縦に振るのが精いっぱい。
しかし、彼女の住む隣国はというと、YESとNOのサインが真逆の国。
案の定、大丈夫だと受け取られてしまい、踵を返して一歩、右足が前に出る前に彼女は向き直り、「やはり何かお困りなのでは?」と返ってきました。
「私の国では、英語と日本語を習うことが必須なの。だから、本当は大丈夫ではないのでは?」
唇がカサカサになるほどで涙も出るに出ず、「……help me」掠れた声で言うのが精いっぱいの王子に、椿姫は言いました。
「実は貴方の噂は兼ねがね聞いていたの。」
そして、ちょうど昨日に貴方との縁談のお話を伺っていましたの、と続けました。
「ひとつ、たった一つずつだけで良いのです。ギャンブルを一つずつ、日ごとに一つ辞めてゆき、そして最終的には全てのギャンブルをしないとお約束頂けるならば、私は貴方との結婚を約束致しましょう。」
懐の深さに感銘を受けた王子は、「Thank you, very much.」
王子は涙ぐみながら、「I promise for yo...mmm, No! I want you now. So, I promise for mine. Because, I need Only you. forever. 」
姫はにっこり微笑むと「それではこれを……」と水筒の蓋を開けると緑色の茶葉の香りがほんのり漂ってきて、懐かしい記憶が蘇ってきた王子は再度首を横に振り、一気に飲み干すと二人は仲良く羊羹や落雁などを分け合いました。
しばらくして懐中時計を見ると16時すぎを指していたので、王子は「Thank you, very much.」と幾度となくお礼を行って、また逢う約束をすると、二人はそれぞれの帰路へと着いていきました。
その後の二人はというと、無事にギャンブル依存症を脱する事に成功し、話し合いの末に裏側にフェルメールブルーの施された指輪を交換し合い、幸せへの階段を歩調を合わせ、登り始めたとか。
<終>
そこにはギャンブルをこよなく愛する王子が居て、彼は毎日城を抜け出してはコイントスから始まってバカラ、カジノなどなどありとあらゆる物に手を出していて、お小遣い用にと親に作って貰ったクレジットカードの家族カードと紐づけてある通帳はいつも空っぽ。
そんなある日、ついに完全に信用を失ってしまった王子は当然の如くカードの利用が出来なくなり何かを食べることすらままならなくなってしまいました。
王子は途方に暮れ、仕方なく門番が一番手薄になる真夜中に隣国への門を潜り込み、辿り着いた先には果樹園があり、林檎や苺など様々な果物の木が植えられていて、その中でさくらんぼがちょうど食べ頃なのか、燦然と輝くさくらんぼの木を見つけ、登って手に入れようとするも、立っているのすら辛いほどに腹ぺこなせいか、力が出ず。
木の下にへたり込むしかありませんでした。
そこにちょうど一台の馬車が通りかかりました。
これ幸いと力を振り絞って王子が近づいていくと、中には天使の輪っかの美しいこれ以上にない、まるで本物の天使のようなお姫様が乗っており、彼女は扉越しに言いました。
「何かお困りですの?」
王子は喉も渇きに渇き、どうにか首を縦に振るのが精いっぱい。
しかし、彼女の住む隣国はというと、YESとNOのサインが真逆の国。
案の定、大丈夫だと受け取られてしまい、踵を返して一歩、右足が前に出る前に彼女は向き直り、「やはり何かお困りなのでは?」と返ってきました。
「私の国では、英語と日本語を習うことが必須なの。だから、本当は大丈夫ではないのでは?」
唇がカサカサになるほどで涙も出るに出ず、「……help me」掠れた声で言うのが精いっぱいの王子に、椿姫は言いました。
「実は貴方の噂は兼ねがね聞いていたの。」
そして、ちょうど昨日に貴方との縁談のお話を伺っていましたの、と続けました。
「ひとつ、たった一つずつだけで良いのです。ギャンブルを一つずつ、日ごとに一つ辞めてゆき、そして最終的には全てのギャンブルをしないとお約束頂けるならば、私は貴方との結婚を約束致しましょう。」
懐の深さに感銘を受けた王子は、「Thank you, very much.」
王子は涙ぐみながら、「I promise for yo...mmm, No! I want you now. So, I promise for mine. Because, I need Only you. forever. 」
姫はにっこり微笑むと「それではこれを……」と水筒の蓋を開けると緑色の茶葉の香りがほんのり漂ってきて、懐かしい記憶が蘇ってきた王子は再度首を横に振り、一気に飲み干すと二人は仲良く羊羹や落雁などを分け合いました。
しばらくして懐中時計を見ると16時すぎを指していたので、王子は「Thank you, very much.」と幾度となくお礼を行って、また逢う約束をすると、二人はそれぞれの帰路へと着いていきました。
その後の二人はというと、無事にギャンブル依存症を脱する事に成功し、話し合いの末に裏側にフェルメールブルーの施された指輪を交換し合い、幸せへの階段を歩調を合わせ、登り始めたとか。
<終>
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