42 / 49
第3章 王都
舞い降りた天使sideシュバルツ
しおりを挟む
父上から話があると呼ばれた。父上と話などあまりしたことがなかった。突然呼ばれたとなると、政略結婚の話かもしれない。私ももう19歳だ。十分結婚ができる年齢なため父上なら利用するだろう。実際私の結婚について話し合われているようだ。
「お呼びでしょうか。父上。」
「おお、来たか。シュバルツ。」
「どのようなご要件で?」
「実はな、お前に結婚して欲しいんだ。」
年齢を重ねても引き締まり色気のある足を組み、口角を上げる。
あぁ、やっぱりか。別に結婚が嫌なわけではない。好きな人と結婚したいなどとそんな馬鹿げたことも考えていない。
「わかりました。」
「……相手は聞かないのか?」
ただ、無関心だった。相手など誰でもいい。父上が選ぶ相手なら国のためになるのだろう。だから、誰でもいい。
「お前の相手は、平民だぞ?」
「……は?」
淡々と父上の話を聞いていたが、思わず自分の耳を疑ってしまった。てっきり他国の王子や、上位貴族の息子だと思っていた。のに、平民だと?!
「父上、もう一度おっしゃっていただけますか?近頃どうも耳が悪くなったようで。」
「……多分、お前の耳は正常だ。お前の結婚相手は平民の青年だ。」
まぁ、父上が言う相手ならきっとなんかしらメリットがあるだろう。きっと。
「実は今その青年は騎士団に保護されているのだが、ドラゴンと契約したそうなのだ。」
「……はい?」
「だからドラゴンと契約したのだ。」
「なっ?!」
ドラゴンと契約など、そんな馬鹿げたことをする人なんていない。
ドラゴンはダンジョンに行けば会える。ダンジョン以外でもまれに現れる。だがそれと契約するなど無謀だ。
ダンジョン内ならまだしも野生のドラゴンなどその強さは未知だ。契約できたとしてもドラゴンが強すぎると契約者の命令など聞かないだろう。
あぁ、そうか。私と結婚させてその力を王家のものにするつもりなのか。
「父上、その青年を王宮へ連れてきて危険は無いのですね?」
「あぁ。少年が契約する時そのドラゴンと話をしていたそうだ。契約を結んだ後、そのドラゴンは誰一人襲わずそのまま飛び去った。」
「だから、危害は加えないと?」
「少なくともその少年が頼まなければな。」
「そうですか。わかりました。」
何日かしたあと、その青年が王宮に着いたと連絡が入った。天使だとか女神だとか城下では騒ぎになったらしい。騎士団長の恋人だとかそんな噂も出回ったが。
騎士団長であるデイヴィスの横に伏せた青年がいる。柔らかそうな髪に透き通るような肌。顔を上げてその容貌が明らかになり、私の心臓がとくりと鳴った。
美しい。城下の民が騒いでいたのがわかる。マサトはまさしく天使だった。今まで誰に心を動かされることも無く生きていたが、初めて欲した。
この美しい天使が自分のものになるなんてなんと幸福なのだろうか。
父上が自分の側室になどとほざく。すかさず異を唱える。マサトは私の妻なのだ。
大抵の者は私に頬を染める。可愛らしい少年も、また大柄な青年も。私が求婚すればすぐに答えてくれるだろう。
まさか、断られるとは思っていなかった。確かに、本人があの美貌なら仕方ないかもしれない。まぁ、諦めないが。もしかして、本当にデイヴィスの恋人なのか?
どうやら違うみたいだ。マサトに囁くとほんのり頬を染めた。あぁ、良かった。私にドキドキしてくれて。私たちを鋭い眼光で睨みつけてくるデイヴィスに優越感を味わう。思わず口角が上がった。
デイヴィスに手を引かれマサトが出ていく。ドアが完全に閉まってもまだ私はドアの方を眺めていた。
きっと私は今、笑顔だ。
はは、愛しいマサト。
必ず、君を私のものにするよ。
「お呼びでしょうか。父上。」
「おお、来たか。シュバルツ。」
「どのようなご要件で?」
「実はな、お前に結婚して欲しいんだ。」
年齢を重ねても引き締まり色気のある足を組み、口角を上げる。
あぁ、やっぱりか。別に結婚が嫌なわけではない。好きな人と結婚したいなどとそんな馬鹿げたことも考えていない。
「わかりました。」
「……相手は聞かないのか?」
ただ、無関心だった。相手など誰でもいい。父上が選ぶ相手なら国のためになるのだろう。だから、誰でもいい。
「お前の相手は、平民だぞ?」
「……は?」
淡々と父上の話を聞いていたが、思わず自分の耳を疑ってしまった。てっきり他国の王子や、上位貴族の息子だと思っていた。のに、平民だと?!
「父上、もう一度おっしゃっていただけますか?近頃どうも耳が悪くなったようで。」
「……多分、お前の耳は正常だ。お前の結婚相手は平民の青年だ。」
まぁ、父上が言う相手ならきっとなんかしらメリットがあるだろう。きっと。
「実は今その青年は騎士団に保護されているのだが、ドラゴンと契約したそうなのだ。」
「……はい?」
「だからドラゴンと契約したのだ。」
「なっ?!」
ドラゴンと契約など、そんな馬鹿げたことをする人なんていない。
ドラゴンはダンジョンに行けば会える。ダンジョン以外でもまれに現れる。だがそれと契約するなど無謀だ。
ダンジョン内ならまだしも野生のドラゴンなどその強さは未知だ。契約できたとしてもドラゴンが強すぎると契約者の命令など聞かないだろう。
あぁ、そうか。私と結婚させてその力を王家のものにするつもりなのか。
「父上、その青年を王宮へ連れてきて危険は無いのですね?」
「あぁ。少年が契約する時そのドラゴンと話をしていたそうだ。契約を結んだ後、そのドラゴンは誰一人襲わずそのまま飛び去った。」
「だから、危害は加えないと?」
「少なくともその少年が頼まなければな。」
「そうですか。わかりました。」
何日かしたあと、その青年が王宮に着いたと連絡が入った。天使だとか女神だとか城下では騒ぎになったらしい。騎士団長の恋人だとかそんな噂も出回ったが。
騎士団長であるデイヴィスの横に伏せた青年がいる。柔らかそうな髪に透き通るような肌。顔を上げてその容貌が明らかになり、私の心臓がとくりと鳴った。
美しい。城下の民が騒いでいたのがわかる。マサトはまさしく天使だった。今まで誰に心を動かされることも無く生きていたが、初めて欲した。
この美しい天使が自分のものになるなんてなんと幸福なのだろうか。
父上が自分の側室になどとほざく。すかさず異を唱える。マサトは私の妻なのだ。
大抵の者は私に頬を染める。可愛らしい少年も、また大柄な青年も。私が求婚すればすぐに答えてくれるだろう。
まさか、断られるとは思っていなかった。確かに、本人があの美貌なら仕方ないかもしれない。まぁ、諦めないが。もしかして、本当にデイヴィスの恋人なのか?
どうやら違うみたいだ。マサトに囁くとほんのり頬を染めた。あぁ、良かった。私にドキドキしてくれて。私たちを鋭い眼光で睨みつけてくるデイヴィスに優越感を味わう。思わず口角が上がった。
デイヴィスに手を引かれマサトが出ていく。ドアが完全に閉まってもまだ私はドアの方を眺めていた。
きっと私は今、笑顔だ。
はは、愛しいマサト。
必ず、君を私のものにするよ。
22
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
完結·氷の宰相の寝かしつけ係に任命されました
禅
BL
幼い頃から心に穴が空いたような虚無感があった亮。
その穴を埋めた子を探しながら、寂しさから逃げるようにボイス配信をする日々。
そんなある日、亮は突然異世界に召喚された。
その目的は――――――
異世界召喚された青年が美貌の宰相の寝かしつけをする話
※小説家になろうにも掲載中
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる