①クソ彼氏から離れらんなくて。

あきすと

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朔の中では、時間って止まってたのかも。

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かなり、今更な簡易的キャラ紹介。

蓮花寺 朔(20代半ば)
さすらいの、旅人気質な自由人。
色んな指標がわりと、ガバガバ。
雰囲気的には、ゆったりとしており
何を考えているのかは、分かりにくい。

央未の学生時代からの友人であり、元恋人。

めんどくさがりなので、説明をするのが苦手。
3年前までは、海外渡航していたが
何らかの勉強に行っていたものの
央未には、まだ話していない。

身長は180近くあり、背格好も
細身でスタイルはいい。

女友達も多かったが、3年前の一件以来
関係性は薄れた模様。

実家との関係性は悪くないものの
帰国後に帰ることも無いまま。


柊木 央未(20代半ば)
朔に、3年前去られてから、日々どん底だった。
すっかり、屈折したような性格になりかけて
いるが、元は人当たりのいい好青年。

朔の事を10代の頃からずっと好きだった。
なし崩し的に、付き合う事になってしまったが
その中で、ついつい束縛したり、独占欲に
駆られる事に。

朔が去った後からは、ずっと仕事一途で
根はかなり真面目ではあるものの
朔の事が絡むと、目の色が変わる。
朔の自由さに魅力を感じながらも
不安要素ではあると実感している。

強がりに思われがちで、俗にいうツンデレ。
身長は、170程。
朔いわく、脚が綺麗とのこと。






『え、もう年号って変わってたんだ?』
平成に取り残されている朔の、妄言がこれだ。

3年前の事になるから、仕方がない気もする。

「お前って、本当に世の中の事は…どうでもいいんだな。」
『…そんな、ことも無いけど。そっか、時代は変わったんだな。』

おや?なんか、珍しくこう…
寂しそうな?
顔なんかしちゃって。

まぁ、平成をメインに生きて来たんだから
気持ちは、なんとなく
理解できるよ。

「寂しいって、言えよ。」
『やだ。だって、もう過去の事だし』

コイツ、本当にイイ性格してる。
『寂しくは、無いよ…。でも、なんだろう?何かを
置いてきた様な。しなきゃいけない事が他にもあった気がして、』

晩飯がテーブルに並ぶ。
しばらくぶりの、朔の料理が大半で
思わず、頬ぐ緩みかける。

「それは、朔の場合…ライ『その話はナシでー。』…分かった。」

朔は、きっと誰よりも引きずっている。
過去と割り切ってるつもりでも、
本人は隠して、無かった事にしたいみたいだけど。

傷ではない、って。

かばう事も、晒すこともしない。
記憶から消したいのだ。

『黙らないで。央未、しか俺は話す相手いないし。』
「気ィくらい、使わせろよ。」

『央未も結局、俺に甘いでしょ?居なくなられたら、嫌だから。』

こんなクソ野郎、と思って3年間を過ごしてみたものの
こいつ、話すと…そうでもなかったりするし。
ただ、考えが、独特過ぎるだけで。
全部を言ってくれない。
だから、俺は

不安になって、自由を奪いたくなるんだ。

「朔、もう食べよう…。話は後からな。」

手を合わせてる朔を、ちらっと盗み見した。

一人を選んだり、また急にフラッと
俺の前に現れたり。

朔の心は、ここにあるけど無い。

体はここに、心はきっと違う所に
置いてるんだろ。

誰よりも、朔と一緒に居た俺にはわかる。

案外、綺麗な食べ方を隣や
向かい側から見ているのが好きだった。

これからの事を話すべきなのかと、
頭の中がモヤモヤする。
相変わらず、手の込んだ料理を惜しみなく
振舞ってくれる朔が、
ますます、分からなかった。

「別れた相手の家に、来るのは気が咎めないものか?」

しまった、あまりにどストレートすぎた。
思わず、手で口を押えると
『ちゃんと、サヨナラしてもないよ?』

ソファーにもたれかかる俺の隣には、
朔も一緒だ。

「だから、ソレだよ。」
『待ってて、って…言えなかった。央未の時間を
奪うみたいで、嫌だったから。』

あーーーー、もう。
こいつは、なんなんだよ。

「言われれば、待ってたよ。」
『うん、それじゃ俺が困るからさ。…遊びに
行ってたわけでもないし。』

やっぱり、俺の知らないところで
きっと、将来の事で動いていたんだな。

「捨てられたって、思うよ…あれじゃ、」
『約束は、綺麗なものだって思いがちだけど。俺は、
自由な選択肢を奪うかもしれないって考える。』

知ってる。

ぶっちゃけ、俺と付き合っている時に
仲のいい女の子が数人いた時に
感じた事だ。

朔は、分け隔ての無い奴だった。
なのに、俺が朔の踏み入ってほしくない
領域に、立ち入ってしまい。

「…不毛な話。いいや、無事に帰って来てくれて嬉しい。」

すんなりと抱き合って、少し心が軽くなる。
『俺がいるのに、やっぱり…央未の目は切なそう。』
「お前の、おかげで…だろ?」
『好きだよ、全然瞳の奥が凍ったままなの。』

あ、やっぱりクソ彼氏だな。

「信用できない。俺は、もう…燃えカスしか残ってないよ。」
『俺は、今から静かに燃えだすところなのに。』

すれ違いばっかり、
思い違いに、
空回り。

「お前は、上手い事言っても…自分は燃えないよ。相手を
いたずらに燃やして、また風みたいに消えるんだから。」

『あははっ、ちょっと…ヒドくない?』
全然、仕方ないと思うんですけど。

「…ここに住むなんて、おんなじ事の繰り返しじゃん。」
『うん。俺は、それもいいけど…央未はやっぱり、イヤ?』

耳元で問う朔に、ぞわぞわと背中を粟立てる。
『あ、まだ開いてる。』
耳たぶのピアスホールを、朔が見つけると
嫌な予感がした。

怖くて、開けられなかった俺を
あの時の朔は、何にも言わずに
俺を見つめていたんだ。

朔の部屋で、用意した消毒液と
保冷剤。
朔は、興味がないらしくピアスは開けていない。

『若気の至りだね。…俺と付き合い始めの頃の
央未って、本当に壊れそうで。見てられなかった。』

どういう意味だよ…。

朔からのキスは、ヘンに優しいから困る。
まるで、懐柔するみたい。
言葉以上に、伝わるものがあるから
俺は、大人しくなって。

憎まれ口が叩けなくなる。
身構えているのが、アホらしくなる。
「……昔さ、」
『うん?』
「俺の目ん玉、舐めようとしたよな?朔」

あぁ、と朔が微笑む。

『愛してるって、どうやったら伝わるかなぁって、思って。』

朔に、タブーの概念が薄い事は分かってはいたけど。
『なに?してほしいの、央未…』
「いや、俺コンタクトだし。」

『しないよ…。央未、怖がってるから。でも』
一瞬、朔が言葉を区切る。
「…何だよ、途中で切るなよ。」

『いつか、央未にも俺の気持ちが解ると思う。』
朔の手のひらは、俺の頬や髪を軽く撫でて
何度も口付けあう。

「朔、しつこい…俺そろそろ風呂に入りたい。」
『えー、ダメ。』
「はぁ?もー…お前は先に入っただろうけど、」
『俺、もっかい入ろうかな?』

「一緒には、入らないからな。」
『誰も、そんな事言ってマセーン。』

腹立つ…。

『嘘だよ。ゆっくりしておいで、央未。』

目を細めて、朔が俺を抱いていた腕を解く。

これはこれで、なんつーかまた
ね、名残惜しいというか。
踊らされてんなぁ…。


シャワーの準備をしていると、
そういえば、と思い出したことがあった。
あいつ、ゴム買って来させて
使うつもりなんだろうけど…。

一応、準備した方がいいのかな。

うわ~、と自分の事なのに
妙に気恥ずかしくて
軽く引いてしまう。

だってさ、めっっちゃ期待してるみたいじゃないか?

思うつぼ、的な?

…気が重い。

しなくて後悔より、してからの後悔の方が
性に合ってる。

今更、気をまわすことも無いんだろうけど。

浴室に入ると、何故かため息が出た。


『…央未、遅い…、ねむ…』

ちょっと、久しぶりで
時間がかかった。

脱衣所に出て、着替えてると
「…ん?」
今から音がした。
何だろう、携帯の着信音か?

俺のではないから、朔に電話だろう。

こんな時間に、誰だろう?

モクモクと、また詮索の食指が動きかける。
あー、ヤメヤメ。

干渉は、朔を追い詰めるだけだ。
頭では理解している。
俺は、何を恐れているんだろう。
俺を頼って帰国した朔は
住むところを無くしたとは、思わなかったのか。

髪を乾かし終えて、居間に戻ると
朔の方は、携帯での通話も終わっていた。

「遅くなった、朔どうする?シャワー…」
『ゃ、大丈夫。2回も入るなんて遠慮なさすぎるし。』
「気にすんなよ、それくらい。」

表情は、さっきと変わらなさそう?

『俺の顔色見ても、しょうがないよ。央未。』

あー、うん。
俺も、そう思う。

「バレたか…」
『楽しむ時は、もっと没頭して?』

朔の言うとおりだ。

「朔、」
『はぁい?』
「朔ーー、」
『ははっ、なぁに…央未、』

「朔…好き。」

馬鹿げてる。

『わぁ、俺もだよ?央未…大好き。』

嬉しい、嬉しくて
笑ってしまう。

『どうしちゃったの?ほら、央未…』

腕を広げる朔の元へ、馬鹿みたいに寄って行き
ハグをする。

だって、これがやっぱり満たされる。
好きなんだから、しょうがねぇ。

『ん、遅かったね?シャワー』

聞いてくるんかい、と
焦ったけど。

「無粋なコト、聞くな…」
え?と朔が目をみはって
察したらしく
『あ、解った。』
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