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21歳いすか視点

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今日も、大好きな人がいる世界で。

こんな事、当たり前だって少し前までは思ってた。
でもさ、寝て起きてみたら違う世界に飛ばされてた。

ゲームとかアニメみたいな話だって思ってたけど。
本当に、自分の身に起きてみて愕然とした。

しかも、未来の世界。

唯一の救いだと思ったのが、飛ばされた先が
恋人の部屋だったくらいかな。

もう、この世界に来て数か月が経過してる。
本当に元の世界には帰れる見込みがない事を、
恋人でもある若波もなみに、丁寧に説明してもらった。
(頭良いのも、元の世界の若波と同じなんだよね)

お互いが、お互いに惹かれ合っていく日々で
37歳の若波は、本当によくしてくれている。
生活においても、そんなには不満もない。

ただ、温暖化がかなり進んでいる未来の世界だから
夏場なんかは特に、外出する時でも
厳重な対策をしないといけない。
日焼け止めに、日傘、サングラスなんかも
するように言われている。

夜になっても、気温は30度を下回らないから
エアコンは1日中つけっぱなし。

俺の体が、この世界に慣れるまで若波は細かに
体調管理を気に掛けてくれた。

お風呂に入る時も、少し温めの温度で沸かして
底冷えした体をゆっくりと温める。

お風呂の中で流れてるBGMや、アロマオイルの心地いい香りに
包まれながらゆったりと湯船につかっていると
眠気に襲われる。

あれ、そういえばそろそろ若波の誕生日なんじゃない?
今、収入無いからプレゼントも買えないんだけど。
せめて、お祝いの為にケーキとか作っても良いかもしれない。

あー、元の世界の若波どうしてるのかな?
急に俺がいなくなって、ちょっとは捜してくれてたら
嬉しいなぁ…。

逢いたいよ。

そこで、意識は途絶えた。

ここに来てから、若波に着けてもらったウオッチを外して
お風呂に入ったせいで、俺はのちに帰って来た
若波に、叱られた。

『脱水症状起こしたらどうするんだ…、ここは前の世界とは違うんだぞ。』
「はい…。ごめんなさい。」
一人きりの時間が多くなって、家の中で運動をしたり
料理を勉強したりしてるけど。
やっぱり自分は、アイドルだから物足りない。

リビングに戻りかける若波の服の裾を引っ張って
「まだ、行かないでよ……。」
水分を摂る様に言われて、ベッドフレームに置かれている
経口飲料水を飲む。

『少しは落ち着いたか?』

じっ、と若波を見上げる。
変態の癖に、顔も性格もいいんだから。
ほんっと、やりにくいったらないよね。

年齢差16歳の若波と俺とじゃ、なんだかまるで
諭されてる感じになる。
恋人っぽくなってるのかな?
「ぅん、さっきよりかはね……。」
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