【武蔵と清瀬】あかい尾びれがゆらゆらと

⑤はじらい

『っふふ…っ…』
首に回された武蔵の両腕、
密着した腰と腰。
ぶつかる視線。
ちらっと見え隠れする、あかい舌と
口内の媚肉がひたすらに
いやらしい気がした。

人目を忍んで、睦み合う。
誰がどう見ても、困難な愛で
だからこそ余計に燃えてしまうのか。

下手な息継ぎが苦しそうで、時々
武蔵の様子を見ながら
キスを続ける。

太腿の間に手を滑り込ませて、
肉感を指先でしっかりと感じる。

びくびくと、体が揺れてしまう武蔵が
可愛くて仕方なくて。
「乳首、すぐ立ってんじゃん。」
『~っ、それはぁ…ッン…きよくんがぁ……っや…』

服の上からでも、お構いなしに
場所さえ分かれば吸ってやった。

エプロンが邪魔。
首に掛けてる部分を外させて
両手でガバッと武蔵の胸を掴む。
『ひゃわぁ…っ…？！』

武蔵のわりに、でかい声が出て
ちょっとだけ笑った。
慣れてるはずなのに、いまだに
体を震わせたりして。
処女より純情そうな瞳で俺を
見つめてくるんだからタチが悪い。

湿ってしまった服を脱がせてしまえば、
色白な胸板が目の前に晒される。

プクっと起きた乳首が、あまりにも
エロ過ぎて…ヤバい。
見慣れてるのに、何回見ても
控え目な胸板に似合わない
赤みを帯びた突起に、性的倒錯を
覚える。

『やっぱりダメぇ…っ、恥ずかしい…！なかった事にして、清くん。』

はぁあああああ～？！

思わず声にも出てた。
アホかコイツ、ってのは言い過ぎだな。

「…武蔵は、俺の精気欲しくないのか？」
熟知してる武蔵の性格をここは
利用させて貰おう。
『僕も欲しいよ…？でも、自分からこんな事言っちゃったのが、今更恥ずかし過ぎて…』
確かに、言われてみれば武蔵の顔は
紅潮してる。
あぁ、だから今日はやけに
妖艶なんだな。

「俺は、武蔵に求められて…すごく嬉しかった。」
しっかりと抱き締めて、できる限り
優しく頭や頬を撫でていく。