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⑥痴態

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頼りなげな武蔵の笑顔が、穏やかに
変わっていく。
『どうしたら良いか、分かんなくて…ちょっと困ってたの。だから、ね…清くんにリードお願いしても良いかな?』

こてん、と首を傾げて俺をうかがい見る
様を見てると

無意識、無自覚って最強かな?って
素直に思う。

「俺は、むーがマグロでも全然イケるし。今みたいにずっとボケた事言って、煽り倒すむーも大好物だから…心配すんな?」

そう言って、俺は武蔵の額に
口付けた。

ヤっても、数日で修復される
身体のせいで武蔵と繋がる時は
丁寧に準備をする。
本人いわく、多少痛くても平気だと
言ってきたが。

俺は武蔵を傷つける存在でありたく
無いから、拒否した。

俗に言う、めんどくささこそが
俺はむしろ愛おしくて仕方ないのだと
理解している。

なんだかんだ言いつつ、受け入れる事に
慣れて行く武蔵を見ているのが
堪らない気持ちになる。
そこまでして、俺と繋がる事を
望んでくれる。

この事実が、嬉しくて。

「むー、ローション取って?」
俺も手慣れたもので、武蔵の体に
負担をかけない様に綻ばせるのが
段々と上手くなって来ていた。

あられもない姿で、武蔵は
わずかに声を上げながら俺の手で
解かれていく。
視覚的に、クるんだよなぁ。
立ちバック…。

中途半端にエプロンが、ズリ落ちてて
脚首のトコに落ちたままの
ショートパンツ。

あ、そういえば武蔵のヤツ
ノーパンだったんだけど。
どう言う事だよ、ったく。

『やぁん…っ、冷たい…っあぁ…』
じゅぷっ、と蕾にローションを
帯びた指が入ってく。

武蔵の温度を指先で感じる。
まずは、指2本に馴染むまで
ゆっくりと中を満たしていく。
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