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10 生徒会長との出会いイベント
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休み時間に、生徒会長に放送で呼び出された。名指しで。
『チラ見せだった生徒会長・カールとの出会いイベントだぞ!気を引き締めていけよな』
神様はワクワクした様子で言う。呼び出しを食らって少しびびっていたが、どうやら神様が作ったシナリオ通りらしい。
この学園の生徒会長の名はカールデアグロース。入学式で登壇していたので姿は知っている。
プロフォーンドは身体のスケールは決して大きくなく、コンパクトながらもバランスの良い体つきだ。ルクールプルーフは背が高く手足が長いが、筋肉がもりもりについているわけではない。それでもそこら辺のモブよりはかなり筋肉質なのだが。
カールデアグロースは彼ら二人とは一線を画す体つきであった。
制服がぴちぴちになるほどの胸板と、色黒の肌が健康的で美しい。
「確かにカール様のお身体は実に魅力的でした…鼻が鳴ってしまいます」
ついブモモモモ…と鼻が鳴ってしまう。餌がもらえそうなときに出てしまう声だ。餌タイムになると、厩舎内にはブモモの大合唱が響き渡るのだ。
『ちょ…!今は人間なんだから馬言語やめてくれる?!ていうか、どうやって今の声出したの?人体の構造的に無理だよね?』
神様の言葉を無視して、生徒会室に向かう。改めてカール様の肉体美を分析させていただこう。
生徒会室に入ると、カールの隣に昨日のチャラチャラウインクマン…もとい、ルクールプルーフもいた。
「よっ、サラちゃん。また会ったね」
ルクールは再びサラに向かってウインクをする。
「うう…神様、私あの人苦手です。ぞわぞわします…」
『イケメンなんだから許してあげて!』
そう言われても、イケメンの良さが分からないのだから仕方がない。
「はじめまして、サラさん。この学園の生徒会長であるカールデアグロースです。こっちの顔面がうるさい男は副会長のルクールプルーフ」
「顔面がうるさ…?え?うるさいのは俺の声じゃなくて?」
「分かっているなら慎んだらどうですか?」
生徒会長にピシャリと言われたルクールは、しゅんとして3秒ほど黙る。
「でも顔面がうるさいってつまり、俺がイケメンってことだよね?」
「うるさい虫が飛んでいますね」
「ひっど!さすがの俺も傷ついたわー!カールちゃんひどい!ね、サラちゃん」
突然話を振られたサラは「え、あ。うるさいですね」とうっかり答えてしまった。
「さ、サラちゃんひどい…」
サラの言葉にはルクールもさすがにかなり傷ついたようだった。
「というか、ルクールさんは副会長さんなんですね?王子にもかなり馴れ馴れしくしていましたが、偉い人なんですか?」
「馴れ馴れしくって…!いや、プー殿下とは幼馴染みたいな感じなのよ。殿下が手乗りサイズだった頃から知ってるのさ」
なんということだ。人間は生まれたての時は手乗りサイズらしい。馬の場合は生まれたときから50kg程度の重さがある。それに比べて人間の赤子のなんと小さきことか…。
『いや、手乗りサイズではないからね?!人間の赤ちゃんも米袋くらいの重さだから!ルクールの適当な言葉信じちゃダメ!』
ルクールさんの言葉は信じたらだめ。サラは学んだ。
「うちの親、騎士団長なんだよね。それで俺もこう見えて天才騎士だから、ゆくゆくは殿下ちゃんを守るスーパー騎士になるってわけよ」
ルクールさんの言葉は信じたらだめ。きっとこの話もデタラメだろう。
『この話はデタラメではない』
そうだったのか。何が本当で、何が嘘なのか全くわからない。
「ちなみにこいつは宰相の息子。こいつ自身も天才だから、ゆくゆくは殿下ちゃんを支える右腕になるだろうね」
ルクールは親指でカールを指して言った。
「お二人とも将来性抜群というわけですね…ですが、将来有望と言われている馬ほど、どうなるかわからないものなのですよ…!思い出してください、セールで高額取引された馬の末路を!!」
『彼らにその記憶ないから!ていうか高額取引馬の闇に触れるのはやめて!!』
競走馬は、0歳や1歳で売りに出される。特に良血…高名な両親を持つ馬は、何億という価格で取引されるのだ。しかし、価格がそのまま戦績に反映されるとは限らない。
未来のことは誰にもわからないのだ。どんなに将来有望と言われていても、怪我や病気でおじゃんになる可能性だってある。
「殿下ちゃんが言ってた通り、サラちゃんって意味不明で面白いね」
ルクールはへらへらと笑いながら言う。しかしカールは険しい表情を浮かべていた。
「そうですね…やはり平民出身だと、何かと難があるのでしょう。常識を学ぶべきです」
カールはピシャリと言い放つ。厳しい物言いに、サラは少し居心地の悪さを感じた。
『チラ見せだった生徒会長・カールとの出会いイベントだぞ!気を引き締めていけよな』
神様はワクワクした様子で言う。呼び出しを食らって少しびびっていたが、どうやら神様が作ったシナリオ通りらしい。
この学園の生徒会長の名はカールデアグロース。入学式で登壇していたので姿は知っている。
プロフォーンドは身体のスケールは決して大きくなく、コンパクトながらもバランスの良い体つきだ。ルクールプルーフは背が高く手足が長いが、筋肉がもりもりについているわけではない。それでもそこら辺のモブよりはかなり筋肉質なのだが。
カールデアグロースは彼ら二人とは一線を画す体つきであった。
制服がぴちぴちになるほどの胸板と、色黒の肌が健康的で美しい。
「確かにカール様のお身体は実に魅力的でした…鼻が鳴ってしまいます」
ついブモモモモ…と鼻が鳴ってしまう。餌がもらえそうなときに出てしまう声だ。餌タイムになると、厩舎内にはブモモの大合唱が響き渡るのだ。
『ちょ…!今は人間なんだから馬言語やめてくれる?!ていうか、どうやって今の声出したの?人体の構造的に無理だよね?』
神様の言葉を無視して、生徒会室に向かう。改めてカール様の肉体美を分析させていただこう。
生徒会室に入ると、カールの隣に昨日のチャラチャラウインクマン…もとい、ルクールプルーフもいた。
「よっ、サラちゃん。また会ったね」
ルクールは再びサラに向かってウインクをする。
「うう…神様、私あの人苦手です。ぞわぞわします…」
『イケメンなんだから許してあげて!』
そう言われても、イケメンの良さが分からないのだから仕方がない。
「はじめまして、サラさん。この学園の生徒会長であるカールデアグロースです。こっちの顔面がうるさい男は副会長のルクールプルーフ」
「顔面がうるさ…?え?うるさいのは俺の声じゃなくて?」
「分かっているなら慎んだらどうですか?」
生徒会長にピシャリと言われたルクールは、しゅんとして3秒ほど黙る。
「でも顔面がうるさいってつまり、俺がイケメンってことだよね?」
「うるさい虫が飛んでいますね」
「ひっど!さすがの俺も傷ついたわー!カールちゃんひどい!ね、サラちゃん」
突然話を振られたサラは「え、あ。うるさいですね」とうっかり答えてしまった。
「さ、サラちゃんひどい…」
サラの言葉にはルクールもさすがにかなり傷ついたようだった。
「というか、ルクールさんは副会長さんなんですね?王子にもかなり馴れ馴れしくしていましたが、偉い人なんですか?」
「馴れ馴れしくって…!いや、プー殿下とは幼馴染みたいな感じなのよ。殿下が手乗りサイズだった頃から知ってるのさ」
なんということだ。人間は生まれたての時は手乗りサイズらしい。馬の場合は生まれたときから50kg程度の重さがある。それに比べて人間の赤子のなんと小さきことか…。
『いや、手乗りサイズではないからね?!人間の赤ちゃんも米袋くらいの重さだから!ルクールの適当な言葉信じちゃダメ!』
ルクールさんの言葉は信じたらだめ。サラは学んだ。
「うちの親、騎士団長なんだよね。それで俺もこう見えて天才騎士だから、ゆくゆくは殿下ちゃんを守るスーパー騎士になるってわけよ」
ルクールさんの言葉は信じたらだめ。きっとこの話もデタラメだろう。
『この話はデタラメではない』
そうだったのか。何が本当で、何が嘘なのか全くわからない。
「ちなみにこいつは宰相の息子。こいつ自身も天才だから、ゆくゆくは殿下ちゃんを支える右腕になるだろうね」
ルクールは親指でカールを指して言った。
「お二人とも将来性抜群というわけですね…ですが、将来有望と言われている馬ほど、どうなるかわからないものなのですよ…!思い出してください、セールで高額取引された馬の末路を!!」
『彼らにその記憶ないから!ていうか高額取引馬の闇に触れるのはやめて!!』
競走馬は、0歳や1歳で売りに出される。特に良血…高名な両親を持つ馬は、何億という価格で取引されるのだ。しかし、価格がそのまま戦績に反映されるとは限らない。
未来のことは誰にもわからないのだ。どんなに将来有望と言われていても、怪我や病気でおじゃんになる可能性だってある。
「殿下ちゃんが言ってた通り、サラちゃんって意味不明で面白いね」
ルクールはへらへらと笑いながら言う。しかしカールは険しい表情を浮かべていた。
「そうですね…やはり平民出身だと、何かと難があるのでしょう。常識を学ぶべきです」
カールはピシャリと言い放つ。厳しい物言いに、サラは少し居心地の悪さを感じた。
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