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番外編 Love Addict
35-6
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そんなことを話していたら、まひるが戻ってきた。なんとなく残念な気持ちになったが、これは家庭訪問であり、壱流と会話を楽しむ場ではとりあえずない。
「じゃあ俺はこれで」
「もう帰るの?」
「ああ。まふゆの先生とちょっと会ってみたかっただけだし、今竜司とアレンジやってたとこだから」
立ち上がり、まふゆを自分が座っていた椅子に座らせると、飲みかけのコーヒーをまた少し飲んでから壱流は背を向けた。
(腰、細いなあ)
その後姿に瀬尾はまた悶える。
しかし今……帰る、と言った。
やはり一緒には住んでいないのだろうか、と思ったが、あまり立ち入ったことを聞くのは躊躇われた。
* * *
「おう壱流、早かったんじゃね」
部屋でギターをぎゅりぎゅりと鳴らして壱流を待っていた入江竜司は、戻ってきた姿を目視して笑みを浮かべた。
部屋の壁には写真や記事などがぺたぺたとたくさん貼り付けられていて、なんだか落ち着かない。たまに記憶喪失になる竜司はここ数年、思い出しやすいようにとこんな作業を地道に続けている。
忘れるのは仕方ない。忘れた上でいかにうまく壱流とやってゆくかが問題であって、試行錯誤の末にこんな部屋が出来上がった。竜司になついているまふゆは、たまにこの部屋で興味深そうに壁を見つめている。
「先生、どうだった?」
「……ん、微妙。見た目がっちり系なんだけど、どっかヘタレた感じの、でもまあ、それなりにいい人っぽいかな」
思ったことをそのまま口にした壱流に、聞いていた竜司は苦笑する。どんな人物にまふゆを預けているのか知りたいとかで、さっき出て行ったのだが、果たしてお眼鏡には適っただろうか。微妙、とか言ってるあたり、本当に微妙だ。
「またそんな目で見つめたりしなかったろうな」
「そんなってなんだ」
「誘ってる目、だよ。女相手ならまあいいけど、男とは浮気すんなよな?」
にい、と笑った竜司は、壱流の腕を引いて抱き寄せて、潤んだ瞳を間近で覗き込む。
「竜司……。そんなこと、俺が好き好んですると思うか?」
「いやいや、おまえはなあ。無意識に相手誘ってることがあるから」
「……気のせいだ」
先ほど瀬尾に向けた濡れた目は、直前に竜司とおかしなことになっていたせいだ。
「じゃあ俺はこれで」
「もう帰るの?」
「ああ。まふゆの先生とちょっと会ってみたかっただけだし、今竜司とアレンジやってたとこだから」
立ち上がり、まふゆを自分が座っていた椅子に座らせると、飲みかけのコーヒーをまた少し飲んでから壱流は背を向けた。
(腰、細いなあ)
その後姿に瀬尾はまた悶える。
しかし今……帰る、と言った。
やはり一緒には住んでいないのだろうか、と思ったが、あまり立ち入ったことを聞くのは躊躇われた。
* * *
「おう壱流、早かったんじゃね」
部屋でギターをぎゅりぎゅりと鳴らして壱流を待っていた入江竜司は、戻ってきた姿を目視して笑みを浮かべた。
部屋の壁には写真や記事などがぺたぺたとたくさん貼り付けられていて、なんだか落ち着かない。たまに記憶喪失になる竜司はここ数年、思い出しやすいようにとこんな作業を地道に続けている。
忘れるのは仕方ない。忘れた上でいかにうまく壱流とやってゆくかが問題であって、試行錯誤の末にこんな部屋が出来上がった。竜司になついているまふゆは、たまにこの部屋で興味深そうに壁を見つめている。
「先生、どうだった?」
「……ん、微妙。見た目がっちり系なんだけど、どっかヘタレた感じの、でもまあ、それなりにいい人っぽいかな」
思ったことをそのまま口にした壱流に、聞いていた竜司は苦笑する。どんな人物にまふゆを預けているのか知りたいとかで、さっき出て行ったのだが、果たしてお眼鏡には適っただろうか。微妙、とか言ってるあたり、本当に微妙だ。
「またそんな目で見つめたりしなかったろうな」
「そんなってなんだ」
「誘ってる目、だよ。女相手ならまあいいけど、男とは浮気すんなよな?」
にい、と笑った竜司は、壱流の腕を引いて抱き寄せて、潤んだ瞳を間近で覗き込む。
「竜司……。そんなこと、俺が好き好んですると思うか?」
「いやいや、おまえはなあ。無意識に相手誘ってることがあるから」
「……気のせいだ」
先ほど瀬尾に向けた濡れた目は、直前に竜司とおかしなことになっていたせいだ。
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