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第10話 グロリオサ
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昼間二人が訪れたビルに、頭のないDが一糸纏わぬ姿で転がっていた。両手足の指を結束バンドで拘束されており、自由に見動きは取れないが死んでいるわけではない。
頭部を失うイコール命を失うということではなかったが、視界がゼロな為にいろいろと不便だった。
「ネモ、こんなところにいた」
日も落ちて暗く静まり返ったビル内に、他の気配が混じる。帰らない仲間を迎えに来たのだ。その手には何やら抱えている。
「どれが良い? ネモ……ネモフィラ?」
涼しい声を上げたDは返事がないことに眉をハの字に曲げてみたが、問い掛けた相手に耳や口……そもそも頭全体がないことに、改めて気づいたようだった。
「答えようがないな。仕方ない、グロリオサがネモの頭を決めてあげよう。あとで文句言わないでね」
グロリオサというのはこのDの個体名のようだった。
「目の代わりになるものがついてるといいよね。グロリオサ的には、花束でもくっつけてあげたいところだけど、花に目はないからなあ。それとも少ししたら目(芽)が出てくるかな? はは、花だけに」
誰も笑ってくれないくだらない独り言に、グロリオサは一人で笑った。
「頭そのものが手に入れば簡単だったんだけどねえ。適当なのが調達出来なかったから……動物とかもいいかなって思ったけど、ほら、ライオンとかトラとか? かっこいいじゃない。そういうの調教するのも楽しそうだなって探してたらこんな夜になっちゃった。でも結局見つからなかったんだ残念だけど。というわけで、ネモにはこれ! 気に入らなかったらあとで自分で直してね」
服でも試着するような気軽さで、グロリオサは転がっているネモフィラの首の切断面に、色鮮やかな鳥の入った鳥籠をくっつけた。ばさばさと鳥籠の中で鳥が羽ばたく。
「巧く融合するといいけどー。このチョイスはなかなか素晴らしいと思うんだ。この鳥話せるし、可愛いから。まあ失敗したら、違うの考えるよ。って……、ネモ。何も着てないね! あのアサトにヤラれちゃった?」
しゃがみ込んでにこにこと様子を見守るグロリオサは、服を身に纏っていない相手に大袈裟にびっくりしたような声を上げた。本当に驚いているわけではなく、これは一人遊びの一種なのだろう。
「ネモの体にイタズラしちゃおっかな……待ってるの暇だし。……ねえねえ、聞こえてないだろうけど、アサトに本当にヤラれちゃったの? 中に侵入を許したのかな? 気持ち良かった? 淫乱なの? ネモの体はグロリオサのものだって、覚えてるよね? お仕置きだよ」
ネモフィラの冷えた裸体に手を伸ばし、ちんまりとした乳首を軽く指で転がす。ぶるりと体が震えて反応した。
「わぁ、素直な体。大好きだよネモ。エロエロ乳首ー♡ こんな敏感な体なのに、グロリオサが来るまでマッパで転がって放置プレイ楽しんでるなんて……自分で気持ち良いとこ弄ってもいいんだよ?」
わざと焦らした触り方に、ネモフィラは身をよじって耐えている。結束バンドが邪魔をしているのには気づいていたが、何故かグロリオサはそれを外さないで相手の反応を楽しんでいた。
しばらく表情の読み取れないネモフィラの体に悪戯をしながら観察していたら、やがて切断面に変化が訪れた。
「おっ、やっと来たかなー? 乳首スイッチ♡ さすがグロリオサのネモ」
触手のような、根のような、或いは血管のようなものが鳥籠に伸び、ネモフィラの一部となってゆく。ぴきぴきと小さな音が響く。体や鳥籠の構造を作り変えている音だ。鳥は落ち着かない様子で鳴いていたが、ふと静かになった。
頭部を失うイコール命を失うということではなかったが、視界がゼロな為にいろいろと不便だった。
「ネモ、こんなところにいた」
日も落ちて暗く静まり返ったビル内に、他の気配が混じる。帰らない仲間を迎えに来たのだ。その手には何やら抱えている。
「どれが良い? ネモ……ネモフィラ?」
涼しい声を上げたDは返事がないことに眉をハの字に曲げてみたが、問い掛けた相手に耳や口……そもそも頭全体がないことに、改めて気づいたようだった。
「答えようがないな。仕方ない、グロリオサがネモの頭を決めてあげよう。あとで文句言わないでね」
グロリオサというのはこのDの個体名のようだった。
「目の代わりになるものがついてるといいよね。グロリオサ的には、花束でもくっつけてあげたいところだけど、花に目はないからなあ。それとも少ししたら目(芽)が出てくるかな? はは、花だけに」
誰も笑ってくれないくだらない独り言に、グロリオサは一人で笑った。
「頭そのものが手に入れば簡単だったんだけどねえ。適当なのが調達出来なかったから……動物とかもいいかなって思ったけど、ほら、ライオンとかトラとか? かっこいいじゃない。そういうの調教するのも楽しそうだなって探してたらこんな夜になっちゃった。でも結局見つからなかったんだ残念だけど。というわけで、ネモにはこれ! 気に入らなかったらあとで自分で直してね」
服でも試着するような気軽さで、グロリオサは転がっているネモフィラの首の切断面に、色鮮やかな鳥の入った鳥籠をくっつけた。ばさばさと鳥籠の中で鳥が羽ばたく。
「巧く融合するといいけどー。このチョイスはなかなか素晴らしいと思うんだ。この鳥話せるし、可愛いから。まあ失敗したら、違うの考えるよ。って……、ネモ。何も着てないね! あのアサトにヤラれちゃった?」
しゃがみ込んでにこにこと様子を見守るグロリオサは、服を身に纏っていない相手に大袈裟にびっくりしたような声を上げた。本当に驚いているわけではなく、これは一人遊びの一種なのだろう。
「ネモの体にイタズラしちゃおっかな……待ってるの暇だし。……ねえねえ、聞こえてないだろうけど、アサトに本当にヤラれちゃったの? 中に侵入を許したのかな? 気持ち良かった? 淫乱なの? ネモの体はグロリオサのものだって、覚えてるよね? お仕置きだよ」
ネモフィラの冷えた裸体に手を伸ばし、ちんまりとした乳首を軽く指で転がす。ぶるりと体が震えて反応した。
「わぁ、素直な体。大好きだよネモ。エロエロ乳首ー♡ こんな敏感な体なのに、グロリオサが来るまでマッパで転がって放置プレイ楽しんでるなんて……自分で気持ち良いとこ弄ってもいいんだよ?」
わざと焦らした触り方に、ネモフィラは身をよじって耐えている。結束バンドが邪魔をしているのには気づいていたが、何故かグロリオサはそれを外さないで相手の反応を楽しんでいた。
しばらく表情の読み取れないネモフィラの体に悪戯をしながら観察していたら、やがて切断面に変化が訪れた。
「おっ、やっと来たかなー? 乳首スイッチ♡ さすがグロリオサのネモ」
触手のような、根のような、或いは血管のようなものが鳥籠に伸び、ネモフィラの一部となってゆく。ぴきぴきと小さな音が響く。体や鳥籠の構造を作り変えている音だ。鳥は落ち着かない様子で鳴いていたが、ふと静かになった。
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