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第四章「カルネアデス編」
第94.5話 062メザイヤ編「作戦開始 ②」
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闇夜に紛れてオレたちは移動する。
目的はガルハン卿の手下たちの潜伏場所だ。
そこは一見すると普通の民家だった。
他の二か所も前もって下見したが、普通の雑貨屋や果物屋であった。
オレたちは民家の家を包囲している。
オレたちは総勢で二十名。
他の場所はアマンダ団長と、ダンベル副団長が指揮している。
「静かですね……」
ミネルバが隣で囁く。
確かに静かだ。いつもならば二、三人の不寝番がいるはずなのだが、その気配もない。
「ノゾミ……なんだか焦げ臭くないか?」
――まさか!
(報告。目標の建物に生命反応なし、内部より熱源を感知しました)
オレは建物の影から飛び出した。
「ノゾミ!」
飛び出すオレをミネルバが慌てたように制止するがそれどころじゃない。
「放火だ!奴ら証拠隠滅をするつもりだ!」
こんな時に水魔法がないのが悔やまれる。
民家は油がまかれていたのか瞬く間に火に包まれていった。
「まさか……こんなことが……」
敵が一枚上手だったと言わざるを得ない。オレたちの襲撃を知り先に手を打ってきたのだ。
「くぞっ!」
オレの身体であればこれくらいの炎であれば問題ない。中にあるであろう極秘資料を少しでも収集しておかなければ――
(警告。内部に高エネルギー反応!)
ドゴゴゴゴゴ――ン!
オレの目の前で民家が炎を拭き上げながら爆散した。
「爆薬か!」
爆発の炎が周囲に飛び散る。
(警告。爆発は三か所で起こっています。周辺への被害甚大)
――なんてことだ……
遠方――闇がオレンジ色に照らされている。
「消火作業を!」
ミネルバが叫ぶまでもなく周囲で騎士たちが動いた。
「人命救出を最優先だ。急げ!」
土魔法【障壁】
オレはなおも燃え続ける民家を土壁で覆った。周囲の助けもあり火はそれほど広がってはいない。
――おかしい。
敵は用意周到に準備していた。情報が漏れていたとしか思えない。
恐らくは地下下水道への通路も塞がれているだろう。
――騎士団の中にスパイがいる?
あまり考えたくはないが……その可能性が高いだろう。
しかし、この作戦は極秘裏に今日の昼にオレがアマンダ団長、ダンベル副団長、そしてミネルバの三人のみ。他の団員に対しても実行する寸前まで作戦の詳細は伝えていない。
短い期間とはいえ三人は信用に値する人物だとオレは踏んでいた。
――どうして計画がバレた?
ここまで強硬な手段で妨害があるとは思わなかった。完全にオレの落ち度だ。
(報告。個体名「ノルン」と「リベラ」の生体反応の乱れを検知)
(報告。騎士団詰所が襲撃されています)
マザーさんの報告にオレは一瞬にして青ざめた。
そうだ。今回は騎士団の総力戦に近い。少数精鋭とはいえ、かなりの数の騎士たちがこの作戦に参加している。
敵にとって今が千載一遇のチャンスではないだろうか。
(報告。騎士団詰所までの最短ルートを表示します)
――そんな時間はない!
オレは両腕に魔方陣を構築する。ナノマシンの身体だからこそできるオレだけのオリジナル魔方陣だ。
――右腕に風魔法。
――左腕に火魔法。
風魔法・火魔法合成魔法【爆裂】
爆風と共にオレの身体が吹き飛ばされる。この魔法世界に未だ飛行魔法は存在しない。
爆風を用いた魔法が今のオレにできる最大限の事だった。
試行錯誤中の【飛行するための魔法】はあることはあるのだが――今のオレにできる最速の移動手段がこれだった。
――頼む!間に合ってくれ!
オレは祈るような気持ちで騎士団詰所に向かっていった。
目的はガルハン卿の手下たちの潜伏場所だ。
そこは一見すると普通の民家だった。
他の二か所も前もって下見したが、普通の雑貨屋や果物屋であった。
オレたちは民家の家を包囲している。
オレたちは総勢で二十名。
他の場所はアマンダ団長と、ダンベル副団長が指揮している。
「静かですね……」
ミネルバが隣で囁く。
確かに静かだ。いつもならば二、三人の不寝番がいるはずなのだが、その気配もない。
「ノゾミ……なんだか焦げ臭くないか?」
――まさか!
(報告。目標の建物に生命反応なし、内部より熱源を感知しました)
オレは建物の影から飛び出した。
「ノゾミ!」
飛び出すオレをミネルバが慌てたように制止するがそれどころじゃない。
「放火だ!奴ら証拠隠滅をするつもりだ!」
こんな時に水魔法がないのが悔やまれる。
民家は油がまかれていたのか瞬く間に火に包まれていった。
「まさか……こんなことが……」
敵が一枚上手だったと言わざるを得ない。オレたちの襲撃を知り先に手を打ってきたのだ。
「くぞっ!」
オレの身体であればこれくらいの炎であれば問題ない。中にあるであろう極秘資料を少しでも収集しておかなければ――
(警告。内部に高エネルギー反応!)
ドゴゴゴゴゴ――ン!
オレの目の前で民家が炎を拭き上げながら爆散した。
「爆薬か!」
爆発の炎が周囲に飛び散る。
(警告。爆発は三か所で起こっています。周辺への被害甚大)
――なんてことだ……
遠方――闇がオレンジ色に照らされている。
「消火作業を!」
ミネルバが叫ぶまでもなく周囲で騎士たちが動いた。
「人命救出を最優先だ。急げ!」
土魔法【障壁】
オレはなおも燃え続ける民家を土壁で覆った。周囲の助けもあり火はそれほど広がってはいない。
――おかしい。
敵は用意周到に準備していた。情報が漏れていたとしか思えない。
恐らくは地下下水道への通路も塞がれているだろう。
――騎士団の中にスパイがいる?
あまり考えたくはないが……その可能性が高いだろう。
しかし、この作戦は極秘裏に今日の昼にオレがアマンダ団長、ダンベル副団長、そしてミネルバの三人のみ。他の団員に対しても実行する寸前まで作戦の詳細は伝えていない。
短い期間とはいえ三人は信用に値する人物だとオレは踏んでいた。
――どうして計画がバレた?
ここまで強硬な手段で妨害があるとは思わなかった。完全にオレの落ち度だ。
(報告。個体名「ノルン」と「リベラ」の生体反応の乱れを検知)
(報告。騎士団詰所が襲撃されています)
マザーさんの報告にオレは一瞬にして青ざめた。
そうだ。今回は騎士団の総力戦に近い。少数精鋭とはいえ、かなりの数の騎士たちがこの作戦に参加している。
敵にとって今が千載一遇のチャンスではないだろうか。
(報告。騎士団詰所までの最短ルートを表示します)
――そんな時間はない!
オレは両腕に魔方陣を構築する。ナノマシンの身体だからこそできるオレだけのオリジナル魔方陣だ。
――右腕に風魔法。
――左腕に火魔法。
風魔法・火魔法合成魔法【爆裂】
爆風と共にオレの身体が吹き飛ばされる。この魔法世界に未だ飛行魔法は存在しない。
爆風を用いた魔法が今のオレにできる最大限の事だった。
試行錯誤中の【飛行するための魔法】はあることはあるのだが――今のオレにできる最速の移動手段がこれだった。
――頼む!間に合ってくれ!
オレは祈るような気持ちで騎士団詰所に向かっていった。
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