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銀狐の章
第053話「対決!モリアーティ教授 ①」
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「フハハハ!よくぞ生き残ってきた我が精鋭たちよ!」
バッと白衣をなびかせてモリアーティ教授がのたまった。
どこぞの痛快なりゆき番組の風雲城ラスボスみたいなセリフを吐きながらそそくさとお茶と入れてくれる。
「ドブ色の茶色い液体と緑カビ色の緑茶……どっちがお好みだい?」
モリアーティ教授はさも当たり前のようにビーカーにインスタントのコーヒーをぶち込みながら訊いてくる。
「私はコーヒーで」
「オレはお茶、光もシェンもお茶でいいよな?」
恐らくは教授の質問の意味を理解し損ねたであろう二人の為にオレは通訳してあげる。二人はぎこちない表情で頷いた。
「ほい、緑カビ壱号から参号お待ちどうさま!」
ビーカーに注がれた緑茶がオレたちの前に置かれた。
ちなみにオレたちが座っているのは簡易のプラスチック収納BOXを縦置きにしたものだ。立てる時にガシャン、パリンと破砕音がしたが気にしないでおくことにした。気にしたら負けである。
「あーちゃんはヘドロマシマシだよ♡」
「だよ♡」じゃねえだろ、とんだ接客だよ。ここはディスリ喫茶か。
コーヒーを一口。
「香りはいいのに美味しい気がしない……」
あーちゃん先輩もまだまだだな。ママゴトだと思えばこんなもの平気だろう。
「モッチーは特別にチョコレートのお菓子だよ」
おお、オレには特別にお菓子があるらしい。
白い皿に盛られた黒々とした物体がオレの前に現れた。
この黒々とした色、わずかに光を反射する光沢、そして手に持った時の質量。どこから見ても立派な泥団子だった。かじればきっと素晴らしい土の味がするだろう。
――フッ、堪忍袋の緒ってのは――切れるためにあるんだZっ!
オレは泥団子片手に窓際に向かう。
「オレは第一宇宙速度を超えてみせる!」
「モッチーやめて!」
外に向かって剛速球を放とうとしているオレの腕に教授がしがみついた。
「その子だけは!その子だけは見逃して!私はどうなってもいいから!お腹を痛めて産んだ子なのよ!」
「ええい離せ!これを食ったらオレが腹を痛めるわ!」
オレの黄金の右腕がうなりを上げ、ピッカピカに磨き上げられた泥団子は放物線を描いて外の藪の中に消えていった。
「嗚呼、韋駄天参号!!」
泥団子にけったいな名前を付けるな。
「人見知りのお兄ちゃんが一般人とお話してる……せ、成長したのねお兄ちゃん」
光がよよよと泣きだした。そんなに言わなくてもいいだろう。
「光ちゃん、人類にとっては小さな一歩でも、モー君にとっては偉大な飛躍なのよ」
あーちゃん先輩とりあえずオレとアームストロング船長に謝れ。
「それで……今日はどういったご用件なんですか?」
「もう、モッチーは相変わらず他人に厳しいのね」
「そんなことありません。慣れ合いたくないだけです」
「ふーん。そうなんだ」
意味深な表情で光とシェン、あーちゃん先輩を見比べる。
「どれどれ~」
てってれ~!
教授は机の上に置かれた箱の中から眼鏡のようなものを取り出した。
「教授……そ、それは!?」
何だろう。一見すると眼鏡にしか見えないのだが……嫌な予感しかしない。
「まずは――みんなに私の実験台になってもらおうかしら」
モリアーティ教授は意味深な笑みを浮かべてオレたちに近づいてきたのだった。
バッと白衣をなびかせてモリアーティ教授がのたまった。
どこぞの痛快なりゆき番組の風雲城ラスボスみたいなセリフを吐きながらそそくさとお茶と入れてくれる。
「ドブ色の茶色い液体と緑カビ色の緑茶……どっちがお好みだい?」
モリアーティ教授はさも当たり前のようにビーカーにインスタントのコーヒーをぶち込みながら訊いてくる。
「私はコーヒーで」
「オレはお茶、光もシェンもお茶でいいよな?」
恐らくは教授の質問の意味を理解し損ねたであろう二人の為にオレは通訳してあげる。二人はぎこちない表情で頷いた。
「ほい、緑カビ壱号から参号お待ちどうさま!」
ビーカーに注がれた緑茶がオレたちの前に置かれた。
ちなみにオレたちが座っているのは簡易のプラスチック収納BOXを縦置きにしたものだ。立てる時にガシャン、パリンと破砕音がしたが気にしないでおくことにした。気にしたら負けである。
「あーちゃんはヘドロマシマシだよ♡」
「だよ♡」じゃねえだろ、とんだ接客だよ。ここはディスリ喫茶か。
コーヒーを一口。
「香りはいいのに美味しい気がしない……」
あーちゃん先輩もまだまだだな。ママゴトだと思えばこんなもの平気だろう。
「モッチーは特別にチョコレートのお菓子だよ」
おお、オレには特別にお菓子があるらしい。
白い皿に盛られた黒々とした物体がオレの前に現れた。
この黒々とした色、わずかに光を反射する光沢、そして手に持った時の質量。どこから見ても立派な泥団子だった。かじればきっと素晴らしい土の味がするだろう。
――フッ、堪忍袋の緒ってのは――切れるためにあるんだZっ!
オレは泥団子片手に窓際に向かう。
「オレは第一宇宙速度を超えてみせる!」
「モッチーやめて!」
外に向かって剛速球を放とうとしているオレの腕に教授がしがみついた。
「その子だけは!その子だけは見逃して!私はどうなってもいいから!お腹を痛めて産んだ子なのよ!」
「ええい離せ!これを食ったらオレが腹を痛めるわ!」
オレの黄金の右腕がうなりを上げ、ピッカピカに磨き上げられた泥団子は放物線を描いて外の藪の中に消えていった。
「嗚呼、韋駄天参号!!」
泥団子にけったいな名前を付けるな。
「人見知りのお兄ちゃんが一般人とお話してる……せ、成長したのねお兄ちゃん」
光がよよよと泣きだした。そんなに言わなくてもいいだろう。
「光ちゃん、人類にとっては小さな一歩でも、モー君にとっては偉大な飛躍なのよ」
あーちゃん先輩とりあえずオレとアームストロング船長に謝れ。
「それで……今日はどういったご用件なんですか?」
「もう、モッチーは相変わらず他人に厳しいのね」
「そんなことありません。慣れ合いたくないだけです」
「ふーん。そうなんだ」
意味深な表情で光とシェン、あーちゃん先輩を見比べる。
「どれどれ~」
てってれ~!
教授は机の上に置かれた箱の中から眼鏡のようなものを取り出した。
「教授……そ、それは!?」
何だろう。一見すると眼鏡にしか見えないのだが……嫌な予感しかしない。
「まずは――みんなに私の実験台になってもらおうかしら」
モリアーティ教授は意味深な笑みを浮かべてオレたちに近づいてきたのだった。
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