69 / 86
銀狐の章
第057話「神猫 ニャン ①」
しおりを挟む
「教授……これは……この子は何ですか……」
オレの目の前で黒髪の少女が興味深げにオレの顔をじーっと見つめている。
年の頃は妹と同じくらいか。
黒髪に蒼い瞳、お尻のあたりでピコピコ動いているのままぎれもない目個の尻尾。
パッと見はコスプレ少女――いや、そんなことはどうでもいい。
オレにはなんとなく分かる。こいつは――この少女は――シェンと同じ匂いがする。
「いやはや、出張先からどうやら付いてきたみたいでさ」
悪びれもせずにモリアーティ教授。
それは付いてきたじゃなくて憑いてきたの間違いじゃないか?
「お主様……こ奴、人間ではないぞ!危険じゃ!」
うん。君もそうだよね。
「しかもこ奴は……」
「懐かしい声が聞こえたと思ったらやっぱり野良狐だったのかニャ」
黒髪の少女はシェンを見てにやりと笑った。
「へぇー、二人って知り合いだったの」
感心したようにモリアーティ教授。まあ、二人が知り合いだったのは驚きだが……
「ちょっと待って、二人が知り合いってことはもしかして……」
シェンの知り合いって時点で怪しい。しかも、このいで立ち――これで普通のはずがなかった。
黒髪の少女とオレの目が合った。
「ふん。察しのいい人間は嫌いじゃないニャ。そう、儂こそは……」
「こいつの名はニャン。我様と同じ仙境で修業した仲じゃ」
「ニャンと!?先に言うのかニャ!」
黒髪の少女――ニャンがシェンを睨みつける。
「偶然……なのか?」
そんな偶然があるだろうか。たまたま出張に出た先で出会った少女が仙境出身で、しかもそれがシェンにつながるとか……そんな偶然が果たしてあるのだろうか。
「こ奴の得意な術の中に【予見眼】というのがある。おおかたそれを使ってこの女に近づいたと……そんなところじゃろう」
どうやら、ニャンにはある程度の未来を見る力が備わっているらしかった。
何それ、スゲエ。じゃんけんですら役に立たない未来を見る【先見眼】の更に上位の能力ということか。
――あれ?
ってことは、能力的にはもしかしてシェンよりも上なのか?
まあ、シェンが優秀なのかと聞かれれば「否」と自信を持って言える。
「今、しれっと失礼なことを考えておらんかったか?」
「ソンナコトナイヨ」
とりあえずとぼけておいた。シェンはこんな時だけ妙に感がいい。
「それだけじゃないニャ」
ニャンはさっとオレの隣に来るとオレの腕に抱きついてきた。
「「「なっ!?」」」
シェン、あーちゃん先輩、光ですら反応できないほどの巧みな身のこなし。さすが猫!
「儂は見たのニャ、この男との輝かしい未来を!」
いや待て、なんだって?
「オレとの輝かしい未来?」
頭が痛くなってきた。
「そうなのニャ」
ニャンはエッヘンと胸を張った。
「この男の子を授かれば、儂の未来は明るいのニャ」
――ああ、頭痛てぇ!
頭痛の種がまた一つ生まれた瞬間だった。
オレの目の前で黒髪の少女が興味深げにオレの顔をじーっと見つめている。
年の頃は妹と同じくらいか。
黒髪に蒼い瞳、お尻のあたりでピコピコ動いているのままぎれもない目個の尻尾。
パッと見はコスプレ少女――いや、そんなことはどうでもいい。
オレにはなんとなく分かる。こいつは――この少女は――シェンと同じ匂いがする。
「いやはや、出張先からどうやら付いてきたみたいでさ」
悪びれもせずにモリアーティ教授。
それは付いてきたじゃなくて憑いてきたの間違いじゃないか?
「お主様……こ奴、人間ではないぞ!危険じゃ!」
うん。君もそうだよね。
「しかもこ奴は……」
「懐かしい声が聞こえたと思ったらやっぱり野良狐だったのかニャ」
黒髪の少女はシェンを見てにやりと笑った。
「へぇー、二人って知り合いだったの」
感心したようにモリアーティ教授。まあ、二人が知り合いだったのは驚きだが……
「ちょっと待って、二人が知り合いってことはもしかして……」
シェンの知り合いって時点で怪しい。しかも、このいで立ち――これで普通のはずがなかった。
黒髪の少女とオレの目が合った。
「ふん。察しのいい人間は嫌いじゃないニャ。そう、儂こそは……」
「こいつの名はニャン。我様と同じ仙境で修業した仲じゃ」
「ニャンと!?先に言うのかニャ!」
黒髪の少女――ニャンがシェンを睨みつける。
「偶然……なのか?」
そんな偶然があるだろうか。たまたま出張に出た先で出会った少女が仙境出身で、しかもそれがシェンにつながるとか……そんな偶然が果たしてあるのだろうか。
「こ奴の得意な術の中に【予見眼】というのがある。おおかたそれを使ってこの女に近づいたと……そんなところじゃろう」
どうやら、ニャンにはある程度の未来を見る力が備わっているらしかった。
何それ、スゲエ。じゃんけんですら役に立たない未来を見る【先見眼】の更に上位の能力ということか。
――あれ?
ってことは、能力的にはもしかしてシェンよりも上なのか?
まあ、シェンが優秀なのかと聞かれれば「否」と自信を持って言える。
「今、しれっと失礼なことを考えておらんかったか?」
「ソンナコトナイヨ」
とりあえずとぼけておいた。シェンはこんな時だけ妙に感がいい。
「それだけじゃないニャ」
ニャンはさっとオレの隣に来るとオレの腕に抱きついてきた。
「「「なっ!?」」」
シェン、あーちゃん先輩、光ですら反応できないほどの巧みな身のこなし。さすが猫!
「儂は見たのニャ、この男との輝かしい未来を!」
いや待て、なんだって?
「オレとの輝かしい未来?」
頭が痛くなってきた。
「そうなのニャ」
ニャンはエッヘンと胸を張った。
「この男の子を授かれば、儂の未来は明るいのニャ」
――ああ、頭痛てぇ!
頭痛の種がまた一つ生まれた瞬間だった。
0
あなたにおすすめの小説
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、10人の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
北白川先生(♀ 独身)に召喚されました
よん
青春
小田原の県立高校に勤務する国語教諭――北白川。彼女はある目的を果たすために、自分が受け持つ五人の生徒を毎晩二時に召喚するようになった。一日一度のことわざ、そこに込められた思いとは……。
『イルカノスミカ』『フラれる前提で私にコクる鈴木くん』のスピンオフ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる