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目の前の美少年剣士は今日も焼きそばパンにがっつり食らいついています。
10月も終わりが近づき、すきっと晴れた高い青空を虚しく見上げる高校三年生靖友元親。
あー、こんないい天気の日はガッコなんて行かずにチャリ漕いでお出かけしたいデス。
できればティグさんと一緒に。
「早く食べないと昼休終わっちゃうよ、靖友くん」
はいはい。
今日はとーちゃんが作ってくれた弁当持参です。
俺がお寝坊しちゃってさ。
「残りもんしか入ってないぞー」と言って持たせてくれました。
ありがとう、とーちゃん。
俺はばかでっかいおむすびを頬張った。
「ねぇ、靖友くんとティグはちゃんとセックスしてるの?」
ぶほっっっ!!!
「えー、大丈夫?
ほら、お茶」
あ、ありがとうよ、藤堂くん。
が、全部おまえのせいだからっ!
「あ、阿呆っ。
そんなことをこんなところで急に言うんじゃありませんっ!」
とーさん、怒っちゃうよ!
「自然にしてれば目立たないよ。
それにそんなことじゃないでしょ」
「だ、だってよ」
「僕だって靖友くんに去年散々聞かれたんだからね。
楽しみにしてたんだ、靖友くんに聞くの」
いや、そうだけど。
でも教室じゃ聞かなかっただろ。
「で、どうなの?」
「ど、どうって」
やだやだ藤堂くん。
その黒いおっきなお目めで俺を見ないでくれる?
「………どっ」
「ん?」
おまえ、わざとかっ!
「ま、まだだけど」
「そうなの?!」
「なんだよ、それ」
「いや、2人なら早そうだなぁ、と勝手に思っていたから」
なにがどう早そうなんですかっ。
「意外だなぁ。
じゃあ、キスは?
してたよね?」
……そ、それは。
目の前で藤堂とレネさんがちゅっちゅちゅっちゅするのはよく見ていますけどね。
お、俺は、正門でティグさんにされましたがね。
夏休み明けにめでたくティグさんと恋人になったわけですが。
2人で予定合わせて何度かお出かけデートにも行ったよ。
あとはティグさんちでコーヒーや紅茶の淹れ方を教わったり、パンケーキ焼いたり、クレープ焼いたり。
そんな中で並んで洗い物をしているときにさ。
ふとティグさんと目が合った。
「ん、どうしたの靖友くん?」
「んー、なんとなくちゅーしたいなぁって」
この人、ごっついトラなんですよ。
身長は200超えでさ、腕も足も筋肉がつがつついてて。
それにライダージャケットとワークブーツ履いたらめちゃくちゃカッコいいの!
白Tとジーンズだけでもサマになるっていうか。
なのにスーツ着てもバリっとカッコよくてさ。
俺、遊びでとーちゃんのスーツの上着をひっかけたことがあるけど、なんていうか七五三?
服に着られている、っていうかなんというか。
カッコ悪いんですよ。
このときは洗いざらしの白シャツとジーンズで、完全にリラックスモード。
胸元には小さな太陽とターコイズが揺れている。
このときはフォーとナシゴレン、という炭水化物まつりのお昼ご飯を食べて、デザートにヴァニラアイスに熱々のお手製ストロベリーソースをかけでろりと溶けたところをすくって食べて、の後片づけの最中だった。
「キス?
したらいいんじゃない?」
「あのですね。
俺、つきあうの初めてで、どのタイミングでどうすればいいのかわかんないんですよ」
「それはその2人で話せばいいことじゃないかな」
「そうなの?」
「うん。
ちなみに俺は靖友くんがしたいときにしてほしいよ」
うーっうーっうーっ。
さらっとハスキーボイスでそんなこと言わないでくれます?
それもそんな嬉しいコト……
「あ、いや、はい。
嬉しいです。
俺もティグさんがしたいときにしていただいて構いません」
「どうして敬語?」
「いや、なんとなく」
「そう?」
なんだか照れてしまってむやみに手にしていたスポンジの泡をぼふぼふ立てていたら、「靖友くん」と呼ばれ、「はい」と返事をして隣を見たらちゅっとされていた。
あ。
「ん?」
やだやだやだ、この人カッコいいです!
なにそんなに自然にちゅーしてるんですか。
くっそっくっそっくっそっ!
ちゅーのあと、丸い耳がぴくぴく動いて、ちょっと赤くなって照れてるとか、もうかわいいにもほどがあります、ティグさん!
俺は洗い物をざっざかざっざかすませると、ティグさんを抱きしめてちゅーーーーーってしてやった。
ふんっ!
と鼻息強くちゅーしてたら、ベロ入れられて、口の中くちゅくちゅされて、最後には俺が腰砕けになってたけどなっ!
この経験値の差はどうやっても埋められねぇっ!
悔しいけど、気持ちよくて。
それからはお互いにしたいな、ってときには気軽にキスをしてたんだけど。
そんなことしてたら、むずむずしてきますよね!
俺、10代よ!
そういうことに関心は高いし、カラダは疼くし、ねぇ!
気持ちいいちゅーされて、かわいいところ見せられたら「がおーっ!」ってなっちゃいますよね!
実際に最近、下半身が反応してきて、及び腰になりながらちゅーしてる、っていうか。
だって、反応してるの、押しつけるわけにはいかないじゃん。
こういうことは大切、ですから。
きちんと2人で話し合いでもなんでもしてですね……
って、ハズかしくてできねーよっっっっ!!!
「えっちしてもいいですか?」って聞けるはずないじゃんっ!
俺はティグさんのカラダだけを求めているようなヤツだと思われたくないっ!!
と自分のベッドの上でローリングしながら真剣に悩んでいたけど、はたと気がついた。
で、俺、どっち?
入れるほう?
それとも、入れられるほう?
これまでの情報によりますと、藤堂センセェは下。
レネさんと話をしたらしい。
いろいろ考えたけどそれが一番しっくりくる感じがした、と藤堂センセェは語っていらっしゃいました。
まぁ、な。
凛々しい美少年剣士は最近、ちょっと大人っぽくなりまして「美青年剣士」になりつつありますが、藤堂センセェがレネさんにつっこんであんあん言わせる、とか考えにくいです。
いや、2人がしたいならそうしてもいいけどさ。
藤堂センセェは「まるで捕食者なんだよね、レネは。僕はどうやっても食べられるほうなんだ。それ以外、考えられなかったんだよ」と続けた。
まぁ、レネさんはライオンさんだし。
藤堂センセェに向けるでれでれの眼差しもよく知ってますけど、強烈な独占欲と獲物を狙う鋭い視線も見たことがありまして。
抗えない、というのはその通り。
で、俺のティグさんはというと、トラさんなんですよ。
お店の名前の「レークス」の通り、王様。
だからレネさんとティグさんが並ぶと、王様2人だからね。
街でもどこでも空気が変わる、っていうか。
お店だとそのあたり加減しているっぽいけど、プライベートだとオーラが違う、っていうか。
思わずひれ伏したくなっちゃうもん。
ってことはティグさんが捕食者であり、上?
俺は食べられちゃう被食者で、下?
え、マジで?
そうなの?
いやいやいやいや。
俺、入れる気満々なんですけどっ!
入れたいんですけどっ!
上がいいんですけどっ!
ティグさんにおねだりされたら、考えなくもありませんが、「正直に自分の気持ちを話してごらんなさい」ともし言われたとしたら、「ティグさんに入れたいです!お願いします!」って言っちゃうよなぁ。
って、こういうことを話せ、ってこと?
いやーん、それはちょっとまだ恥ずかしい。
だ、だって、俺、まだ童貞ですからっ!
想像するだけで、反応しちゃうというか。
いろいろ想像してオカズにしてしまいました。
すみません、ティグさん、ごめんなさい。
「靖友くん、今度の週末泊まりにおいでよ。
そのときにキスのこともセックスのこともきちんと話して」
ぶっほーーーーっっっ!
「大丈夫?
お茶、飲む?」
焼きそばパンを食べ終え、次のシナモンロールをかじりながら言った藤堂のことばに俺はむせた。
渡された自分のペットボトルに口をつける。
「急にやめろよ」
「だからフツーにしてたら他の人は気づかないって」
「なによ、藤堂くんったら。
アタシの言うこと、聞いてくれないの?」
お返しに女子高生のうるうるお目めで反撃だ。
「君の言うことをちゃんと聞いてあげるから、週末うちにおいでね、モトちゃん」
ぶっふーーーーっ!!!
前はそんな返し、できなかっただろっ、藤堂っ!!!
あー、もうっ!
俺はいらいらしたまま、弁当をかき込んで、お茶を飲んだ。
「ね、藤堂くん」
「ん」
不機嫌な声で返事をしてしまう。
「最近、いちごみるく、飲んでないね」
「ん、ああ」
それね。
「あー、なんていうか、ダメになっちゃんたんだよ。
甘すぎるし、人工的なストロベリーなにおいと味が受けつけなくなってきちゃって」
「そうなんだ」
「うん」
「じゃ、今度靖友くんになにかお礼をするときにはいちごみるく以外のものにするね」
「なんだよ、それ」
「うん。
ティグが旬の時期にいちごを冷凍しまくっていた甲斐があったなぁ、っと思って」
あ……
ティグさんは随分前から俺のこと気にしてくれていて、俺のために「本物のいちごを食べさせたい」といちごの季節にストックしてくれていた。
それをことあるごとに、ジャムにしたりいちごソースにしたりしてデザートとして食べさせてくれた。
9月の初め、凍ったいちごとミルク、はちみつをミキサーにかけてとろとろしゃりしゃりのスムージーを作ってくれた。
酸味が爽やかで香りが高くてすんごくおいしかった。
あれからだ、俺がいちごみるくダメになったの。
「ごちそうさまでした」
藤堂はデザートのみるくプリンを食べ終えるときっちりと手を合わせ、そしてそっと自分の席に戻った。
俺が真っ赤になっているのを察してくれているんだと思う。
よくできた友達だよ、藤堂ってば!
10月も終わりが近づき、すきっと晴れた高い青空を虚しく見上げる高校三年生靖友元親。
あー、こんないい天気の日はガッコなんて行かずにチャリ漕いでお出かけしたいデス。
できればティグさんと一緒に。
「早く食べないと昼休終わっちゃうよ、靖友くん」
はいはい。
今日はとーちゃんが作ってくれた弁当持参です。
俺がお寝坊しちゃってさ。
「残りもんしか入ってないぞー」と言って持たせてくれました。
ありがとう、とーちゃん。
俺はばかでっかいおむすびを頬張った。
「ねぇ、靖友くんとティグはちゃんとセックスしてるの?」
ぶほっっっ!!!
「えー、大丈夫?
ほら、お茶」
あ、ありがとうよ、藤堂くん。
が、全部おまえのせいだからっ!
「あ、阿呆っ。
そんなことをこんなところで急に言うんじゃありませんっ!」
とーさん、怒っちゃうよ!
「自然にしてれば目立たないよ。
それにそんなことじゃないでしょ」
「だ、だってよ」
「僕だって靖友くんに去年散々聞かれたんだからね。
楽しみにしてたんだ、靖友くんに聞くの」
いや、そうだけど。
でも教室じゃ聞かなかっただろ。
「で、どうなの?」
「ど、どうって」
やだやだ藤堂くん。
その黒いおっきなお目めで俺を見ないでくれる?
「………どっ」
「ん?」
おまえ、わざとかっ!
「ま、まだだけど」
「そうなの?!」
「なんだよ、それ」
「いや、2人なら早そうだなぁ、と勝手に思っていたから」
なにがどう早そうなんですかっ。
「意外だなぁ。
じゃあ、キスは?
してたよね?」
……そ、それは。
目の前で藤堂とレネさんがちゅっちゅちゅっちゅするのはよく見ていますけどね。
お、俺は、正門でティグさんにされましたがね。
夏休み明けにめでたくティグさんと恋人になったわけですが。
2人で予定合わせて何度かお出かけデートにも行ったよ。
あとはティグさんちでコーヒーや紅茶の淹れ方を教わったり、パンケーキ焼いたり、クレープ焼いたり。
そんな中で並んで洗い物をしているときにさ。
ふとティグさんと目が合った。
「ん、どうしたの靖友くん?」
「んー、なんとなくちゅーしたいなぁって」
この人、ごっついトラなんですよ。
身長は200超えでさ、腕も足も筋肉がつがつついてて。
それにライダージャケットとワークブーツ履いたらめちゃくちゃカッコいいの!
白Tとジーンズだけでもサマになるっていうか。
なのにスーツ着てもバリっとカッコよくてさ。
俺、遊びでとーちゃんのスーツの上着をひっかけたことがあるけど、なんていうか七五三?
服に着られている、っていうかなんというか。
カッコ悪いんですよ。
このときは洗いざらしの白シャツとジーンズで、完全にリラックスモード。
胸元には小さな太陽とターコイズが揺れている。
このときはフォーとナシゴレン、という炭水化物まつりのお昼ご飯を食べて、デザートにヴァニラアイスに熱々のお手製ストロベリーソースをかけでろりと溶けたところをすくって食べて、の後片づけの最中だった。
「キス?
したらいいんじゃない?」
「あのですね。
俺、つきあうの初めてで、どのタイミングでどうすればいいのかわかんないんですよ」
「それはその2人で話せばいいことじゃないかな」
「そうなの?」
「うん。
ちなみに俺は靖友くんがしたいときにしてほしいよ」
うーっうーっうーっ。
さらっとハスキーボイスでそんなこと言わないでくれます?
それもそんな嬉しいコト……
「あ、いや、はい。
嬉しいです。
俺もティグさんがしたいときにしていただいて構いません」
「どうして敬語?」
「いや、なんとなく」
「そう?」
なんだか照れてしまってむやみに手にしていたスポンジの泡をぼふぼふ立てていたら、「靖友くん」と呼ばれ、「はい」と返事をして隣を見たらちゅっとされていた。
あ。
「ん?」
やだやだやだ、この人カッコいいです!
なにそんなに自然にちゅーしてるんですか。
くっそっくっそっくっそっ!
ちゅーのあと、丸い耳がぴくぴく動いて、ちょっと赤くなって照れてるとか、もうかわいいにもほどがあります、ティグさん!
俺は洗い物をざっざかざっざかすませると、ティグさんを抱きしめてちゅーーーーーってしてやった。
ふんっ!
と鼻息強くちゅーしてたら、ベロ入れられて、口の中くちゅくちゅされて、最後には俺が腰砕けになってたけどなっ!
この経験値の差はどうやっても埋められねぇっ!
悔しいけど、気持ちよくて。
それからはお互いにしたいな、ってときには気軽にキスをしてたんだけど。
そんなことしてたら、むずむずしてきますよね!
俺、10代よ!
そういうことに関心は高いし、カラダは疼くし、ねぇ!
気持ちいいちゅーされて、かわいいところ見せられたら「がおーっ!」ってなっちゃいますよね!
実際に最近、下半身が反応してきて、及び腰になりながらちゅーしてる、っていうか。
だって、反応してるの、押しつけるわけにはいかないじゃん。
こういうことは大切、ですから。
きちんと2人で話し合いでもなんでもしてですね……
って、ハズかしくてできねーよっっっっ!!!
「えっちしてもいいですか?」って聞けるはずないじゃんっ!
俺はティグさんのカラダだけを求めているようなヤツだと思われたくないっ!!
と自分のベッドの上でローリングしながら真剣に悩んでいたけど、はたと気がついた。
で、俺、どっち?
入れるほう?
それとも、入れられるほう?
これまでの情報によりますと、藤堂センセェは下。
レネさんと話をしたらしい。
いろいろ考えたけどそれが一番しっくりくる感じがした、と藤堂センセェは語っていらっしゃいました。
まぁ、な。
凛々しい美少年剣士は最近、ちょっと大人っぽくなりまして「美青年剣士」になりつつありますが、藤堂センセェがレネさんにつっこんであんあん言わせる、とか考えにくいです。
いや、2人がしたいならそうしてもいいけどさ。
藤堂センセェは「まるで捕食者なんだよね、レネは。僕はどうやっても食べられるほうなんだ。それ以外、考えられなかったんだよ」と続けた。
まぁ、レネさんはライオンさんだし。
藤堂センセェに向けるでれでれの眼差しもよく知ってますけど、強烈な独占欲と獲物を狙う鋭い視線も見たことがありまして。
抗えない、というのはその通り。
で、俺のティグさんはというと、トラさんなんですよ。
お店の名前の「レークス」の通り、王様。
だからレネさんとティグさんが並ぶと、王様2人だからね。
街でもどこでも空気が変わる、っていうか。
お店だとそのあたり加減しているっぽいけど、プライベートだとオーラが違う、っていうか。
思わずひれ伏したくなっちゃうもん。
ってことはティグさんが捕食者であり、上?
俺は食べられちゃう被食者で、下?
え、マジで?
そうなの?
いやいやいやいや。
俺、入れる気満々なんですけどっ!
入れたいんですけどっ!
上がいいんですけどっ!
ティグさんにおねだりされたら、考えなくもありませんが、「正直に自分の気持ちを話してごらんなさい」ともし言われたとしたら、「ティグさんに入れたいです!お願いします!」って言っちゃうよなぁ。
って、こういうことを話せ、ってこと?
いやーん、それはちょっとまだ恥ずかしい。
だ、だって、俺、まだ童貞ですからっ!
想像するだけで、反応しちゃうというか。
いろいろ想像してオカズにしてしまいました。
すみません、ティグさん、ごめんなさい。
「靖友くん、今度の週末泊まりにおいでよ。
そのときにキスのこともセックスのこともきちんと話して」
ぶっほーーーーっっっ!
「大丈夫?
お茶、飲む?」
焼きそばパンを食べ終え、次のシナモンロールをかじりながら言った藤堂のことばに俺はむせた。
渡された自分のペットボトルに口をつける。
「急にやめろよ」
「だからフツーにしてたら他の人は気づかないって」
「なによ、藤堂くんったら。
アタシの言うこと、聞いてくれないの?」
お返しに女子高生のうるうるお目めで反撃だ。
「君の言うことをちゃんと聞いてあげるから、週末うちにおいでね、モトちゃん」
ぶっふーーーーっ!!!
前はそんな返し、できなかっただろっ、藤堂っ!!!
あー、もうっ!
俺はいらいらしたまま、弁当をかき込んで、お茶を飲んだ。
「ね、藤堂くん」
「ん」
不機嫌な声で返事をしてしまう。
「最近、いちごみるく、飲んでないね」
「ん、ああ」
それね。
「あー、なんていうか、ダメになっちゃんたんだよ。
甘すぎるし、人工的なストロベリーなにおいと味が受けつけなくなってきちゃって」
「そうなんだ」
「うん」
「じゃ、今度靖友くんになにかお礼をするときにはいちごみるく以外のものにするね」
「なんだよ、それ」
「うん。
ティグが旬の時期にいちごを冷凍しまくっていた甲斐があったなぁ、っと思って」
あ……
ティグさんは随分前から俺のこと気にしてくれていて、俺のために「本物のいちごを食べさせたい」といちごの季節にストックしてくれていた。
それをことあるごとに、ジャムにしたりいちごソースにしたりしてデザートとして食べさせてくれた。
9月の初め、凍ったいちごとミルク、はちみつをミキサーにかけてとろとろしゃりしゃりのスムージーを作ってくれた。
酸味が爽やかで香りが高くてすんごくおいしかった。
あれからだ、俺がいちごみるくダメになったの。
「ごちそうさまでした」
藤堂はデザートのみるくプリンを食べ終えるときっちりと手を合わせ、そしてそっと自分の席に戻った。
俺が真っ赤になっているのを察してくれているんだと思う。
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