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番外編 第49話 かわいいだけじゃなく。
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廃墟と呼ばれていたその場所に、ルーポの望みでメリニャでは珍しいレンガ造りの頑丈な小さな家が建てられた。
そばにはこぢんまりとした薬草園。
そこには小さい温室もあった。
ルーポの作業部屋の壁は窓以外全て作り付けの棚となっていた。
「やりすぎじゃないのか」とカヤが言ったが、ルーポは聞かなかった。
圧迫感の少ない落ち着いた草色の一面にこげ茶の棚を取り付けたので、カヤが心配するほどではなかった。
ルーポはうきうきとまずは自分の上皿天秤と小さな勲章、上皿天秤の金のブローチをそっと棚に置いた。
ルーポもカヤも持ち物はあまり多くないので、引っ越しは簡単に済むはずだった。
しかしイリヤがルーポにと残した書物や、ルーポが少しずつ溜めていた乾燥させた薬草など、とにかくルーポのものが思いのほか多くなっており、新居に越してきてルーポひとりが大忙しで作業をしていた。
カヤが「手伝おうか」と声をかけたが、「いいえ。カヤ様はさわらないでください。僕もなにがどこにあるのかわからなくなりそうです」と断った。
カヤは「力仕事ならできるから」とだけ言い、素直に引き下がった。
ここには使用人はいない。
全ては自分たちでしなければならない。
風呂も言えば沸くわけではない。
しかし、さすがにここに風呂の設備を置くのは難しかった。
2人はクラディウスの屋敷にある騎士や訓練生たちの共同風呂に入りにいこう、と決めた。
が、今日は難しいだろう。
カヤは湯で身体が拭けるように準備することにした。
夕方、アルベルトが熱々のスープを鍋ごと運んできた。
作業に夢中なルーポと食事の準備を一切していないカヤを見て、アルベルトは大きな溜息をつきながら首を数回横に振った。
「坊ちゃまたちには生活能力があるのでしょうか」
「ん、まぁ、な。
パンと干し肉は持ってきたし」
「ルーポにいつもそんなものを食べさせる気ですか。
また痩せてしまったらどうするのです」
2人は気楽に薬局や王宮などからの帰りに食べて帰ればいいと考えていたので、アルベルトの怒りにカヤは少しだけ反省した。
「なにか手立てを考える」とカヤは言うと、アルベルトは「次に会った時ルーポが痩せていたらお屋敷に一時的に戻っていただきます」と言いおいて、屋敷に戻っていった。
辺りは薄暗くなっていた。
もうそろそろだろうと、アルベルトはろうそくに明かりを点けルーポの部屋に行った。
声をかけられてルーポは初めてこんなに時間が経っているのに気づいた。
「もう明日にしろ」と言われると、素直に「はい」と言った。
そして食事の準備をしていないことに気がつき、真っ青になったがアルベルトのスープのことを聞くと安心した。
カヤが沸かしてくれた湯で身体を拭き、さっぱりしたところで食事にした。
アルベルトはスープだけでなく、保存の効く燻製肉や野菜の酢漬け、ちょっとした果物、どっさりのパンも持ってきていた。
ルーポはまた泣きながらそれらを食べた。
ベッドはカヤの部屋に一つ、大きなものをカヤの見立てで買った。
あまりの大きいので組み立てはこの部屋でした。
カヤの剣や鎧などの小部屋は別に作ってあり、カヤは特に自分の部屋はなくてもよかったので、この部屋は実質寝室のようなものだった。
初めての夜はとても静かだった。
よく考えてみれば、自分たちだけしかいない、という状況は初めてだった。
気づいたカヤがつぶやくと「そ、そうですね。改めてそう思うと照れますね」と早々に大きなベッドの中に潜り込んでしまった。
カヤは小さく笑いながらろうそくの火を消し、自分もベッドに入った。
布の間でルーポを探ると、ルーポが身を寄せてきたので、抱きしめた。
「ああ、やっと2人になった」とお互い思った。
カヤが優しくキスをした。
ルーポは嬉しさがこみ上げ、顔がにやけてしまうのに我慢できなかった。
ふわふわとした髪をなで、カヤがぎゅっとルーポを抱きしめ言った。
「今日は、このまま寝るか」
「……や」
ルーポはカヤの腕の中から出て両手でカヤの頬を包むとキスをした。
最初はかわいらしいキスだと思っていたが、ちろちろとカヤの唇を舌先でまさぐり、隙を見てカヤの口の中に舌を滑り込ませた。
そしてもどかしそうに腰をカヤにすりつける。
カヤも反応しているのがわかると嬉しそうに「ふふふ」と笑いながらキスをし、また腰を押し付けた。
そうまでされるとカヤも我慢することを止め、ルーポの滑らかな肌を味わうために寝衣の隙間から手を差し入れた。
時間をかけルーポを溶かしたカヤは正面からルーポの中に入っていった。
とろとろにさせる最中に「もうどれだけ声を出してもいいぞ」とからかうとルーポはぷいとしたが、クラディウスの屋敷にいる時より声が大きくなった。
これだけ声を我慢していたのか、と思うとぎゅんと大きくなり、ルーポがまた喘ぐ。
一回目はお互いにすぐにいった。
我慢なんてできなかった。
余韻がおさまり、カヤが抜こうとしたが「まだ、ここにいて」とカヤの手を取って自分の下腹部に置くので、カヤは器用にルーポとつながったまま上下を入れ替わった。
カヤの上にルーポがうつ伏せになった。
敏感になった体の表側すべてでカヤの肉体をルーポは感じていた。
隆起する胸や腹の筋肉に、自分の身体との違いに改めて驚く。
自分の薄い腹の下で、カヤが呼吸をするたびにいかつくしなやかな腹筋が膨らんだりへこんだりするのを肌だ直接感じると、カヤがまさに今生きてると実感でき、愛おしさが湧き上がってくる。
そして先ほど少し乱暴にいじられぷっくりと濃いピンクに変化してしまった乳首に、弾力のある胸筋がこすれ、そこから微かな熱が生まれた。
手を押し付けられた下腹部に自分のを埋め込んでいるのだと思うと、なんとも言い難い感情と興奮を覚えた。
カヤは自分の上に横たわっているルーポの引き締まったしなやかな肢体がごそごそと動くたびにくすぐったくて仕方なかった。
ときおり、中がきゅんとかわいらしく締まり刺激される。
それを何度か繰り返していたが、ルーポの息が熱を帯びてきたのに気づいた。
よく観察してみると胸がすれるたびにそうなっていた。
両手の親指で両方の乳首をぐりぐりしてやると「ああっ」とルーポが声を上げた。
「気持ちいい?」
「……わ、かんない、です」
すぐに顔を赤くしたルーポが潤んだ空色の瞳で言った。
不意にカヤがルーポを自分の上に座らせた。
すっかり硬くなったものがルーポを下から突き抜く。
「やっ、なんですか」
「おまえ、これ、やったことないだろ」
クラディウスの屋敷では掛布の中でもそもそとおとなしく抱き合っていたので、騎乗位はしたことはなかった。
「好きに動けるぞ。
自分でいいところに当ててこするんだ」
ルーポの細い腰を掴み、カヤが腰を動かしてやる。
「ああっ、んっ」
「ほら、やってみろ」
そばかすの浮いた顔を真っ赤にして、「恥ずかしいですぅ」と言いながらもカヤに強要され、おずおずと腰を動かし、「それじゃ足りないだろ」と声はかけるが動いてはやらず、もどかしさにがんばってみるものの満足いかずに泣きそうになる。
と、思っていた。
しかし。
ルーポはカヤの太腿に後ろ手に手をつき、身体を後ろに反り気味にし、巧みに腰を動かし始めた。
そして自分の感じるところを見つけると、「あっ、ここっ、ここっ、気持ちいいぃ」と激しく腰を上下させる。
驚いたのはカヤのほうだった。
自分の想像と全然違っていた。
少し視線を動かせば、結合部がしっかり見え、潤滑油とさっき自分が吐き出したものがぐちゅんぐちゅんと音を立て泡立っているのもわかった。
親指でいじった乳首はぷくぷくと赤く腫れ、突き出ている。
反応しているルーポは腰を動かすたびに大きくしなりながら振られ、先走りが散っている。
こんな痴態を晒しているのを本人は知っているのだろうか。
そしてこの緩急のついた動きと熱くとろけてカヤを包む内側。
ぎゅんぎゅんと締め付けて、奥へ奥へと誘う。
「ルーポっ」
刺激が強すぎてつい、名前を呼ぶ。
ルーポは一旦動きを止めた。
汗で長い前髪が額に貼りつき、濃いピンクに染まった顔に目の縁がきりりと赤くなっている。
肩を大きく動かしながら、荒い呼吸を整える。
それから、カヤを見下ろすように下流し目をし、ピンクの唇を舌で舐めて湿らせたあと艶然と微笑んだ。
呆気に取られるカヤ。
「おまえ、そんないやらしいこと、どこで覚えてきた?
ええ?」
きょとんとしてあどけない表情に戻ったルーポはあっという間にカヤの下に組み敷かれていた。
「覚えるって、そんなっ。
なっにも、していませんよ」
と叫んでみたが、あっと思い当たる節があった。
それはエトコリアでのこと。
魔法宮での修行が終わり、帰りに市場で鶏ときのこと野菜の煮込みスープを食べ、マーガスの小屋に帰ってきたときであった。
入り口のドアを開けると、マーガスが頭をこちらに向け、床に押し倒されていた。
服はずたずたに破られ、辺りはサンダルウッドの香りが漂う。
裸身のアキトが後ろ手に手をつき、マーガスの上に乗り腰を振っている。
もう何度吐き出したのか、2人の下半身はぐっしょりと濡れていた。
マーガスのものはアキトに埋め込まれていたので見えなかったが、アキトのはかわいらしい薄紅色でしっかりした硬さを持ち、腰を振るたびにしなり動く。
乱れた長い黒髪がアキトの白い肢体に絡みつき、白い肌が際立った。
のけぞり露わになった喉仏が動くのが別の生き物のように見える。
アキトが上げる声は甘くかわいらしい。
夢中になって腰を振っていたが、ようやくルーポに気がつくと動きを止めた。
見下ろすような下流し目でこちらを見、ちろりと赤い舌で唇を舐め、艶然と微笑み、そしてこれは自分の獲物だと威嚇する。
なのに「一緒にしますか」と妖艶に誘ってくる。
「しっ、失礼しましたっ!」
アキトの声にルーポはそれを凝視していたのに気づき、叫ぶと慌ててドアを閉めてその場から走り去った。
とは言え、行く当てもなく、動揺と興奮とでどうにもならなくなっており、このまま街へ戻ることもできず、「と、とりあえず落ち着かなくちゃ」と森の温泉に入った。
瞬き一つする間にこのことを思い出し、かっと身体を熱くする。
「なんだ?
やっぱり、おまえ、エトコリアでなにかやってきたんじゃないのか」
「な、なにもして、ませ、んっ」
「なら、なんでこんなに反応してぎゅうぎゅうと、俺を締め付けるんだ?
なにかえろいことでも思い出したんじゃないのか」
「ちが、いま……ぅ」
どうも歯切れが悪く、語尾が消えてしまう。
「おまえ、かわいいだけじゃなくてすんごくえろいのな」
「な!」
「何を思い出したのか知らないが、今は俺だけにしとけ」
「カヤ様しか知りませんよ!」
「っ!」
危うくいきそうになったのをカヤは必死に堪えた。
「………ルーポ」
なんとか衝動をやり過ごしたあと、カヤが低ぅぅい声で名前を呼んだ。
「ああっ、やだ、おっきく、あっ。
ふかっ、んんっ」
引っ越しで疲れているだろうとか、明日もまた作業が残っているとか。
いろいろ考えていたカヤはそれらを全て忘れることにした。
喘がせるだけ喘がせ、奥に進めるだけ拓いた。
こんなにも激しくカヤに求められたことがない、というくらいルーポは翻弄された。
全てが終わったあと、湯が沸いているはずもなかったので、カヤは動けなくなっているルーポの身体を水で濡らした布で拭いてやった。
冷たくて鳥肌が立った。
ぼんやりしていた頭がしゃんとした。
嵐の後の余韻に浸ることはできなかった。
が、2人ともさっぱりし、シーツも取り換えて再びおとなしくさらさらの布の中で抱き合うと「ああ、2人きりなんだなぁ」としみじみ感じた。
「カヤ様」
「ん、なんだ」
「好きです」
「ああ。
嬉しいものだな」
「カヤ様は?」
「もちろん好きだよ、ルーポ」
2人は軽くキスをした。
すぐにルーポはくうくうと小さな寝息を立て始めた。
カヤもまた愛おしそうにルーポの後ろ頭をなでると、自分もまた深い眠りに入った。
そばにはこぢんまりとした薬草園。
そこには小さい温室もあった。
ルーポの作業部屋の壁は窓以外全て作り付けの棚となっていた。
「やりすぎじゃないのか」とカヤが言ったが、ルーポは聞かなかった。
圧迫感の少ない落ち着いた草色の一面にこげ茶の棚を取り付けたので、カヤが心配するほどではなかった。
ルーポはうきうきとまずは自分の上皿天秤と小さな勲章、上皿天秤の金のブローチをそっと棚に置いた。
ルーポもカヤも持ち物はあまり多くないので、引っ越しは簡単に済むはずだった。
しかしイリヤがルーポにと残した書物や、ルーポが少しずつ溜めていた乾燥させた薬草など、とにかくルーポのものが思いのほか多くなっており、新居に越してきてルーポひとりが大忙しで作業をしていた。
カヤが「手伝おうか」と声をかけたが、「いいえ。カヤ様はさわらないでください。僕もなにがどこにあるのかわからなくなりそうです」と断った。
カヤは「力仕事ならできるから」とだけ言い、素直に引き下がった。
ここには使用人はいない。
全ては自分たちでしなければならない。
風呂も言えば沸くわけではない。
しかし、さすがにここに風呂の設備を置くのは難しかった。
2人はクラディウスの屋敷にある騎士や訓練生たちの共同風呂に入りにいこう、と決めた。
が、今日は難しいだろう。
カヤは湯で身体が拭けるように準備することにした。
夕方、アルベルトが熱々のスープを鍋ごと運んできた。
作業に夢中なルーポと食事の準備を一切していないカヤを見て、アルベルトは大きな溜息をつきながら首を数回横に振った。
「坊ちゃまたちには生活能力があるのでしょうか」
「ん、まぁ、な。
パンと干し肉は持ってきたし」
「ルーポにいつもそんなものを食べさせる気ですか。
また痩せてしまったらどうするのです」
2人は気楽に薬局や王宮などからの帰りに食べて帰ればいいと考えていたので、アルベルトの怒りにカヤは少しだけ反省した。
「なにか手立てを考える」とカヤは言うと、アルベルトは「次に会った時ルーポが痩せていたらお屋敷に一時的に戻っていただきます」と言いおいて、屋敷に戻っていった。
辺りは薄暗くなっていた。
もうそろそろだろうと、アルベルトはろうそくに明かりを点けルーポの部屋に行った。
声をかけられてルーポは初めてこんなに時間が経っているのに気づいた。
「もう明日にしろ」と言われると、素直に「はい」と言った。
そして食事の準備をしていないことに気がつき、真っ青になったがアルベルトのスープのことを聞くと安心した。
カヤが沸かしてくれた湯で身体を拭き、さっぱりしたところで食事にした。
アルベルトはスープだけでなく、保存の効く燻製肉や野菜の酢漬け、ちょっとした果物、どっさりのパンも持ってきていた。
ルーポはまた泣きながらそれらを食べた。
ベッドはカヤの部屋に一つ、大きなものをカヤの見立てで買った。
あまりの大きいので組み立てはこの部屋でした。
カヤの剣や鎧などの小部屋は別に作ってあり、カヤは特に自分の部屋はなくてもよかったので、この部屋は実質寝室のようなものだった。
初めての夜はとても静かだった。
よく考えてみれば、自分たちだけしかいない、という状況は初めてだった。
気づいたカヤがつぶやくと「そ、そうですね。改めてそう思うと照れますね」と早々に大きなベッドの中に潜り込んでしまった。
カヤは小さく笑いながらろうそくの火を消し、自分もベッドに入った。
布の間でルーポを探ると、ルーポが身を寄せてきたので、抱きしめた。
「ああ、やっと2人になった」とお互い思った。
カヤが優しくキスをした。
ルーポは嬉しさがこみ上げ、顔がにやけてしまうのに我慢できなかった。
ふわふわとした髪をなで、カヤがぎゅっとルーポを抱きしめ言った。
「今日は、このまま寝るか」
「……や」
ルーポはカヤの腕の中から出て両手でカヤの頬を包むとキスをした。
最初はかわいらしいキスだと思っていたが、ちろちろとカヤの唇を舌先でまさぐり、隙を見てカヤの口の中に舌を滑り込ませた。
そしてもどかしそうに腰をカヤにすりつける。
カヤも反応しているのがわかると嬉しそうに「ふふふ」と笑いながらキスをし、また腰を押し付けた。
そうまでされるとカヤも我慢することを止め、ルーポの滑らかな肌を味わうために寝衣の隙間から手を差し入れた。
時間をかけルーポを溶かしたカヤは正面からルーポの中に入っていった。
とろとろにさせる最中に「もうどれだけ声を出してもいいぞ」とからかうとルーポはぷいとしたが、クラディウスの屋敷にいる時より声が大きくなった。
これだけ声を我慢していたのか、と思うとぎゅんと大きくなり、ルーポがまた喘ぐ。
一回目はお互いにすぐにいった。
我慢なんてできなかった。
余韻がおさまり、カヤが抜こうとしたが「まだ、ここにいて」とカヤの手を取って自分の下腹部に置くので、カヤは器用にルーポとつながったまま上下を入れ替わった。
カヤの上にルーポがうつ伏せになった。
敏感になった体の表側すべてでカヤの肉体をルーポは感じていた。
隆起する胸や腹の筋肉に、自分の身体との違いに改めて驚く。
自分の薄い腹の下で、カヤが呼吸をするたびにいかつくしなやかな腹筋が膨らんだりへこんだりするのを肌だ直接感じると、カヤがまさに今生きてると実感でき、愛おしさが湧き上がってくる。
そして先ほど少し乱暴にいじられぷっくりと濃いピンクに変化してしまった乳首に、弾力のある胸筋がこすれ、そこから微かな熱が生まれた。
手を押し付けられた下腹部に自分のを埋め込んでいるのだと思うと、なんとも言い難い感情と興奮を覚えた。
カヤは自分の上に横たわっているルーポの引き締まったしなやかな肢体がごそごそと動くたびにくすぐったくて仕方なかった。
ときおり、中がきゅんとかわいらしく締まり刺激される。
それを何度か繰り返していたが、ルーポの息が熱を帯びてきたのに気づいた。
よく観察してみると胸がすれるたびにそうなっていた。
両手の親指で両方の乳首をぐりぐりしてやると「ああっ」とルーポが声を上げた。
「気持ちいい?」
「……わ、かんない、です」
すぐに顔を赤くしたルーポが潤んだ空色の瞳で言った。
不意にカヤがルーポを自分の上に座らせた。
すっかり硬くなったものがルーポを下から突き抜く。
「やっ、なんですか」
「おまえ、これ、やったことないだろ」
クラディウスの屋敷では掛布の中でもそもそとおとなしく抱き合っていたので、騎乗位はしたことはなかった。
「好きに動けるぞ。
自分でいいところに当ててこするんだ」
ルーポの細い腰を掴み、カヤが腰を動かしてやる。
「ああっ、んっ」
「ほら、やってみろ」
そばかすの浮いた顔を真っ赤にして、「恥ずかしいですぅ」と言いながらもカヤに強要され、おずおずと腰を動かし、「それじゃ足りないだろ」と声はかけるが動いてはやらず、もどかしさにがんばってみるものの満足いかずに泣きそうになる。
と、思っていた。
しかし。
ルーポはカヤの太腿に後ろ手に手をつき、身体を後ろに反り気味にし、巧みに腰を動かし始めた。
そして自分の感じるところを見つけると、「あっ、ここっ、ここっ、気持ちいいぃ」と激しく腰を上下させる。
驚いたのはカヤのほうだった。
自分の想像と全然違っていた。
少し視線を動かせば、結合部がしっかり見え、潤滑油とさっき自分が吐き出したものがぐちゅんぐちゅんと音を立て泡立っているのもわかった。
親指でいじった乳首はぷくぷくと赤く腫れ、突き出ている。
反応しているルーポは腰を動かすたびに大きくしなりながら振られ、先走りが散っている。
こんな痴態を晒しているのを本人は知っているのだろうか。
そしてこの緩急のついた動きと熱くとろけてカヤを包む内側。
ぎゅんぎゅんと締め付けて、奥へ奥へと誘う。
「ルーポっ」
刺激が強すぎてつい、名前を呼ぶ。
ルーポは一旦動きを止めた。
汗で長い前髪が額に貼りつき、濃いピンクに染まった顔に目の縁がきりりと赤くなっている。
肩を大きく動かしながら、荒い呼吸を整える。
それから、カヤを見下ろすように下流し目をし、ピンクの唇を舌で舐めて湿らせたあと艶然と微笑んだ。
呆気に取られるカヤ。
「おまえ、そんないやらしいこと、どこで覚えてきた?
ええ?」
きょとんとしてあどけない表情に戻ったルーポはあっという間にカヤの下に組み敷かれていた。
「覚えるって、そんなっ。
なっにも、していませんよ」
と叫んでみたが、あっと思い当たる節があった。
それはエトコリアでのこと。
魔法宮での修行が終わり、帰りに市場で鶏ときのこと野菜の煮込みスープを食べ、マーガスの小屋に帰ってきたときであった。
入り口のドアを開けると、マーガスが頭をこちらに向け、床に押し倒されていた。
服はずたずたに破られ、辺りはサンダルウッドの香りが漂う。
裸身のアキトが後ろ手に手をつき、マーガスの上に乗り腰を振っている。
もう何度吐き出したのか、2人の下半身はぐっしょりと濡れていた。
マーガスのものはアキトに埋め込まれていたので見えなかったが、アキトのはかわいらしい薄紅色でしっかりした硬さを持ち、腰を振るたびにしなり動く。
乱れた長い黒髪がアキトの白い肢体に絡みつき、白い肌が際立った。
のけぞり露わになった喉仏が動くのが別の生き物のように見える。
アキトが上げる声は甘くかわいらしい。
夢中になって腰を振っていたが、ようやくルーポに気がつくと動きを止めた。
見下ろすような下流し目でこちらを見、ちろりと赤い舌で唇を舐め、艶然と微笑み、そしてこれは自分の獲物だと威嚇する。
なのに「一緒にしますか」と妖艶に誘ってくる。
「しっ、失礼しましたっ!」
アキトの声にルーポはそれを凝視していたのに気づき、叫ぶと慌ててドアを閉めてその場から走り去った。
とは言え、行く当てもなく、動揺と興奮とでどうにもならなくなっており、このまま街へ戻ることもできず、「と、とりあえず落ち着かなくちゃ」と森の温泉に入った。
瞬き一つする間にこのことを思い出し、かっと身体を熱くする。
「なんだ?
やっぱり、おまえ、エトコリアでなにかやってきたんじゃないのか」
「な、なにもして、ませ、んっ」
「なら、なんでこんなに反応してぎゅうぎゅうと、俺を締め付けるんだ?
なにかえろいことでも思い出したんじゃないのか」
「ちが、いま……ぅ」
どうも歯切れが悪く、語尾が消えてしまう。
「おまえ、かわいいだけじゃなくてすんごくえろいのな」
「な!」
「何を思い出したのか知らないが、今は俺だけにしとけ」
「カヤ様しか知りませんよ!」
「っ!」
危うくいきそうになったのをカヤは必死に堪えた。
「………ルーポ」
なんとか衝動をやり過ごしたあと、カヤが低ぅぅい声で名前を呼んだ。
「ああっ、やだ、おっきく、あっ。
ふかっ、んんっ」
引っ越しで疲れているだろうとか、明日もまた作業が残っているとか。
いろいろ考えていたカヤはそれらを全て忘れることにした。
喘がせるだけ喘がせ、奥に進めるだけ拓いた。
こんなにも激しくカヤに求められたことがない、というくらいルーポは翻弄された。
全てが終わったあと、湯が沸いているはずもなかったので、カヤは動けなくなっているルーポの身体を水で濡らした布で拭いてやった。
冷たくて鳥肌が立った。
ぼんやりしていた頭がしゃんとした。
嵐の後の余韻に浸ることはできなかった。
が、2人ともさっぱりし、シーツも取り換えて再びおとなしくさらさらの布の中で抱き合うと「ああ、2人きりなんだなぁ」としみじみ感じた。
「カヤ様」
「ん、なんだ」
「好きです」
「ああ。
嬉しいものだな」
「カヤ様は?」
「もちろん好きだよ、ルーポ」
2人は軽くキスをした。
すぐにルーポはくうくうと小さな寝息を立て始めた。
カヤもまた愛おしそうにルーポの後ろ頭をなでると、自分もまた深い眠りに入った。
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