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4章 チアリーダー
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合唱コンクールが終わると次は高体連である。慈美子のクラスも高体連の準備を始めた。その準備として、チアリーダーを応募していた。チアマンとチアガールを集うのである。
「私もチアリーダーになりたい…」
慈美子はそう決心した。慈美子は元々チアリーダーに憧れていたのである。だが、チアリーダーになりたいのはそれだけが理由ではない。チアリーダーになって、関都を応援したいと思ったのだ。慈美子はさっそくチアリーダーに応募しにいた。
そこで、城之内に出会った。
「あら?地味子さん!あなたも立候補されたの?」
「ええ。悪い?」
「いいえ!ただ、チアリーダーになれるのは選抜された精鋭だけですのよ?あなたになれるかしら?ほほほほほ!」
城之内は声高らかに笑いながら、髪を大きく靡かせ去って行った。辺りには、城之内の髪の良い香りが残った。
そうなのだ。この学校のチアリーダーの女子枠は特に厳しい。ポリコレが理由でチアリーダー枠は男子が大半を占めるのだ。そのため、女子の競争率は非常に高いのである。しかし、慈美子もそれは承知の上だ。
「私だってやればできるんだから!」
慈美子は1人チアリーディングの練習に日々励んだ。
そして、いよいよチアリーダーを決める日当日である。予選をクリアし、本選で合格した者だけがチアリーダーになれるのだ。
城之内は予選で最高の演技を見せつけた。誰もが本選進出を確信した。次は慈美子の番である。
「いきます!」
慈美子は城之内以上の完璧な演技を見事成功させてのけた。城之内もその演技の完璧さに動揺している。まるで闘牛の牛のように大興奮していた。
城之内は内通者から予選の個々の得点を聞き出した。1位通過は慈美子であった。そして、城之内が2位であった。これは城之内にはたまらなく許せなかった。
本選前の休憩時間に、城之内は、慈美子を誰も居ない大道具部屋に呼び出した。
「なにか用かしら?城之内さん」
「待ってたわよ」
しかし、そこに城之内の姿は無かった。代わりに、そこに居たのは五魔寿里と古紙銀茶区と尾立の取り巻き三バカトリオだった。
三バカトリオは突然奇声を上げて慈美子に襲い掛かってきた。
「イイイイイイイヤッ!!!」
3人は慈美子の身体にタイヤをはめて身動きをとれなくし、靴を脱がせた!
「な、なにをするのよ!」と叫び声を上げ、慈美子は必死に逃げようとするが、3人はそれを許さない!3人は代わる代わる慈美子の足を踏んだ。まるでタップダンスのように慈美子の足を力強く踏みつけるのだ。
「いたっいったい!」
「トドメですわ!」
そこに城之内が颯爽と現れた。城之内は、タイヤにはまった慈美子を廊下まで転がした。そして、階段から落とした。城之内がやった事の凄まじさに、三バカトリオはドン引きした。
「城之内さん!いくらなんでもやり過ぎじゃない?」
「これくらいはしないと、あの女からチアリーディングは奪えませんわ!」
城之内の目論見通り、慈美子は両足を挫いてしまった。これではチアリーディングはとてもできない。全治1週間ほどではあったが、本選は棄権するしかなかった。
城之内は自慢の長い髪の毛を歌舞伎の髪洗いのように振り回しながら高笑いした。
「…ほほほ!いい気味だわ!これでチアリーダーで関都さんを盛大に応援するのはわたくしですわ!」
城之内は無事本選で勝ち上がり、晴れてチアリーダーになった。
1週間後、慈美子は人気のない空き地で1人でチアリーディングの練習をしていた。というより、練習する意味がなく、もはやそれは単なるチアリーダーごっこに過ぎなかった。慈美子も分かっていた。しかし、どうしても諦めきれなった。慈美子はボンボンを持ってチアリーディングの練習を日々ひそかに行った。
空き地でチアリーディングの練習を毎日していると、そんな姿をなんと城之内に目撃されてしまう!一番見られてはいけない人物だ。
「あ~ら!地味子さん!チアリーダーごっこぉ?」
「ええ!そうよ!悪い?」
「あらあら?開き直るんですのねぇ!チアリーダーの衣装も支給されてないのに、お手製のボンボンだけ持ってチアリーディングなんて小学生のお遊戯ですわ!」
そういうと、城之内は学校から支給されたチアリーディングのユニフォームを見せびらかした。高い競争率から勝ち残ったものだけが着られる由緒正しきコスチュームである。
慈美子は何も言い返せなかった。ただただ、1人チアリーディングの練習を続けるのであった。
そして、月日は流れ、関都の試合の応援をする日になった。関都が所属しているのはバドミントン部である。城之内は女子のチアリーダーのメインになって、関都を応援した。慈美子も一般席で、一般学生として関都を応援した。
「関都くんがんばって~!」
しかし、他の学生の応援声に混ざり、関都には慈美子の声だとは分からなかった。
関都は順調に勝ち上がり、ついに決勝戦である。しかし関都は苦戦を強いられていた。関都は明らかにプレッシャーを感じて緊張していた。そんな関都を見て、慈美子は居ても立っても居られなくなった。
慈美子はバッグからボンボンを取り出した。チアリーディングごっこをするためにいつもバッグに入れっぱなしにしていたのである。お手製のボンボンを手に慈美子は応援席の前に出て学生服のまま1人でチアリーディングを始めた。
「関都くぅ~ん!!!!!!がんばって~!!!!!」
慈美子は制服姿であるが、完璧な演技をこなした。
慈美子のその姿を見た関都は思わず失笑してしまう。慈美子はすぐにつまみ出された。しかし、関都の緊張はすっかり解れた。
「ありがとう、慈美子!」
関都はそこから巻き返し、ついに優勝をものにした。一方で、慈美子はこっぴどく怒られていた。勝手な真似をしたのだから当然である。
激しく叱られてシュンとしている慈美子に関都が発破をかけた。
「お前のお陰で助かったよ。お前のお陰でナーバスな気持ちが晴れた。お前のお陰で勝てたようなものだ」
「そんなことないわよ…」
「それに、お前のチアリーディングは素晴らしかったぞ!学生服でやっているとは思えないくらい素晴らしい演技だった」
「えへへ、だってかなり練習したんだもの!」
「お前の努力が伝わってきたのも、いい励みになった」
関都は慈美子に感謝の意を伝えていた。そんな2人を陰で見ていたのは、城之内である。どこぞの家政婦のように城之内は見たのだった。
「ムー!!!正式なチア―リーダーはわたくしですのに!学生服でのチアリーディングなんて反則して、関都さんを誑かすなんて許せませんわぁ~!!!」
ムクムクムク!
城之内の醜い嫉妬心は雲のようにムクムクと大きく膨らむのであった。
慈美子は無事帰宅し、日課の日記を関都への想いも込めて書いた。
「今日はとっても楽しかったね!明日はも~っと楽しくなるよね!」
「私もチアリーダーになりたい…」
慈美子はそう決心した。慈美子は元々チアリーダーに憧れていたのである。だが、チアリーダーになりたいのはそれだけが理由ではない。チアリーダーになって、関都を応援したいと思ったのだ。慈美子はさっそくチアリーダーに応募しにいた。
そこで、城之内に出会った。
「あら?地味子さん!あなたも立候補されたの?」
「ええ。悪い?」
「いいえ!ただ、チアリーダーになれるのは選抜された精鋭だけですのよ?あなたになれるかしら?ほほほほほ!」
城之内は声高らかに笑いながら、髪を大きく靡かせ去って行った。辺りには、城之内の髪の良い香りが残った。
そうなのだ。この学校のチアリーダーの女子枠は特に厳しい。ポリコレが理由でチアリーダー枠は男子が大半を占めるのだ。そのため、女子の競争率は非常に高いのである。しかし、慈美子もそれは承知の上だ。
「私だってやればできるんだから!」
慈美子は1人チアリーディングの練習に日々励んだ。
そして、いよいよチアリーダーを決める日当日である。予選をクリアし、本選で合格した者だけがチアリーダーになれるのだ。
城之内は予選で最高の演技を見せつけた。誰もが本選進出を確信した。次は慈美子の番である。
「いきます!」
慈美子は城之内以上の完璧な演技を見事成功させてのけた。城之内もその演技の完璧さに動揺している。まるで闘牛の牛のように大興奮していた。
城之内は内通者から予選の個々の得点を聞き出した。1位通過は慈美子であった。そして、城之内が2位であった。これは城之内にはたまらなく許せなかった。
本選前の休憩時間に、城之内は、慈美子を誰も居ない大道具部屋に呼び出した。
「なにか用かしら?城之内さん」
「待ってたわよ」
しかし、そこに城之内の姿は無かった。代わりに、そこに居たのは五魔寿里と古紙銀茶区と尾立の取り巻き三バカトリオだった。
三バカトリオは突然奇声を上げて慈美子に襲い掛かってきた。
「イイイイイイイヤッ!!!」
3人は慈美子の身体にタイヤをはめて身動きをとれなくし、靴を脱がせた!
「な、なにをするのよ!」と叫び声を上げ、慈美子は必死に逃げようとするが、3人はそれを許さない!3人は代わる代わる慈美子の足を踏んだ。まるでタップダンスのように慈美子の足を力強く踏みつけるのだ。
「いたっいったい!」
「トドメですわ!」
そこに城之内が颯爽と現れた。城之内は、タイヤにはまった慈美子を廊下まで転がした。そして、階段から落とした。城之内がやった事の凄まじさに、三バカトリオはドン引きした。
「城之内さん!いくらなんでもやり過ぎじゃない?」
「これくらいはしないと、あの女からチアリーディングは奪えませんわ!」
城之内の目論見通り、慈美子は両足を挫いてしまった。これではチアリーディングはとてもできない。全治1週間ほどではあったが、本選は棄権するしかなかった。
城之内は自慢の長い髪の毛を歌舞伎の髪洗いのように振り回しながら高笑いした。
「…ほほほ!いい気味だわ!これでチアリーダーで関都さんを盛大に応援するのはわたくしですわ!」
城之内は無事本選で勝ち上がり、晴れてチアリーダーになった。
1週間後、慈美子は人気のない空き地で1人でチアリーディングの練習をしていた。というより、練習する意味がなく、もはやそれは単なるチアリーダーごっこに過ぎなかった。慈美子も分かっていた。しかし、どうしても諦めきれなった。慈美子はボンボンを持ってチアリーディングの練習を日々ひそかに行った。
空き地でチアリーディングの練習を毎日していると、そんな姿をなんと城之内に目撃されてしまう!一番見られてはいけない人物だ。
「あ~ら!地味子さん!チアリーダーごっこぉ?」
「ええ!そうよ!悪い?」
「あらあら?開き直るんですのねぇ!チアリーダーの衣装も支給されてないのに、お手製のボンボンだけ持ってチアリーディングなんて小学生のお遊戯ですわ!」
そういうと、城之内は学校から支給されたチアリーディングのユニフォームを見せびらかした。高い競争率から勝ち残ったものだけが着られる由緒正しきコスチュームである。
慈美子は何も言い返せなかった。ただただ、1人チアリーディングの練習を続けるのであった。
そして、月日は流れ、関都の試合の応援をする日になった。関都が所属しているのはバドミントン部である。城之内は女子のチアリーダーのメインになって、関都を応援した。慈美子も一般席で、一般学生として関都を応援した。
「関都くんがんばって~!」
しかし、他の学生の応援声に混ざり、関都には慈美子の声だとは分からなかった。
関都は順調に勝ち上がり、ついに決勝戦である。しかし関都は苦戦を強いられていた。関都は明らかにプレッシャーを感じて緊張していた。そんな関都を見て、慈美子は居ても立っても居られなくなった。
慈美子はバッグからボンボンを取り出した。チアリーディングごっこをするためにいつもバッグに入れっぱなしにしていたのである。お手製のボンボンを手に慈美子は応援席の前に出て学生服のまま1人でチアリーディングを始めた。
「関都くぅ~ん!!!!!!がんばって~!!!!!」
慈美子は制服姿であるが、完璧な演技をこなした。
慈美子のその姿を見た関都は思わず失笑してしまう。慈美子はすぐにつまみ出された。しかし、関都の緊張はすっかり解れた。
「ありがとう、慈美子!」
関都はそこから巻き返し、ついに優勝をものにした。一方で、慈美子はこっぴどく怒られていた。勝手な真似をしたのだから当然である。
激しく叱られてシュンとしている慈美子に関都が発破をかけた。
「お前のお陰で助かったよ。お前のお陰でナーバスな気持ちが晴れた。お前のお陰で勝てたようなものだ」
「そんなことないわよ…」
「それに、お前のチアリーディングは素晴らしかったぞ!学生服でやっているとは思えないくらい素晴らしい演技だった」
「えへへ、だってかなり練習したんだもの!」
「お前の努力が伝わってきたのも、いい励みになった」
関都は慈美子に感謝の意を伝えていた。そんな2人を陰で見ていたのは、城之内である。どこぞの家政婦のように城之内は見たのだった。
「ムー!!!正式なチア―リーダーはわたくしですのに!学生服でのチアリーディングなんて反則して、関都さんを誑かすなんて許せませんわぁ~!!!」
ムクムクムク!
城之内の醜い嫉妬心は雲のようにムクムクと大きく膨らむのであった。
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