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9章 文化祭 前編
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慈美子たちの学校はもうすぐ文化祭である。慈美子たちは文化祭の出し物を決めていた。
「では、皆さま、文化祭の出し物は何がよろしいでしょう?」
学級委員長の城之内がクラスを取りまとめている。クラスメートは次々にアイディアを出した。
「猫カフェ!」
「教室に猫を連れてくるなんて現実的ではありませんの!却下ですわ!」
「ストリップショー!」
「問答無用で却下ですわ!」
「ジャンケン大会!」
「それではまるで児戯みたいですわ!却下ですの!」
「ケイドロ!」
「教室の広さでは危険ですわ!よくそんなアイディア出せましたわね!」
城之内は次々と出されるアイディアを尽く却下していく。その様はまるで独裁者のようである。
「麻雀!」
「ルールが難しくて大衆受けしませんわ!麻雀のルールなんて知らない人は大勢いますわ!よって却下ですの!」
「ならオセロ!」
「2人でしか対戦できないゲームは出店に不向きですの!よって却下ですわ!」
「ポーカー!」
「UNO!」
「ババ抜き!」
「どれもこれも単調すぎて面白味に欠けますわ!却下ですの!」
次々アイディアは出るものの、一向に良いアイディアはまとまらない。どんなアイディアが出ても城之内が却下してしまうのだ。そこに、関都が手を挙げた。
「カジノなんかどうですか?いろんなゲームができて盛り上がりそうでしょう?」
「流石関都さんですわぁ。他の人と違ってセンスの良いアイディアを出されますわぁ!!ですけれど、カジノ経営者の娘として申し上げますけれど、お金を賭けないカジノは盛り上がりませんの!それにカジノはやっぱりゴージャスでなくてはいけませんわ!文化祭で用意するような陳腐なセットではカジノと称するに相応しくありませんわ!」
城之内はやんわり却下した。関都のアイディアだけに一筋縄では却下しにくかったため、1度は褒めたたえたものの、結局はやはり却下なのだ。
そんな城之内に今度は慈美子が檄を飛ばした。
「却下却下って、じゃあ、城之内さんはどういうアイディアなら良いの?」
慈美子が城之内の独裁体制にメスを入れた!いつも嫌がらせを受けているお返しと言わんばかりに、城之内に物申した。
「他の人のアイディアを尽く排除するくらいなんですから、さぞいいアイディアをお持ちなんでしょうね?」
しかし、城之内は怯まない!待っていましたと言わんばかりの表情だ。これも城之内の思惑通りの展開なのだ。
城之内はクラスの皆に投げキスを飛ばしながら、アイディアを高言した。
「わたくしのアイディアは『メイド喫茶』ですわ!」
ここまで城之内の計算通りの流れである。他の人のアイディアを尽く拒絶したのは、自分のアイディアを聞き出させるためである。
しかし、クラスメートからは不満の声が漏れる。
「メイド喫茶~?ありきたりねぇ」
「他のクラスと被るんじゃないかしら?」
「僕はオタクじゃないからメイド服って別段と可愛いと思わないんだよなぁ」
「俺も。俺はオタクだがメイド服はエロくないし、あんまり萌えないなぁ」
城之内のアイディアにクラスメートは不満タラタラである。しかしここまでも城之内の計算通りである。
城之内はフリップボードを用意していた。
「普通のメイド喫茶とは一味違ったメイド喫茶を目指しますわ!衣装はこれですわ!」
城之内がフリップを捲ると、そこに城之内のアイディアが詰まったメイド服が描かれていた。
城之内が提示したそのメイド服はへそ出しの超ミニスカで胸元は大きく見開いているものだった。
「こんなセクシーなメイド服見たことがない!」
「こういうメイド服だったらエロくて可愛いな!」
「パンツ丸見えスレスレの超ミニスカ!良い!」
男子からは好評である。城之内は好感触に鼻が高くなり、自慢の髪の毛をさら付かせた。一方で女子からもそれなりに好評であった。
「可愛いわ!着てみたいわ!」
「こんな衣装なら他のクラスのメイド喫茶に何か負けないわね!」
「ちょっと恥ずかしい気もするけれど…」
クラスは賛成に流れつつあった。しかし、2人だけ賛成していない者がいた。関都と慈美子である。
関都は城之内に単純な疑問を投げかけた。
「メイド喫茶って男子は何をするんだ?女装か?」
「ほほほほほ、男子や不器量な女子は会計や裏方に回っていただきますわ!関都さんにはぜひ会計の受付を推薦致しますわ!」
城之内はほぼ決まりな空気でハイテンションである。関都には男子の中でも良いポジションを与えた。これで全て城之内の思惑通りに進むかに思えた。
とこがどっこい!そうは問屋が下ろさなかった。
「コスプレ喫茶の方が良いんじゃないかしら?」
慈美子がさらに割って入ってきた。城之内は予想外の発言にたじろいだ。しかし、慈美子はさらにその案のメリットを述べた。
「コスプレ喫茶なら、メイドのコスプレもできるし、男子もコスプレできるわ!」
「良いアイディアだなそれ!」
慈美子の意見に関都も賛同した。それをきっかけに、封を切ったように他のクラスメートからも賛同意見が沸いて出た。
「いいわね!私はスチュアーデス(CA)のコスプレをしてみたいわ!」
「あたしはバスガイドさん!!!」
「僕はドラキュラのコスプレがしたいな!」
「俺はフランケン!」
「私はね!人魚姫!」
「あたしはナースさんのコスプレがしたいわ!」
城之内は想定外の出来事にうまく取りまとめられない。城之内は明らかに動揺しておろおろとしていた。そんな城之内に、さらに、関都が追い打ちをかけた。
「じゃあ、ハロウィーンをモチーフにした『冥土喫茶』なんてどうだ?」
「いいわね!お化けやモンスターを中心にコスプレして、それに加えてCAさんやナースさんとかメイドさんのコスプレも入れるの!」
慈美子が一連のアイディアをまとめた。クラスも異存の無いムードだった。こうなったら、もう城之内でも覆せない。
「分かりましたわ…ハロウィーン風の冥土喫茶って言う事で決定しましたわ」
しかし、城之内は面白くない。関都と慈美子の共同案が採用されてしまった事に、憤りを感じた。2人の共同作業を後押ししているようで居心地が悪いのだ。
だが、城之内は気を取り直し、司会を続けた。
「では、次の議題に移りますの。文化祭の演劇は何になさいますか?」
文化祭では各クラスの出し物の他に、演劇もあるのだ。
シーン…
さっきとは打って変わって静まり返ってしまった。
ここぞとばかりに、城之内がアイディアを出す事を買って出た。
「わたくしは『美女と大鬼』が良いと思いますわ!」
「『美女と大鬼』?聞いた事が無いなぁ」
どこからともなく疑問の声が沸いて出た。しかし、これも城之内の計画通りである。城之内は髪を掻き揚げ、体をクネクネとさせながら自分の案をひけらかした。
「『美女と大鬼』はわたくしが考えたストーリーですの!聞いた事がなくても当然ですわ!『美女と大鬼』は、ヒロイン・ベルに頼まれたチューリップを摘んでしまった罪で野獣のような形相の大鬼に捕まってまった父親の身代わりとしてベル自らが囚われの身になり、そのベルをガストという美青年が見事に救い出す話ですわ!」
「成程なぁ。なかなか面白そうな話じゃないか」
どこからともなく賛同の声が漏れた。クラスはその満場一致でその案に賛成であった。それを感じ取った城之内はさらに話を進める。
「ガスト役には関都さんを推薦いたしますわ!」
「僕?」
突然の指名に関都は裁判でウソがばれた証人のように動揺する。しかし、すぐに落ち着きを取り戻し男らしく居直った。
「他に誰も居ないなら僕がやる!」
クラスメートは誰も異存はなかった。誰がどう考えても、関都が1番の役不足である。これも満場一致であった。
城之内はさらに司会を進行する。
「次はヒロイン・ベル役ですけれど…」
「はい!私がやります!」
城之内が言いかけた所で、なんと、慈美子が名乗りを挙げた。城之内は驚くが、これはまだ想定の範囲内である。すかさず城之内は反撃に打って出た。
「ヒロイン役はわたくしも立候補致しますの!」
他には候補者は誰も居なかった。ここまで全て城之内の思いのままに事が運んでいる。城之内はいつもの奥の手を使った。
「じゃあ、多数決でベル役を決めましょう」
多数決は城之内の圧勝であった。クラスには城之内の息のかかった者たちが大半なのだ。完全に出来レースである。これが城之内のいつものやり方なのだ。
「では、ヒロイン役はわたくし、城之内競子に決定いたしますわ!」
慈美子はしょんぼりした。城之内は官軍のように勝ち誇っている。慈美子はそのままベルの意地悪な姉の1人の役を演じる事になった。
「ではこれが台本ですわ!」
城之内はクラスメートに台本を配った。その台本をみた一同は驚愕する。なんとキスシーンがあるのである。
「接吻って!」
「キスのことよね?」
クラスはざわついた。1番驚いたのは他ならぬ慈美子である。地味子は心臓を握りつぶされたようにおっ魂消た。
(関都くん…!)
果たして文化祭はどうなってしまうのか!?
「では、皆さま、文化祭の出し物は何がよろしいでしょう?」
学級委員長の城之内がクラスを取りまとめている。クラスメートは次々にアイディアを出した。
「猫カフェ!」
「教室に猫を連れてくるなんて現実的ではありませんの!却下ですわ!」
「ストリップショー!」
「問答無用で却下ですわ!」
「ジャンケン大会!」
「それではまるで児戯みたいですわ!却下ですの!」
「ケイドロ!」
「教室の広さでは危険ですわ!よくそんなアイディア出せましたわね!」
城之内は次々と出されるアイディアを尽く却下していく。その様はまるで独裁者のようである。
「麻雀!」
「ルールが難しくて大衆受けしませんわ!麻雀のルールなんて知らない人は大勢いますわ!よって却下ですの!」
「ならオセロ!」
「2人でしか対戦できないゲームは出店に不向きですの!よって却下ですわ!」
「ポーカー!」
「UNO!」
「ババ抜き!」
「どれもこれも単調すぎて面白味に欠けますわ!却下ですの!」
次々アイディアは出るものの、一向に良いアイディアはまとまらない。どんなアイディアが出ても城之内が却下してしまうのだ。そこに、関都が手を挙げた。
「カジノなんかどうですか?いろんなゲームができて盛り上がりそうでしょう?」
「流石関都さんですわぁ。他の人と違ってセンスの良いアイディアを出されますわぁ!!ですけれど、カジノ経営者の娘として申し上げますけれど、お金を賭けないカジノは盛り上がりませんの!それにカジノはやっぱりゴージャスでなくてはいけませんわ!文化祭で用意するような陳腐なセットではカジノと称するに相応しくありませんわ!」
城之内はやんわり却下した。関都のアイディアだけに一筋縄では却下しにくかったため、1度は褒めたたえたものの、結局はやはり却下なのだ。
そんな城之内に今度は慈美子が檄を飛ばした。
「却下却下って、じゃあ、城之内さんはどういうアイディアなら良いの?」
慈美子が城之内の独裁体制にメスを入れた!いつも嫌がらせを受けているお返しと言わんばかりに、城之内に物申した。
「他の人のアイディアを尽く排除するくらいなんですから、さぞいいアイディアをお持ちなんでしょうね?」
しかし、城之内は怯まない!待っていましたと言わんばかりの表情だ。これも城之内の思惑通りの展開なのだ。
城之内はクラスの皆に投げキスを飛ばしながら、アイディアを高言した。
「わたくしのアイディアは『メイド喫茶』ですわ!」
ここまで城之内の計算通りの流れである。他の人のアイディアを尽く拒絶したのは、自分のアイディアを聞き出させるためである。
しかし、クラスメートからは不満の声が漏れる。
「メイド喫茶~?ありきたりねぇ」
「他のクラスと被るんじゃないかしら?」
「僕はオタクじゃないからメイド服って別段と可愛いと思わないんだよなぁ」
「俺も。俺はオタクだがメイド服はエロくないし、あんまり萌えないなぁ」
城之内のアイディアにクラスメートは不満タラタラである。しかしここまでも城之内の計算通りである。
城之内はフリップボードを用意していた。
「普通のメイド喫茶とは一味違ったメイド喫茶を目指しますわ!衣装はこれですわ!」
城之内がフリップを捲ると、そこに城之内のアイディアが詰まったメイド服が描かれていた。
城之内が提示したそのメイド服はへそ出しの超ミニスカで胸元は大きく見開いているものだった。
「こんなセクシーなメイド服見たことがない!」
「こういうメイド服だったらエロくて可愛いな!」
「パンツ丸見えスレスレの超ミニスカ!良い!」
男子からは好評である。城之内は好感触に鼻が高くなり、自慢の髪の毛をさら付かせた。一方で女子からもそれなりに好評であった。
「可愛いわ!着てみたいわ!」
「こんな衣装なら他のクラスのメイド喫茶に何か負けないわね!」
「ちょっと恥ずかしい気もするけれど…」
クラスは賛成に流れつつあった。しかし、2人だけ賛成していない者がいた。関都と慈美子である。
関都は城之内に単純な疑問を投げかけた。
「メイド喫茶って男子は何をするんだ?女装か?」
「ほほほほほ、男子や不器量な女子は会計や裏方に回っていただきますわ!関都さんにはぜひ会計の受付を推薦致しますわ!」
城之内はほぼ決まりな空気でハイテンションである。関都には男子の中でも良いポジションを与えた。これで全て城之内の思惑通りに進むかに思えた。
とこがどっこい!そうは問屋が下ろさなかった。
「コスプレ喫茶の方が良いんじゃないかしら?」
慈美子がさらに割って入ってきた。城之内は予想外の発言にたじろいだ。しかし、慈美子はさらにその案のメリットを述べた。
「コスプレ喫茶なら、メイドのコスプレもできるし、男子もコスプレできるわ!」
「良いアイディアだなそれ!」
慈美子の意見に関都も賛同した。それをきっかけに、封を切ったように他のクラスメートからも賛同意見が沸いて出た。
「いいわね!私はスチュアーデス(CA)のコスプレをしてみたいわ!」
「あたしはバスガイドさん!!!」
「僕はドラキュラのコスプレがしたいな!」
「俺はフランケン!」
「私はね!人魚姫!」
「あたしはナースさんのコスプレがしたいわ!」
城之内は想定外の出来事にうまく取りまとめられない。城之内は明らかに動揺しておろおろとしていた。そんな城之内に、さらに、関都が追い打ちをかけた。
「じゃあ、ハロウィーンをモチーフにした『冥土喫茶』なんてどうだ?」
「いいわね!お化けやモンスターを中心にコスプレして、それに加えてCAさんやナースさんとかメイドさんのコスプレも入れるの!」
慈美子が一連のアイディアをまとめた。クラスも異存の無いムードだった。こうなったら、もう城之内でも覆せない。
「分かりましたわ…ハロウィーン風の冥土喫茶って言う事で決定しましたわ」
しかし、城之内は面白くない。関都と慈美子の共同案が採用されてしまった事に、憤りを感じた。2人の共同作業を後押ししているようで居心地が悪いのだ。
だが、城之内は気を取り直し、司会を続けた。
「では、次の議題に移りますの。文化祭の演劇は何になさいますか?」
文化祭では各クラスの出し物の他に、演劇もあるのだ。
シーン…
さっきとは打って変わって静まり返ってしまった。
ここぞとばかりに、城之内がアイディアを出す事を買って出た。
「わたくしは『美女と大鬼』が良いと思いますわ!」
「『美女と大鬼』?聞いた事が無いなぁ」
どこからともなく疑問の声が沸いて出た。しかし、これも城之内の計画通りである。城之内は髪を掻き揚げ、体をクネクネとさせながら自分の案をひけらかした。
「『美女と大鬼』はわたくしが考えたストーリーですの!聞いた事がなくても当然ですわ!『美女と大鬼』は、ヒロイン・ベルに頼まれたチューリップを摘んでしまった罪で野獣のような形相の大鬼に捕まってまった父親の身代わりとしてベル自らが囚われの身になり、そのベルをガストという美青年が見事に救い出す話ですわ!」
「成程なぁ。なかなか面白そうな話じゃないか」
どこからともなく賛同の声が漏れた。クラスはその満場一致でその案に賛成であった。それを感じ取った城之内はさらに話を進める。
「ガスト役には関都さんを推薦いたしますわ!」
「僕?」
突然の指名に関都は裁判でウソがばれた証人のように動揺する。しかし、すぐに落ち着きを取り戻し男らしく居直った。
「他に誰も居ないなら僕がやる!」
クラスメートは誰も異存はなかった。誰がどう考えても、関都が1番の役不足である。これも満場一致であった。
城之内はさらに司会を進行する。
「次はヒロイン・ベル役ですけれど…」
「はい!私がやります!」
城之内が言いかけた所で、なんと、慈美子が名乗りを挙げた。城之内は驚くが、これはまだ想定の範囲内である。すかさず城之内は反撃に打って出た。
「ヒロイン役はわたくしも立候補致しますの!」
他には候補者は誰も居なかった。ここまで全て城之内の思いのままに事が運んでいる。城之内はいつもの奥の手を使った。
「じゃあ、多数決でベル役を決めましょう」
多数決は城之内の圧勝であった。クラスには城之内の息のかかった者たちが大半なのだ。完全に出来レースである。これが城之内のいつものやり方なのだ。
「では、ヒロイン役はわたくし、城之内競子に決定いたしますわ!」
慈美子はしょんぼりした。城之内は官軍のように勝ち誇っている。慈美子はそのままベルの意地悪な姉の1人の役を演じる事になった。
「ではこれが台本ですわ!」
城之内はクラスメートに台本を配った。その台本をみた一同は驚愕する。なんとキスシーンがあるのである。
「接吻って!」
「キスのことよね?」
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