異世界は召喚魔法が主流です

ユーキ

文字の大きさ
12 / 22

第十一話

しおりを挟む
「では、これより近接格闘術の試験を行う!基本的に戦闘では魔法を使うが、いざとなったときに近接戦闘ができなければならないからな!」
先程の大柄な男とは違うが、この試験官もかなりのマッチョだ。ていうか、先程の男と顔がそっくりだから兄弟なのかもしれないな。兄弟揃ってマッチョって・・・・・・

「では、受験番号ごとに約100人ほどずつ分かれてくれ!武器は木製の貸し出し武器を使ってくれ!もちろん、素手で戦っても構わないがな!相手はこの学園の卒業生や、Bランク以上のの冒険者がやってくれる!では、これにて説明を終わる!」
毎回毎回うるせぇなぁ、試験官は!鼓膜が破れかけたわ。それに他の受験生も耳を押さえてるしダメダメじゃねえか。まぁとりあえず並ぶか。場所は・・・あそこか。

俺は他の受験生を避けつつ、少しばかり離れた場所へ向かう。そこは四角に切られた石が均等にかなり広く埋められている。ところどころに傷が目立っているから、何度も使われたのだろうな。

「みんな揃ったか。僕はブレント。Bランクの冒険者だ。あまり近接戦闘が得意ではないけど、みんなのために頑張るよ」
試験官はハゲ。イケメンで、とても若い感じがしている。だけどハゲなのは何でだろう?

「では順番に一人一人戦ってこう。もちろん手加減はするからな。僕を倒せばかなりいい点数をとれる。いい戦い方をするだけでも点数は高いぞ。では最初の奴はこの場に残って他のものは観戦するなりして待っていてくれ」
そういわれた俺たちは少し離れたところに行く。武器はステージのところにも置いてあるし、ここにも置いてある。

「じゃあ行くぞ!」
「くらえ!」
最初の奴は槍を使っているが動きに隙ばかりあり、なかなか攻撃は当たらない。あの程度ならBランクの冒険者にとっては赤子の手をひねるより簡単だろう。対してBランクの冒険者のブレントは剣を使い、避けたり、いなしたりしている。

「終わりだ」
バシッとブレントの剣が相手の鳩尾に決まり、受験生はばたりとその場に倒れてしまう。

このあとも実力に多少の差はあるが、皆変わらず負けている。しかも30秒ぐらいで一人が終わる、ものすごいハイペースだ。ちなみに俺は最後のようなのでだらだらとしている。
次は86人目の受験生のようだ。

「僕はセオドリクです……。よろしくお願いします……」
「ほう、礼儀正しいな。だからといって手を抜くつもりはない、全力でかかってこい!」
セオドリクと名乗った男の子は金髪で焦げ茶色の眼をしている。体は細く、小柄であまり強そうな感じは見受けない。対してブレントの方は何にもの受験生と戦ってるのに息すら切れてない。

「いくぞ!」
先程から何度も言っているセリフとともにブレントが攻撃を仕掛ける。しかしセオドリクはひらりと避け、逆に攻撃を繰り出す。しかし、さすがはBランクの冒険者。うまく剣でガードする。ここに来てようやくまともな戦いを見た気分だ。

「なかなかやるな」
「ありがとうございます……」
セオドリクは褒められているのに、あまり嬉しそうではない。

その後も鍔迫り合いをしたりと白熱の末にセオドリクは勝利した。手加減されていたとはいえ、なかなかな感じだった。見た目によらないな。

「あいつ、すごすぎる!!」
「で、でも、まだ魔法試験があるんだ。どうにかなる」
「かっこいい!好きになっちゃいそう」
観戦している者も口々に褒めの言葉を浴びせている。セオドリクはものすごい恥ずかしそうにしている。

その後は目立つ人物などいなく、とうとう俺に順番が回ってきた。

「お前で最後か。かかってこい!」
もう100人近くと戦っているため、疲労感が滲み出ている。俺は近くに置いてある剣を拾い上げる。
「分かりました」
そう言いながら俺は突進していく。しかし、かなり手加減していたので簡単に避けられてしまった。そのすれ違った瞬間攻撃されたが、うまく剣で防ぎきった。

その後は何度も避けて攻撃してを繰り返している。思った以上に手強い相手だ。もちろん全力を出せば一捻りだ。
「なかなか、やるな!」
「ありがとうございます!」
剣を交えている途中でも、褒めてくれるとは、なかなかいい試験官のようだ。もっとも、褒められるような奴は少なかったが。

「はぁぁ!」
ブレントの攻撃を避け、一瞬の隙を狙い背中の部分に攻撃をくらわせる。これで勝利だ。
「ぐぁっ!な、なかなかな実力だな」
ブレントの方はかなりボロボロになっている。ちょっと強めだったかな?最後の一撃。まぁ、Bランクの冒険者なんだ、どうにか大丈夫だろう。

「よし、これで終わりだな。次の試験はあっちの魔法練習場で行われる。他のところはまだ終わってないが、先に行って待っていろ」
俺達はその指示に従い、魔法練習場に向かう。この試験会場のすぐとなりにあるようだ。ここは近接格闘練習場なのだろうか?

さあ、次の試験も頑張るぞ。今回はちょっと目立ったけど魔法試験は目立たないようにしたいな。無詠唱と同時発動ができる時点で無理だけど。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

古代文明の最強王、5000年後に転生すると魔法が弱体化しすぎていたのでもう一度最強になります。~底辺貴族からの成り上がり~

しNぱ
ファンタジー
5000年前、魔法文明マギア魔導王国を築き、 魔法体系そのものを創造した王アーケ・マギアス・マギアは、 さらなる魔法の発展を求め、自らの魂を未来へ送る転生魔法を発動した。成熟した古代魔法を超える研究が進んだ世界を見たいという純粋な探求心から、5000年後の世界へと意識を沈めた。 目覚めた先は、スケルド男爵家三男レイフとしての赤子の身体だった。産まれた瞬間から記憶を持つ彼は、質素な家と薄い魔力の流れを前に、未来の魔法研究が古代よりも大きく退化していることに気づく。最底辺と呼ばれる家に生まれながらも、家族は温かく、彼の異常な魔力量を希望として受け入れた。 幼少期から魔力操作を自然に行い、三歳で石を浮かせ、五歳で光魔法を自在に扱うなど、古代王としての力を隠しながら成長する。外では古代魔法を使わず、転生者であることを悟られないよう慎重に振る舞いながら、未来の魔法体系を観察し続けた。 十歳になると身体強化などの古代魔法を最低限だけ使い、父との剣術訓練でも圧倒的な動きを見せるが、本来の力は隠したまま過ごす。そして十六歳、高等魔導学園に入学したレイフは、初日の実技試験で無詠唱魔法や術式無効化を用いて試験官を圧倒し、最底辺男爵家ながらA級判定を受ける。 その姿を見たストラング公爵家の令嬢エリナは、彼に強い興味を抱く。5000年後の世界は古代より魔法が退化していたが、だからこそ発展の余地がある。レイフは古代王としての知識をもとに、もう一度魔法の未来を切り開くことを決意する。

乙女ゲームの悪役令嬢、ですか

碧井 汐桜香
ファンタジー
王子様って、本当に平民のヒロインに惚れるのだろうか?

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」

まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。 目が覚めたら、婚約破棄されていた。 理由は「地味で面白みがない」から。 泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。 最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。 でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。 厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。 そして就任スピーチで宣言した。 「500人全員の名前を、覚えます」 冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。 悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。 元婚約者は——後悔し始めていた。 婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。 なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。

処理中です...