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第十六話
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誰だ!?振り向く先にいるのは一人の男。真っ黒のスーツのようなものを身にまとい、静かに立っている。顔は帽子を深く被っているため素顔が見えない。時折見える嗤う口は不気味な雰囲気を醸し出している。
「誰だ!貴様は!」
教師の一人のマッチョな教師が怒鳴る。他の教師は生徒の近くに寄り、いつでも戦闘ができるように準備をしている。
「誰かと聞かれますと。そうですね、悪魔とでも言っておきましょうか」
悪魔を名乗る男は奇怪に嗤う。
悪魔は大昔に天使との聖戦で滅びた種族のはずだ。その多くは天使に封印され、今も解けぬはずだ。天使も聖戦で力を失い、現在は存在していないはず。その、伝説の存在がなぜここに?
「あ、悪魔だと!?そんな馬鹿な……。いや、そんなことよりも、お前の目的はなんだ?!」
悪魔と答えられた教師は動揺を隠せていない。教師だけではなく、この場にいる全員が困惑している。
「目的ですか。そうですね、ここにいる人間を滅ぼすことですね」
そう悪魔が話した瞬間、殺気が膨れ上がる。やばい、間違いなくやばい。
勝てるか負けるかと言えばほぼ百パーセント勝てるだろう。しかし、そんなことをすれば俺の実力を知られて、面倒なことになるのは間違いない。だが、この場にいる俺が以外の人では確実に勝てないだろう。
「ふ、ふざけるな!!!!なぜ、貴様はそんなことをする!」
マッチョ教師はさすがの胆力というのか、完全に心は折れてないようだ。心が折れかけているものが何人もいるなかで。
「なぜそんなことをする。そうですね、悪魔の封印を解くためです」
悪魔の封印を解く??わけがわからない。そこの悪魔は完全に封印が解かれているはずなのに。
「封印を解く?」
「そうです。天使の施した封印は強力でしてね、15年ほど前にようやく弱まり始めたのですよ。わたしは悪魔の中でも屈指の実力を誇ると言われているので、何とか抜け出すことができました。わたしが望むのは、同胞の完全復活と、この世の支配です」
そんな。これは不味いことになってしまったようだ。そのような事態になれば、俺も戦争に行くかもしれない。家族や、クラスメートが死んでしまうかもしれない。これは、腹を括る必要がありそうだ。
「そんな、馬鹿な!くっそ!」
「安心してください。我々が行動を開始するのは半年後です。天使の封印のせいで、ようやく魔力が戻ってきたのですよ。しかし、あの封印は何度も何度も発動するように仕組まれており、また封印されてしまうのです。経年劣化をしていますので、わたしたちの動きを止める程度ですがね」
我々、つまりこいつらの仲間が他にもいるはずだ。封印の解けている。しかし、天使はなかなか気のきく封印を施してくれたようだ。
「封印を解くためには、負の感情と魂が必要です。なのでお手頃な人間どもから始末することにしました」
しかし、こいつは馬鹿だな。一見、知的そうに見えるのに計画をペラペラと喋り出す。こちらとしてはありがたいのだがな。
「ふざけるなぁ!!!!」
教師の叫び声が木霊する。しかし、全くの意味を成さないようだ。
「ふざけるな。無理なお願いですね。でもまぁ、わたしは自らの手で殺傷を犯したくはないのですよ。なので、これを使わせてもらいますね」
そう、悪魔が言って叩いたのは巨大召喚石だった。
悪魔が巨大召喚石に魔力を込める。現れたのは一体の竜だ。
「グオオオオオ!!」
竜が雄叫びをあげる。完全に恐怖に負けていたときに現れる竜。それにより恐怖は増大されたようだ。これはやばい。
「それでは、さようなら」
悪魔は一匹の竜を残し消え去っていた。
その竜は、紅く輝く鱗を持ち、四足歩行をする、巨大な角が特徴的の、レッドドラゴンだ。
「う、うわあぁぁぁ!!!!」
生徒の一人が叫び声をあげる。それをきっかけに生徒達が逃げ出して行こうとする。しかし、誰もその場から動くことはできない。腰が抜けて、恐怖で身が動かなくなったからだ。
「教師のみんなは応戦しろ!!!!一人でも多くの生徒を逃がすんだ!!」
そんな中でも教師達は応戦してくれる。教師達は召喚魔法を使い、攻撃魔法も使う。しかし、無意味だと言わんばかりの咆哮にかき消されてしまう。それにより絶望的な状況に陥ってしまった。
「そうだ!さっきのSSSランクのモンスターなら勝てるんじゃないかしら!」
しかし、教師の一人が言う。これにみんなは賛成したようだ。
「頼む、アルト!」
この状況では、仕方がない。
「エクスカリバー、あいつに勝てるか?」
「すみません、ご主人様。私はこちらの世界に来たばかりで、スキルがまだ定着しておりません。気に入らなければ、どんな罰でもお与えください」
そんなぁ。こんなところで役に立たないなんて。ていうか、罰する気なんてないよ。仕方がない、俺が戦うか。
「すみません、エクスカリバーはまだ力を使うことができません。なので、代わりに俺が戦います」
「何を言ってるの!あなたが勝てるはずないでしょ。頼みの綱だったのに」
どうやら、信用されてないようだ。俺の評価はSSSランクの召喚獣を持ってるだけの生徒という感じだ。実力を知っているはずがないだろう。
「まぁ、任せてください。どっちにしろ死ぬかもしれないんで。」
俺は強引に前に飛び出す。教師達は引き戻そうと必死だが、俺は無視をする。アイテムボックスから黒龍刀を取りだし、戦闘状態に入る。
さあ、黒龍刀の切れ味を試させてもらうか。ついでに俺の魔法の威力もな。俺と戦うなんて可哀想にも思えるが、挑んできたのが悪い。
遠慮なくぶっ潰してやる。
「誰だ!貴様は!」
教師の一人のマッチョな教師が怒鳴る。他の教師は生徒の近くに寄り、いつでも戦闘ができるように準備をしている。
「誰かと聞かれますと。そうですね、悪魔とでも言っておきましょうか」
悪魔を名乗る男は奇怪に嗤う。
悪魔は大昔に天使との聖戦で滅びた種族のはずだ。その多くは天使に封印され、今も解けぬはずだ。天使も聖戦で力を失い、現在は存在していないはず。その、伝説の存在がなぜここに?
「あ、悪魔だと!?そんな馬鹿な……。いや、そんなことよりも、お前の目的はなんだ?!」
悪魔と答えられた教師は動揺を隠せていない。教師だけではなく、この場にいる全員が困惑している。
「目的ですか。そうですね、ここにいる人間を滅ぼすことですね」
そう悪魔が話した瞬間、殺気が膨れ上がる。やばい、間違いなくやばい。
勝てるか負けるかと言えばほぼ百パーセント勝てるだろう。しかし、そんなことをすれば俺の実力を知られて、面倒なことになるのは間違いない。だが、この場にいる俺が以外の人では確実に勝てないだろう。
「ふ、ふざけるな!!!!なぜ、貴様はそんなことをする!」
マッチョ教師はさすがの胆力というのか、完全に心は折れてないようだ。心が折れかけているものが何人もいるなかで。
「なぜそんなことをする。そうですね、悪魔の封印を解くためです」
悪魔の封印を解く??わけがわからない。そこの悪魔は完全に封印が解かれているはずなのに。
「封印を解く?」
「そうです。天使の施した封印は強力でしてね、15年ほど前にようやく弱まり始めたのですよ。わたしは悪魔の中でも屈指の実力を誇ると言われているので、何とか抜け出すことができました。わたしが望むのは、同胞の完全復活と、この世の支配です」
そんな。これは不味いことになってしまったようだ。そのような事態になれば、俺も戦争に行くかもしれない。家族や、クラスメートが死んでしまうかもしれない。これは、腹を括る必要がありそうだ。
「そんな、馬鹿な!くっそ!」
「安心してください。我々が行動を開始するのは半年後です。天使の封印のせいで、ようやく魔力が戻ってきたのですよ。しかし、あの封印は何度も何度も発動するように仕組まれており、また封印されてしまうのです。経年劣化をしていますので、わたしたちの動きを止める程度ですがね」
我々、つまりこいつらの仲間が他にもいるはずだ。封印の解けている。しかし、天使はなかなか気のきく封印を施してくれたようだ。
「封印を解くためには、負の感情と魂が必要です。なのでお手頃な人間どもから始末することにしました」
しかし、こいつは馬鹿だな。一見、知的そうに見えるのに計画をペラペラと喋り出す。こちらとしてはありがたいのだがな。
「ふざけるなぁ!!!!」
教師の叫び声が木霊する。しかし、全くの意味を成さないようだ。
「ふざけるな。無理なお願いですね。でもまぁ、わたしは自らの手で殺傷を犯したくはないのですよ。なので、これを使わせてもらいますね」
そう、悪魔が言って叩いたのは巨大召喚石だった。
悪魔が巨大召喚石に魔力を込める。現れたのは一体の竜だ。
「グオオオオオ!!」
竜が雄叫びをあげる。完全に恐怖に負けていたときに現れる竜。それにより恐怖は増大されたようだ。これはやばい。
「それでは、さようなら」
悪魔は一匹の竜を残し消え去っていた。
その竜は、紅く輝く鱗を持ち、四足歩行をする、巨大な角が特徴的の、レッドドラゴンだ。
「う、うわあぁぁぁ!!!!」
生徒の一人が叫び声をあげる。それをきっかけに生徒達が逃げ出して行こうとする。しかし、誰もその場から動くことはできない。腰が抜けて、恐怖で身が動かなくなったからだ。
「教師のみんなは応戦しろ!!!!一人でも多くの生徒を逃がすんだ!!」
そんな中でも教師達は応戦してくれる。教師達は召喚魔法を使い、攻撃魔法も使う。しかし、無意味だと言わんばかりの咆哮にかき消されてしまう。それにより絶望的な状況に陥ってしまった。
「そうだ!さっきのSSSランクのモンスターなら勝てるんじゃないかしら!」
しかし、教師の一人が言う。これにみんなは賛成したようだ。
「頼む、アルト!」
この状況では、仕方がない。
「エクスカリバー、あいつに勝てるか?」
「すみません、ご主人様。私はこちらの世界に来たばかりで、スキルがまだ定着しておりません。気に入らなければ、どんな罰でもお与えください」
そんなぁ。こんなところで役に立たないなんて。ていうか、罰する気なんてないよ。仕方がない、俺が戦うか。
「すみません、エクスカリバーはまだ力を使うことができません。なので、代わりに俺が戦います」
「何を言ってるの!あなたが勝てるはずないでしょ。頼みの綱だったのに」
どうやら、信用されてないようだ。俺の評価はSSSランクの召喚獣を持ってるだけの生徒という感じだ。実力を知っているはずがないだろう。
「まぁ、任せてください。どっちにしろ死ぬかもしれないんで。」
俺は強引に前に飛び出す。教師達は引き戻そうと必死だが、俺は無視をする。アイテムボックスから黒龍刀を取りだし、戦闘状態に入る。
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