希望職種モブって言わなかったかしら?

える

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急に始まる学園編 ~完結まで猛ダッシュ☆~

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 とある日の昼下がり、私と駄犬の馬鹿みたいなランチタイムに割り込む声があった。


「殿下!!ここにいらしたのですね!午前の授業が終わったら公務に向かうと約束頂いたはずです!さあ、行きますよ!」


 彼はロワール・ピケット。駄犬の超優秀な側近。

 ただ、私は彼が苦手だ。何故って…

 攻略対象だからだ…!!そして最近タゲられてる。こいつにタゲられてる!

 さすがに駄犬の前ではしないんだけど、影でコソコソと私にプレゼントを用意してやがる…

 今だって、なんか知らんが目配せされた…勘弁してくれ…


「ロワール… 今私はお楽しみ中だ。邪魔をするな。それと、ノアに色目を使うな。潰すぞ。」

「いやはや、お戯れを… ノアージュ嬢、ご理解願いたい。」

「ええ、もちろんですわ。先約があった上に公務を放り出すなんて、私の愛する婚約者がするはず有りませんもの。そうでしょう、殿下?」

「もももももも、もちろんだ!!」


 完全に挙動不審だ。これはすっぽかす気満々だったな。

 そのしわ寄せが求愛という形で私に回ってくるんだからやめて欲しい。

 ほぼ毎日誰かしらから「殿下のことでお話が…」と話しかけられ、最後には必ず「そうだ、これを…」とか言ってプレゼントしてくるんだよね。

 まあ全部駄犬に報告して倉庫部屋にぶち込んでるけど。

 何よりも嫌なのが相手なんだよね。もうさ、なんでよりにもよって攻略対象なのかな?

 ヒロインはどうした…。仕事してくれよ…

 とっとと攻略対象達の心かっさらって私を解放しておくれ…



    ー放課後ー



 ああ、来た。ほんとに来た。マジで来た。

 誰って、ロワール・ピケットだよ。ああ、お供にマーク・ランダースが引っ付いてる。最悪だ…


「ノアージュ嬢、昼休みぶりですね。」

「む、昼休みにもお会いしたのか?私は本日最初のお目通りなのに…」

「御機嫌よう、ロワール様にマーク様。先に申し上げますけれど、贈り物はもう受け取りませんわ。そろそろ殿下が怒りで噴火しそうなので。」

「そんな、本日は貴女の美しい瞳の色を纏った可憐な花をお持ちしましたのに…」

「あら、そちらの花かしら?ご存知でして?そちらの花は死者の棺に入れる花でしてよ?」


 嘘だけど。形が似ているだけで全くの別物だ。もしこの嘘がわかったとしたら、私は相当なバカに移るに違いない。


「いいえ、ノアージュ嬢。こちらは形は似ていれど、別物にございます。見分けにくいですから、そう思われても仕方ないと思っておりました。」


 くそ、ダメだったか。これは受け取らないと終わらないパターンなのか?


「おい、ノアに色目を使うなと昼にも告げたであろう。それより、1匹虫が増えているな。目障りだ。」

「殿下… 大切な臣下になんてことを仰いますの…?」

「ノアージュ嬢の言う通りですよ殿下。我々は殿下の御婚約者であらせられるノアージュ嬢を、応援したいのです。」

「白々しいな。お前がノアに恋慕していることなど既に分かっている。」

「…なんだ。バレてたんですか。じゃあ、もうコソコソする必要ありませんね。さ、ノアージュ嬢。こちらを受け取ってください。殿下も公認されたことですし、これからはどんどん贈り物を届けますからね?」


 辞めてくれ。隣のマーク・ランダースも大きく頷くのをやめなさい。

 まったく、この駄犬はなんて発言をしてくれているんだ…

 それよりもどうしてそんな解釈になるんだロワール・ピケット…

 もう1回人生やり直せたりしないかな…?
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