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本編
9. そのデレは、、、(略
しおりを挟むふと気づいたら、殿下に背後を取られておりました。
近頃、このようなことが多々ありまして、私の心臓が保ちませんわ。
それはさておき、先ほどの殿下のお言葉はどういうことでしょう?
あれではまるで殿下が私を好きだとでもいうようですわ…
「レイチェル、僕は今まで君に、言葉では表しきれない想いを届けてきたつもりだったのだけれど、君はどれも気づいていなかったのかい?」
「…?殿下の想い、ですか…?」
「ああ、直接言ったことがなかったからかな?それならば、今ここで伝えるよ。
レイチェル、改めて名乗ろう。我が名はシューベック・クロノワ・エルビオ・ロア・ベルディバ。ベルディバ帝国が第一皇子にして次期皇帝。
そして今この時、レイチェル・ルーボレラ公爵令嬢に誓う。
ベルディバの名にかけて、この命を一生涯貴女のためだけに費やすと。
レイチェル、君を愛してる。」
そんな、まさか。シューベック殿下からその様に愛を囁かれるなど…
殿下の瞳は嘘などついていないと、如実に語る。
彼の意思や想いがそれほど強いものであると、表情、声音、瞳、殿下自身が体現されている。
ああ、貴方という方は、どうしてこうも私の心を攫って行かれるのでしょう…
「シューベック皇太子殿下、私は年端もいかぬ不束者でございますが、一つだけ、貴方様に誓えることがございます。
それは、一生、貴方様のお側で、貴方様の為に、貴方様を支えられる妻になるという決意ですわ。
お慕い申し上げておりますわ、ベック様。
どうか、この命果てるまで、貴方様のお側にいることをお許しくださいませ…」
「レイチェル!!やっとベックと呼んでくれた!!僕たちの婚約が決まってから5年と1ヶ月13日9時間47分3秒たった今!やっとだ!!」
「細かいですわ、ベック様。それよりも、彼の王女殿下はいかがいたしましょう?」
「?ああ、あの人ね。僕は特に興味ないから、どうなろうがどうだっていいよ。
それより、次の休みに公爵家に挨拶に伺おう。そのまま泊まりで街に出かけないか?レイチェルに似合うドレスやジュエルを選ぶよ。」
「まあ、ベック様?はしゃぐのはよろしいですが、そろそろ帰寮時間ですわ。」
「そんな、もっとレイチェルと居たいんだ。少しくらいいいだろう?」
「ダメですわ。一国の皇太子ともあろうお方がその様では、民に示しがつきません。」
「将来の伴侶を愛することは民にも良い影響を与えると思わないかい?」
そんな風に言われて仕舞えば、当然照れてしまいます。
互いの想いを伝えたら何故か私に甘々になってしまったベック様。
とても麗しい笑顔で見つめられると、何も言い返せなくなってしまいます…
ですから、そのデレは他所でやってくださいな!!
でも、少し嬉しいのです。
私、ヒロイン王女(仮)には絶っっっ対負けませんわ!!
応援ありがとうございます!
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