王道じゃなくて悪かったな

学院生活 前学期編

20. 新歓イベントだってさ

　なんか新入生歓迎会ってやつをやるらしいよ。

　内容は王道らしく鬼ごっこだって。一年が逃げる側で、二、三年は抽選して逃げる側と鬼側に分かれる。
　生徒会は鬼側にいて、風紀は見回りのため不参加。

　そんで、さっき抽選が終わって、俺はなんと逃げる側でした☆

　ちなみに圭ちゃんは鬼ね。クラスで3人しか逃げる側にならないのに、俺ってば悪運ばっかり強いんだから～。

　とまあ、おふざけはここまでにして、厄介なのは生徒会ね。

　生徒会が鬼ってことは？どう考えても俺狙われるじゃん？

　そしたら親衛隊に目をつけられるじゃん？

　え、ワンチャンダイブじゃね？

　って思ったけどよくよく考えたら、俺今親衛隊持ちじゃん。

　しかもよく分かんないけど人数がすごいらしい。
　100人だって。しかもその8割が運動部で成績は学年上位者。

　ミーティングなるものに参加した時はむさ苦しさにびっくりしたよ。


　　どどどどどどどどど


「なになになにっ！？え、マンモスでも到来すんのっ！？」

「響ちゃーーーーーん！！！逃げる側になったって本当！？それなら絶っっっっ対俺が捕まえてあげるからねっ！！
　どこで落ち合う？ん？ん？」

「丁重にお断りするわ。お前に捕まったらろくなことねえし。」

「じゃあ、俺が捕まえてやるぞ。」

「うん、彩雅もなしね。」

「じゃあ、私が。」

「結構です。てか、俺事前に誰に捕まえてもらうかとかしたくないし。捕まえたいなら全力で追いかけてくれば？
　どうせペア同士でデートとかが賞品でしょ？いいよ、俺のこと捕まえた人とデートするよ。そのかわりズルっこなしね。」

「「「絶っっっっ対、捕まえる！！！」」」



　みんなめっちゃ盛り上がってるとこ悪いけど、俺も捕まらないように逃げるんだから、難しいと思うよ？ 

　まあ、楽しそうだからいっか。