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はっと目覚める。ベットの上で。
夢オチ展開になったのか・・・わからない。
パンツの中を確認する。精液がない。
でも精液が付着していないだけで夢オチと断定はできない。母・妹が意識を失った僕のパンツを脱がせて、新しいパンツを履かせてくれたのかもしれない。
外はまだ暗い。時計を見ると午前3時24分だった。
尿意を感じる。
トイレに行くために部屋を出る。
1階に降りる。
トイレの近くまで来たとき、トイレのドアが開く。
中から母が出てきた。
「トイレ?」
母が聞いてきた。
「うん」
「光。酷い顔してるわね。悪い夢でも見たの?」
母が心配そうに聞いてくる。
「うん」
「まさかオシッコ漏らしてないわよね?」
「漏らしてないよ」
「そうよね。高校生にもなって悪い夢見たくらいでオシッコ漏らすわけないわよね。でも、もし、漏らしても隠さなくてもいいからね。私達は家族なんだから」
「うん。ねえ、母さん」
「なに?」
「僕は母さんの子供だよね?」
「何言ってるの。当たり前でしょ」
母は動揺することなく言った。
どうやら夢オチ展開になってくれたようだ。
ほっとする。
「ホントに悪い夢を見たのね」
「うん」
「光、抱きしめてあげるわ」
母は僕を抱きしめる。
母の柔らかい胸の感触を感じる。
「子供の頃は悪い夢を見るたびにこうやって抱きしめてあげたのよ」
「やめてよ。恥ずかしいよ」
「家族なんだから恥ずかしがる必要ないでしょ」
「家族でも恥ずかしいことはあるよ」
「その恥ずかしさのせいで言うべきことを秘密にしてしまう場合があるのよ。だからこのくらいの恥ずかしさには慣れなさい」
「無茶言わないでよ」
「無茶も言いたくなるわ。光のような繊細で秘密主義な子供を持つとね」
「・・・」
「家族は光の味方だからね。だからなんでもかんでも秘密にしないでね」
「わかったよ」
「わかればよろしい」母は抱擁を解いてくれた。「さてともう一眠りしよっと」
母は行ってしまう。
僕はトイレに入った。
トイレを済ませたあと、自室に戻るために階段を上る。上り終えたところで選択肢が現れる。
『①夢遊病状態の妹に愛の告白される』
『②夢遊病状態の妹にキスをされてしまう』
『③夢遊病状態の妹が廊下で放尿してしまう』
また理不尽な選択肢だ。どれも選びたくない選択肢だ。
③を選んで妹が廊下にオシッコをした場合、妹を傷つけてしまうかもしれない。僕がもし寝ぼけて廊下にオシッコをしてしまった場面を家族に見られた傷つくと思う。たとえ家族でも見られたくない場面はあるのだ。
妹とキスをするのも問題ある。だとしたら一番無難なのは愛の告白か。
でもガチの告白だった場合はヤバい。そのあと、妹とどう接したらいいか悩むと思う。尋常ではないくらい悩むと思う。そんな悩みに苛まれたくない。でもキスや放尿もマズイ気がする。
ああ、もう。毎回毎回、理不尽な選択肢ばかり提示しやがって。くそっ。
僕は選択肢①を選んだ。夢遊病状態なら妹が僕に告白したことを知らずにすむと思ったからだ。それにキスに比べればまだ告白のほうがマシな気がする。放尿よりもマシな気がする。だから①を選んだ。
世界が動き出す。
妹の部屋のドアが開く。妹が出てきた。寝間着姿だ。寝ぼけているような表情をしている。フラフラとした足取りで僕のほうに歩いてくる。そして僕のすぐ近くで立ち止まる。
「私ね、ずっとお兄ちゃんのことが好きだったの。お兄ちゃんとして好きだったの。でもね、お兄ちゃんとずっと仲良くしてるのは変だって言われたの。それでお兄ちゃんと距離をとるようになったの。お兄ちゃんに冷たい態度をとるようになったの。その間、すごく辛かったの。お兄ちゃんに嫌われたと思って辛かったの。でも友達に変だと思われるのが怖くて・・・お兄ちゃんに冷たい態度をとり続けていたの・・・ごめんね。お兄ちゃん。冷たい態度とり続けてごめんね」
妹の目から涙が溢れる。
「気にするな。僕は気にしてないよ」
「ホント?」
「ああ、本当だ。僕は変わらず希美のことが妹として好きだよ」
「じゃあ、私の頭撫でられる?子供の頃みたいに撫でられる?」
「撫でられるよ」
「じゃあ、撫でて」
「わかった」
僕は妹の頭を撫でる。
「ああ、お兄ちゃんの撫で撫で。すごく久しぶりで懐かしい気持ちになる」
「そうか」
「うん。ずっと子供のままでいられたらよかったのに」
「そうだな」
「大人になるとどうして人の目ばかり気にするようになるんだろう?」
「さあ、わからないよ」
「私、ずっと子供でいたかった。子供でいたかったよ」
妹は再び泣き出す。
そして僕に抱きついてきた。
僕は妹の背中を撫でてやった。懐かしさを感じる。子供の頃、妹が泣いているとき、よくこうやって抱きしめて背中を撫でてあげたことを思い出す。
妹はしばらく僕に抱きついたまま泣き続けた。
泣き止んだあと、妹は「ありがとう、お兄ちゃん」と言って、部屋に戻っていった。目の焦点がズレていたので夢遊病状態は続いていたと思う。
妹はずっと罪悪感を感じていたのか。僕に冷たい態度をとっていたことを。確かに妹は10歳くらいの頃から僕に冷たい態度をとるようになった。その原因がまさか友達に兄と仲良しなのは変だと友達に言われたせいだったなんて。
酷い世の中だと思う。ただ妹は純粋に兄と仲良くしていたいだけだったのに。それを許さない世界は酷い世界だと思う。
ふいに選択肢が現れる。
『①世界の崩壊を望む』
『②世界が兄妹愛を認める』
『③核戦争を望む』
『④リア充爆発しろ』
夢オチ展開になったのか・・・わからない。
パンツの中を確認する。精液がない。
でも精液が付着していないだけで夢オチと断定はできない。母・妹が意識を失った僕のパンツを脱がせて、新しいパンツを履かせてくれたのかもしれない。
外はまだ暗い。時計を見ると午前3時24分だった。
尿意を感じる。
トイレに行くために部屋を出る。
1階に降りる。
トイレの近くまで来たとき、トイレのドアが開く。
中から母が出てきた。
「トイレ?」
母が聞いてきた。
「うん」
「光。酷い顔してるわね。悪い夢でも見たの?」
母が心配そうに聞いてくる。
「うん」
「まさかオシッコ漏らしてないわよね?」
「漏らしてないよ」
「そうよね。高校生にもなって悪い夢見たくらいでオシッコ漏らすわけないわよね。でも、もし、漏らしても隠さなくてもいいからね。私達は家族なんだから」
「うん。ねえ、母さん」
「なに?」
「僕は母さんの子供だよね?」
「何言ってるの。当たり前でしょ」
母は動揺することなく言った。
どうやら夢オチ展開になってくれたようだ。
ほっとする。
「ホントに悪い夢を見たのね」
「うん」
「光、抱きしめてあげるわ」
母は僕を抱きしめる。
母の柔らかい胸の感触を感じる。
「子供の頃は悪い夢を見るたびにこうやって抱きしめてあげたのよ」
「やめてよ。恥ずかしいよ」
「家族なんだから恥ずかしがる必要ないでしょ」
「家族でも恥ずかしいことはあるよ」
「その恥ずかしさのせいで言うべきことを秘密にしてしまう場合があるのよ。だからこのくらいの恥ずかしさには慣れなさい」
「無茶言わないでよ」
「無茶も言いたくなるわ。光のような繊細で秘密主義な子供を持つとね」
「・・・」
「家族は光の味方だからね。だからなんでもかんでも秘密にしないでね」
「わかったよ」
「わかればよろしい」母は抱擁を解いてくれた。「さてともう一眠りしよっと」
母は行ってしまう。
僕はトイレに入った。
トイレを済ませたあと、自室に戻るために階段を上る。上り終えたところで選択肢が現れる。
『①夢遊病状態の妹に愛の告白される』
『②夢遊病状態の妹にキスをされてしまう』
『③夢遊病状態の妹が廊下で放尿してしまう』
また理不尽な選択肢だ。どれも選びたくない選択肢だ。
③を選んで妹が廊下にオシッコをした場合、妹を傷つけてしまうかもしれない。僕がもし寝ぼけて廊下にオシッコをしてしまった場面を家族に見られた傷つくと思う。たとえ家族でも見られたくない場面はあるのだ。
妹とキスをするのも問題ある。だとしたら一番無難なのは愛の告白か。
でもガチの告白だった場合はヤバい。そのあと、妹とどう接したらいいか悩むと思う。尋常ではないくらい悩むと思う。そんな悩みに苛まれたくない。でもキスや放尿もマズイ気がする。
ああ、もう。毎回毎回、理不尽な選択肢ばかり提示しやがって。くそっ。
僕は選択肢①を選んだ。夢遊病状態なら妹が僕に告白したことを知らずにすむと思ったからだ。それにキスに比べればまだ告白のほうがマシな気がする。放尿よりもマシな気がする。だから①を選んだ。
世界が動き出す。
妹の部屋のドアが開く。妹が出てきた。寝間着姿だ。寝ぼけているような表情をしている。フラフラとした足取りで僕のほうに歩いてくる。そして僕のすぐ近くで立ち止まる。
「私ね、ずっとお兄ちゃんのことが好きだったの。お兄ちゃんとして好きだったの。でもね、お兄ちゃんとずっと仲良くしてるのは変だって言われたの。それでお兄ちゃんと距離をとるようになったの。お兄ちゃんに冷たい態度をとるようになったの。その間、すごく辛かったの。お兄ちゃんに嫌われたと思って辛かったの。でも友達に変だと思われるのが怖くて・・・お兄ちゃんに冷たい態度をとり続けていたの・・・ごめんね。お兄ちゃん。冷たい態度とり続けてごめんね」
妹の目から涙が溢れる。
「気にするな。僕は気にしてないよ」
「ホント?」
「ああ、本当だ。僕は変わらず希美のことが妹として好きだよ」
「じゃあ、私の頭撫でられる?子供の頃みたいに撫でられる?」
「撫でられるよ」
「じゃあ、撫でて」
「わかった」
僕は妹の頭を撫でる。
「ああ、お兄ちゃんの撫で撫で。すごく久しぶりで懐かしい気持ちになる」
「そうか」
「うん。ずっと子供のままでいられたらよかったのに」
「そうだな」
「大人になるとどうして人の目ばかり気にするようになるんだろう?」
「さあ、わからないよ」
「私、ずっと子供でいたかった。子供でいたかったよ」
妹は再び泣き出す。
そして僕に抱きついてきた。
僕は妹の背中を撫でてやった。懐かしさを感じる。子供の頃、妹が泣いているとき、よくこうやって抱きしめて背中を撫でてあげたことを思い出す。
妹はしばらく僕に抱きついたまま泣き続けた。
泣き止んだあと、妹は「ありがとう、お兄ちゃん」と言って、部屋に戻っていった。目の焦点がズレていたので夢遊病状態は続いていたと思う。
妹はずっと罪悪感を感じていたのか。僕に冷たい態度をとっていたことを。確かに妹は10歳くらいの頃から僕に冷たい態度をとるようになった。その原因がまさか友達に兄と仲良しなのは変だと友達に言われたせいだったなんて。
酷い世の中だと思う。ただ妹は純粋に兄と仲良くしていたいだけだったのに。それを許さない世界は酷い世界だと思う。
ふいに選択肢が現れる。
『①世界の崩壊を望む』
『②世界が兄妹愛を認める』
『③核戦争を望む』
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