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25 里菜の過去②
その夜、父が私の部屋に来た。
「里菜。骨髄提供をしたいってお母さんに言ったんだってね」
父は優しい口調で言った。
「うん」
私はうなずく。
「本気かい?」
「本気よ」
「今もその気持ちに変わりはないかい?」
「ないわ」
「じゃあ、骨髄提供をしていいよ」
「えっ?」
「里菜が本気なら骨髄提供をしても構わない」
「ホント?」
「ホントだよ」
父は笑顔でうなずく。
「でもお母さんが・・・」
「お母さんも賛成してくれたよ」
「・・・」
「ホントだよ。だから里菜が骨髄提供したいならしてもいいよ。ただし、これだけは覚えておいてほしい。医療に絶対はないんだ。どんな治療にも失敗する可能性はあるんだ」
「でも双子の適合率は完璧だって」
「残念ながら双子でも適合しない場合もあるんだ」
「・・・」
「理屈はわからない。でも適合しない場合もあるんだ。だから双子間の骨髄移植でも失敗する可能性はあるんだ。このことだけは覚えておいてほしい」
「どうして?」
「失敗したとき、里菜が自分のことを責めないでほしいからだよ。里菜は優しいし、責任感が強いから失敗したとき自分を責めてしまうと思うんだ。だから失敗しても自分を責めないために失敗する可能性も覚えておいてほしいんだ。覚えておけるかい?」
「うん。覚えておくよ」
「約束できるかい?」
「できる」
「指切りできる?」
「できる」
「じゃあ、指切りしよう」
「うん」
私と父は指切りをする。「・・・針千本飲ます」で指を離す。
「約束したからね」
「うん」
「怖がらせるようなことを言ったけど、ほとんど失敗する可能性はないんだ。だから気楽な気持ちで提供に望んでも大丈夫だよ。気楽に望んだほうが上手くいくからね」
「うん」
そして私は骨髄提供をすることになった。
骨髄移植には、ドナーが誰なのかを明かしてはいけないというルールがあった。私も例外ではなかった。だから私は陽菜にドナーになったことを内緒にした。でもなぜか陽菜は私がドナーであることがわかっていた。
「里菜だよね。私に骨髄の提供者」
陽菜はベットの上で言った。
「えっと」
私は誤魔化そうする。
「誤魔化そうとしなくてもいいよ」妹は笑う。「双子だもん。わかっちゃうよ。だってもし私が里菜の立場だったら同じことするもん」
「・・・うん」
「里菜、ありがとう」
陽菜はお礼を言った。
「いいよ。お礼なんて」
「ううん。言わせて。本当にありがとう。すごく感謝してる」
「うん」
私は照れる。
「でも、どうせなら光くんに骨髄を提供してほしかったな」
「なによ。それ」
「私はね、光くんに骨髄を提供される。そして私の命は助かる。数年後、光くんに再会して光くんが私のドナーだったことを知るの。光くんはね、こう言うの。僕は陽菜ちゃんが白血病だって知っていた。だから陽菜ちゃんのためにドナーになることを決めたんだってね。そんな夢を見ていたの」
「じゃあ、私は余計なことをしたってこと?」
「そうよ」
「・・・酷い」
「冗談よ」陽菜は笑う。「本当に嬉しい。里菜のおかげで光くんと結婚するって夢が叶うかもしれない。だからありがとう」
「叶うかもしれないじゃないよ。絶対に叶うだよ」
「うん」
陽菜は笑顔でうなずく。
私は骨髄摘出は無事終えた。
そして陽菜も骨髄移植を無事終えた。
陽菜はすぐに元気になると思った。双子間の移植なんだから失敗するわけないと信じていた。でも、陽菜は元気にならなかった。元気にならないまま移植の1週間後に死んでしまった。
3週間ぐらいは面会できないと父に言われていた。面会できない理由は骨髄移植したあとは安静にしていなければならないだった。
私はその言葉を信じた。妹に会える日を楽しみに待った。
妹の夢を見た。
夢の中の妹は、「里菜のおかげで元気になれたよ。ありがとね」と笑顔で言った。その顔は健康そのものだった。
「私は姉として当然のことをしただけだよ」
と照れながら言う。
「私は良いお姉ちゃんに恵まれて幸せだよ」
と陽菜は言う。
「そうよ。私は良いお姉ちゃんなの。だからこれからはお姉さまとお呼びなさい」
私は偉そうに言う。もちろん冗談で。
「お姉さま」
「やっぱりやめて。恥ずかしい」
私は恥ずかしがる。
陽菜は笑う。
私も笑う。
そして夢が終わる。
私がそんな幸福な夢を見ているとき、妹は苦しんでいたのだ。骨髄移植の失敗のせいで苦しみのどん底にいたのだ。苦しんで苦しんで苦しんで・・・そして妹は死んでいったのだ。
一週間ぶりに会った妹は冷たくなっていた。どれだけ話しかけても何も言ってくれなかった。光くんの話をしても笑顔を浮かべてくれなかった。私は泣いた。泣き続けた。泣いても泣いても涙が溢れてきた。
私は思った。
『私のせいで妹は死んだのだ。本来は私が白血病になって死ぬはずだった。でも私は死ぬのが嫌だった。だから妹の病気を移したのだ。自分が生き残るために妹に移したのだ。でも骨髄移植が成功してしまったら私が病気になってしまう。だから私は骨髄移植が失敗するように願ったのだ。心のどこかで。だから妹は不適合を起こして死んでしまったんだ』
私はそう思った。そう思えば思うほどにそれが真実に思えた。
激しい罪悪感に襲われた。死んでしまいたいと思った。
父は言った。「里菜。自分を責めては駄目だよ。そんなことをしたらお母さんが悲しむ。お母さんにはね、双子の姉妹の友達がいたんだ。あるとき双子の妹が白血病になった。姉はドナーになり、妹に骨髄を提供した。でも妹は死んでしまった。姉は自分のことを責めた。責めて続けた。そして自殺してしまった。お母さんはその友達を助けられなかったことをずっと後悔しているんだ。だから里菜がその友達と同じように自分を責めたらお母さんはすごく悲しむ。だから自分を責めないでほしいんだ」
私の中で母が頑ななまでに私の骨髄提供に反対していた理由が氷解した。誰だって自分の親友の死の原因になった骨髄提供を自分の娘にやらせたいと思うわけがない。
「里菜」母は私を抱きしめる。「里菜は悪くないよ。里菜が悪かったら私の友達も悪いことになってしまう。私の友達は悪くなかった。危険を承知で妹に骨髄提供をした良い友達なの。里菜のように良い子だったの。だからその友達は悪くないの。だから里菜も悪くないの。全然悪くないの。だから自分を責めては駄目よ」
・・・私は自分を責めた。私が悪いとしか思えなかったからだ。責めてはいけないと思った。でも自分が悪いと思っている私には責めることをやめることができなかった。
自分を責め続ける日々は辛くて死にたくなった。でも死ぬわけにはいかなかった。私が死ねば両親を悲しませてしまうからだ。だから私は生きなければならなかった。
でも、罪悪感を抱えて生きるのは辛かった。何をしていても罪悪感を感じた。ご飯を食べているときも罪悪感を感じたし、友達と話しているときも罪悪感を感じたし、授業を受けているときも罪悪感を感じたし、遠足のときも罪悪感を感じた。
そのたびに泣きそうになる。でも私は泣くのを我慢する。泣く資格は私にはないと思っていたからだ。泣いて楽になるなんて許されないと思っていたからだ。だから泣くのを我慢し続けた。我慢は辛かった。死んでしまいたいと思うほどに。
でも死ねない。両親は私を大切に思ってくれている。特に母は妹が死んだあとに過保護なまでに私を大切にしてくれている。私が死ねば母は壊れてしまうかもしれない。
だから私は生きた。生き続けた。
でも生きれば生きるほど生きる気力を失っていった。
やがて私は妹の夢を見るようになる。
その夢の中で私は妹を探している。
妹がどこにいるのかわからない。でも妹の気配を感じる。だから私は必死で探し続けた。
でも見つからない。
そんな夢を何度も見た。見るたびに妹に近づいている気がした。
だから私は必死で探した。夢の中で必死で妹を探し続けた。
そして私は妹を見つけることに成功した。
私は妹と抱き締める。私はもう二度と離れ離れにならないように妹を強く強く抱きしめ続けた・・・
「里菜。骨髄提供をしたいってお母さんに言ったんだってね」
父は優しい口調で言った。
「うん」
私はうなずく。
「本気かい?」
「本気よ」
「今もその気持ちに変わりはないかい?」
「ないわ」
「じゃあ、骨髄提供をしていいよ」
「えっ?」
「里菜が本気なら骨髄提供をしても構わない」
「ホント?」
「ホントだよ」
父は笑顔でうなずく。
「でもお母さんが・・・」
「お母さんも賛成してくれたよ」
「・・・」
「ホントだよ。だから里菜が骨髄提供したいならしてもいいよ。ただし、これだけは覚えておいてほしい。医療に絶対はないんだ。どんな治療にも失敗する可能性はあるんだ」
「でも双子の適合率は完璧だって」
「残念ながら双子でも適合しない場合もあるんだ」
「・・・」
「理屈はわからない。でも適合しない場合もあるんだ。だから双子間の骨髄移植でも失敗する可能性はあるんだ。このことだけは覚えておいてほしい」
「どうして?」
「失敗したとき、里菜が自分のことを責めないでほしいからだよ。里菜は優しいし、責任感が強いから失敗したとき自分を責めてしまうと思うんだ。だから失敗しても自分を責めないために失敗する可能性も覚えておいてほしいんだ。覚えておけるかい?」
「うん。覚えておくよ」
「約束できるかい?」
「できる」
「指切りできる?」
「できる」
「じゃあ、指切りしよう」
「うん」
私と父は指切りをする。「・・・針千本飲ます」で指を離す。
「約束したからね」
「うん」
「怖がらせるようなことを言ったけど、ほとんど失敗する可能性はないんだ。だから気楽な気持ちで提供に望んでも大丈夫だよ。気楽に望んだほうが上手くいくからね」
「うん」
そして私は骨髄提供をすることになった。
骨髄移植には、ドナーが誰なのかを明かしてはいけないというルールがあった。私も例外ではなかった。だから私は陽菜にドナーになったことを内緒にした。でもなぜか陽菜は私がドナーであることがわかっていた。
「里菜だよね。私に骨髄の提供者」
陽菜はベットの上で言った。
「えっと」
私は誤魔化そうする。
「誤魔化そうとしなくてもいいよ」妹は笑う。「双子だもん。わかっちゃうよ。だってもし私が里菜の立場だったら同じことするもん」
「・・・うん」
「里菜、ありがとう」
陽菜はお礼を言った。
「いいよ。お礼なんて」
「ううん。言わせて。本当にありがとう。すごく感謝してる」
「うん」
私は照れる。
「でも、どうせなら光くんに骨髄を提供してほしかったな」
「なによ。それ」
「私はね、光くんに骨髄を提供される。そして私の命は助かる。数年後、光くんに再会して光くんが私のドナーだったことを知るの。光くんはね、こう言うの。僕は陽菜ちゃんが白血病だって知っていた。だから陽菜ちゃんのためにドナーになることを決めたんだってね。そんな夢を見ていたの」
「じゃあ、私は余計なことをしたってこと?」
「そうよ」
「・・・酷い」
「冗談よ」陽菜は笑う。「本当に嬉しい。里菜のおかげで光くんと結婚するって夢が叶うかもしれない。だからありがとう」
「叶うかもしれないじゃないよ。絶対に叶うだよ」
「うん」
陽菜は笑顔でうなずく。
私は骨髄摘出は無事終えた。
そして陽菜も骨髄移植を無事終えた。
陽菜はすぐに元気になると思った。双子間の移植なんだから失敗するわけないと信じていた。でも、陽菜は元気にならなかった。元気にならないまま移植の1週間後に死んでしまった。
3週間ぐらいは面会できないと父に言われていた。面会できない理由は骨髄移植したあとは安静にしていなければならないだった。
私はその言葉を信じた。妹に会える日を楽しみに待った。
妹の夢を見た。
夢の中の妹は、「里菜のおかげで元気になれたよ。ありがとね」と笑顔で言った。その顔は健康そのものだった。
「私は姉として当然のことをしただけだよ」
と照れながら言う。
「私は良いお姉ちゃんに恵まれて幸せだよ」
と陽菜は言う。
「そうよ。私は良いお姉ちゃんなの。だからこれからはお姉さまとお呼びなさい」
私は偉そうに言う。もちろん冗談で。
「お姉さま」
「やっぱりやめて。恥ずかしい」
私は恥ずかしがる。
陽菜は笑う。
私も笑う。
そして夢が終わる。
私がそんな幸福な夢を見ているとき、妹は苦しんでいたのだ。骨髄移植の失敗のせいで苦しみのどん底にいたのだ。苦しんで苦しんで苦しんで・・・そして妹は死んでいったのだ。
一週間ぶりに会った妹は冷たくなっていた。どれだけ話しかけても何も言ってくれなかった。光くんの話をしても笑顔を浮かべてくれなかった。私は泣いた。泣き続けた。泣いても泣いても涙が溢れてきた。
私は思った。
『私のせいで妹は死んだのだ。本来は私が白血病になって死ぬはずだった。でも私は死ぬのが嫌だった。だから妹の病気を移したのだ。自分が生き残るために妹に移したのだ。でも骨髄移植が成功してしまったら私が病気になってしまう。だから私は骨髄移植が失敗するように願ったのだ。心のどこかで。だから妹は不適合を起こして死んでしまったんだ』
私はそう思った。そう思えば思うほどにそれが真実に思えた。
激しい罪悪感に襲われた。死んでしまいたいと思った。
父は言った。「里菜。自分を責めては駄目だよ。そんなことをしたらお母さんが悲しむ。お母さんにはね、双子の姉妹の友達がいたんだ。あるとき双子の妹が白血病になった。姉はドナーになり、妹に骨髄を提供した。でも妹は死んでしまった。姉は自分のことを責めた。責めて続けた。そして自殺してしまった。お母さんはその友達を助けられなかったことをずっと後悔しているんだ。だから里菜がその友達と同じように自分を責めたらお母さんはすごく悲しむ。だから自分を責めないでほしいんだ」
私の中で母が頑ななまでに私の骨髄提供に反対していた理由が氷解した。誰だって自分の親友の死の原因になった骨髄提供を自分の娘にやらせたいと思うわけがない。
「里菜」母は私を抱きしめる。「里菜は悪くないよ。里菜が悪かったら私の友達も悪いことになってしまう。私の友達は悪くなかった。危険を承知で妹に骨髄提供をした良い友達なの。里菜のように良い子だったの。だからその友達は悪くないの。だから里菜も悪くないの。全然悪くないの。だから自分を責めては駄目よ」
・・・私は自分を責めた。私が悪いとしか思えなかったからだ。責めてはいけないと思った。でも自分が悪いと思っている私には責めることをやめることができなかった。
自分を責め続ける日々は辛くて死にたくなった。でも死ぬわけにはいかなかった。私が死ねば両親を悲しませてしまうからだ。だから私は生きなければならなかった。
でも、罪悪感を抱えて生きるのは辛かった。何をしていても罪悪感を感じた。ご飯を食べているときも罪悪感を感じたし、友達と話しているときも罪悪感を感じたし、授業を受けているときも罪悪感を感じたし、遠足のときも罪悪感を感じた。
そのたびに泣きそうになる。でも私は泣くのを我慢する。泣く資格は私にはないと思っていたからだ。泣いて楽になるなんて許されないと思っていたからだ。だから泣くのを我慢し続けた。我慢は辛かった。死んでしまいたいと思うほどに。
でも死ねない。両親は私を大切に思ってくれている。特に母は妹が死んだあとに過保護なまでに私を大切にしてくれている。私が死ねば母は壊れてしまうかもしれない。
だから私は生きた。生き続けた。
でも生きれば生きるほど生きる気力を失っていった。
やがて私は妹の夢を見るようになる。
その夢の中で私は妹を探している。
妹がどこにいるのかわからない。でも妹の気配を感じる。だから私は必死で探し続けた。
でも見つからない。
そんな夢を何度も見た。見るたびに妹に近づいている気がした。
だから私は必死で探した。夢の中で必死で妹を探し続けた。
そして私は妹を見つけることに成功した。
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