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いつ告白の強制イベントが始まるのか・・・という不安に苛まれる日々が続いた。
その間、先輩が自殺してしまう夢を何度も見た。見れば見るほどそれが現実になる気がした。僕は祈るような気持ちでイベントが始まるのを待った。
イベントは唐突に始まった。日曜日。自宅にいるとき、ふいに強制力に襲われた。体が勝手に動き出し、勝手に杉浦さんの自宅に向かって歩き出し、勝手に杉浦さんの自宅のインターホンを押し、勝手に外に出てきた杉浦さんに告白を始めた。
「ずっと杉浦さんのことが好きだったんです。よかったら付き合ってください」
とベタなセリフを強制される。
杉浦さんは少し考えた後に「ごめんなさい」と言った。
「鮎川くんのこと好きだけど、友達以上の関係になりたいとは思えないの。だからごめんなさい」
と申し訳なさそうに言う杉浦さん。
フラれた。僕はフラれたのだ。ほっとする。憧れの杉浦さんにフラレてほっする自分に心の中で笑ってしまう。
「ううん。いいよ。気にしないで。ごめんね。迷惑かけて」
「ううん」
「じゃあね」
僕はその場を後にする。
心が軽くなっていた。
これで何の憂いもなく、里菜先輩と付き合うことができると思うと嬉しかった。今すぐ里菜先輩のところに行ってフラれたことを報告したかった。
でもフラレてすぐに里菜先輩と付き合い始めるのは杉浦さんに失礼な気がした。
でも僕は今すぐにでも里菜先輩と付き合い始めたかった。それくらい里菜先輩のことが好きだった。
僕が浮かれ気分で住宅地の道路を歩いているときだった。「光くん」と声をかけられたのは。
見ると里菜先輩がいた。
「先輩」
「光くん、フラレちゃったんだね」
「どうして知ってるんですか?」
「見てたの。光くんがフラれるところを。私ね、光くんに会いたくて光くんのお家に行ったの。そして光くんがお家から出ていくのを見掛けたの。私は光くんの後をつけたの。どこ行くのか気になったから・・・光くんは杉浦さんの自宅の前に立ち止まった。そして杉浦さんに告白した。全部隠れて見てたの」
「そうだったんですか」
「うん。ごめんね」
「いいですよ。別に」
「光くんは優しいね」
里菜先輩は笑う。
「僕は優しくないです。先輩を好きなのに、杉浦さんに告白するような男なんですから」
「でも私に申し訳ないって思ってくれていたんだよね?」
「はい」
「それは光くんが優しい証拠だよ。そんな優しい光くんが私は大好きなの。ずっとね」
「先輩」
「陽菜って呼んでほしいな」
今は陽菜だったのか。美晴先輩は里菜の様子を見てどちらかわかるらしいが、僕にはわからない。だから僕は「先輩」と呼んでいた。そのほうが間違わずにすむと思ったからだ。
「光くんには名前で呼んでほしいの。ずっと名前で呼んでほしいと思っていたから」
「わかりました。先輩のこと名前で呼ばせていただきます」
「うん。じゃあ、呼んでみて」
「はい。陽菜」
「もう一度?」
「陽菜」
「ああ、幸せ・・・光くん、私、今、すごく幸せだよ」
「僕も幸せです」
「フラれたばかりなのに?」
「はい。フラれたばかりなのにです。だって僕は陽菜のことが好きだから」
「告白したいくらい好き?」
「好きです」
「じゃあ、告白して」
「陽菜、僕は陽菜のことが好きです。だから僕と付き合ってください」
「はい」
里菜先輩は嬉しそうにうなずいた。
「嬉しいです」
「私も嬉しいわ。キスしたいくらいに」
先輩は僕の目をじっと見つめる。僕も先輩の目をじっと見つめる。
里菜先輩がそっと目を閉じる。僕は顔を近づけ、里菜先輩の小さな唇に唇を重ねた。
幸せだった。本当に幸せだった。大好きな女性とキスすることがこんなにも幸せな気持ちになれるなんて初めて知った。
永遠とも思える幸福の中で僕は里菜先輩とキスを続けた。
その間、先輩が自殺してしまう夢を何度も見た。見れば見るほどそれが現実になる気がした。僕は祈るような気持ちでイベントが始まるのを待った。
イベントは唐突に始まった。日曜日。自宅にいるとき、ふいに強制力に襲われた。体が勝手に動き出し、勝手に杉浦さんの自宅に向かって歩き出し、勝手に杉浦さんの自宅のインターホンを押し、勝手に外に出てきた杉浦さんに告白を始めた。
「ずっと杉浦さんのことが好きだったんです。よかったら付き合ってください」
とベタなセリフを強制される。
杉浦さんは少し考えた後に「ごめんなさい」と言った。
「鮎川くんのこと好きだけど、友達以上の関係になりたいとは思えないの。だからごめんなさい」
と申し訳なさそうに言う杉浦さん。
フラれた。僕はフラれたのだ。ほっとする。憧れの杉浦さんにフラレてほっする自分に心の中で笑ってしまう。
「ううん。いいよ。気にしないで。ごめんね。迷惑かけて」
「ううん」
「じゃあね」
僕はその場を後にする。
心が軽くなっていた。
これで何の憂いもなく、里菜先輩と付き合うことができると思うと嬉しかった。今すぐ里菜先輩のところに行ってフラれたことを報告したかった。
でもフラレてすぐに里菜先輩と付き合い始めるのは杉浦さんに失礼な気がした。
でも僕は今すぐにでも里菜先輩と付き合い始めたかった。それくらい里菜先輩のことが好きだった。
僕が浮かれ気分で住宅地の道路を歩いているときだった。「光くん」と声をかけられたのは。
見ると里菜先輩がいた。
「先輩」
「光くん、フラレちゃったんだね」
「どうして知ってるんですか?」
「見てたの。光くんがフラれるところを。私ね、光くんに会いたくて光くんのお家に行ったの。そして光くんがお家から出ていくのを見掛けたの。私は光くんの後をつけたの。どこ行くのか気になったから・・・光くんは杉浦さんの自宅の前に立ち止まった。そして杉浦さんに告白した。全部隠れて見てたの」
「そうだったんですか」
「うん。ごめんね」
「いいですよ。別に」
「光くんは優しいね」
里菜先輩は笑う。
「僕は優しくないです。先輩を好きなのに、杉浦さんに告白するような男なんですから」
「でも私に申し訳ないって思ってくれていたんだよね?」
「はい」
「それは光くんが優しい証拠だよ。そんな優しい光くんが私は大好きなの。ずっとね」
「先輩」
「陽菜って呼んでほしいな」
今は陽菜だったのか。美晴先輩は里菜の様子を見てどちらかわかるらしいが、僕にはわからない。だから僕は「先輩」と呼んでいた。そのほうが間違わずにすむと思ったからだ。
「光くんには名前で呼んでほしいの。ずっと名前で呼んでほしいと思っていたから」
「わかりました。先輩のこと名前で呼ばせていただきます」
「うん。じゃあ、呼んでみて」
「はい。陽菜」
「もう一度?」
「陽菜」
「ああ、幸せ・・・光くん、私、今、すごく幸せだよ」
「僕も幸せです」
「フラれたばかりなのに?」
「はい。フラれたばかりなのにです。だって僕は陽菜のことが好きだから」
「告白したいくらい好き?」
「好きです」
「じゃあ、告白して」
「陽菜、僕は陽菜のことが好きです。だから僕と付き合ってください」
「はい」
里菜先輩は嬉しそうにうなずいた。
「嬉しいです」
「私も嬉しいわ。キスしたいくらいに」
先輩は僕の目をじっと見つめる。僕も先輩の目をじっと見つめる。
里菜先輩がそっと目を閉じる。僕は顔を近づけ、里菜先輩の小さな唇に唇を重ねた。
幸せだった。本当に幸せだった。大好きな女性とキスすることがこんなにも幸せな気持ちになれるなんて初めて知った。
永遠とも思える幸福の中で僕は里菜先輩とキスを続けた。
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