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その夜、また里菜先輩が自殺する夢を見た。
僕は里菜先輩と付き合うことができた。恋人同士になることができた。相思相愛になることができた。それなのになぜ里菜先輩が自殺する夢を見るのか?わからなかった。
次の日、校門付近で里菜先輩に会う。
「光くん、おはよう」
「おはようございます。陽菜先輩」
学校内では◯◯先輩と呼ぶことにしたのだ。
陽菜は笑顔を浮かべる。
里菜先輩の中には「里菜」と「陽菜」の人格がある。残念ながら僕には今日の里菜がどちらなのかわからない。
では、今、なぜ僕は迷わず陽菜先輩と呼ぶことができたのか?理由は簡単だ。毎朝、里菜の母親に今日の里菜はどちらなのかメールで教えてもらっているのだ。だから迷わず呼ぶことができたのだ。
早く見分けがつくようになりたいと思う。いや、できるならずっと里菜先輩でいてほしいと思う。だって今、目の前にいる肉体の持ち主は里菜なのだから。
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
ずっと陽菜の日が続いた。ここ最近、里菜が現れない。
最後に里菜が現れたのはいつだろう?思い出せない。初めてのキスをしたときは陽菜だった。あの日からずっと陽菜しか現れてない。僕と会っていないときには里菜が現れているのだろうか?
放課後、里菜先輩とマックに寄る。
目の前でマックのハンバーガーを美味しそうに食べている女の子は里菜先輩だ。でも彼女は自分を陽菜だと思っている。だから僕は彼女を陽菜と呼ぶ。違和感を感じる。当然だ。彼女は里菜なのだから。陽菜ではないのだから。
里菜に会いたいと思う。里菜と呼びたいと思う。でも今は呼べない。今、目の前にいる女の子は「陽菜」だから。
その夜、再び里菜が自殺する夢を見る。選択肢によって見せられた里菜の自殺シーン。夢で何度も見せられたシーン。今も夢で見せられているシーン。
その夢から覚めたとき、僕の中にある考えが生じていた。
『里菜の人格は死んでしまったのではないか。だから里菜の人格は現れなくなったのではないか。だから陽菜しか現れなくなったのではないか』という考えだった。
僕はその考えを否定する。そんなわけない。里菜の人格が死ぬわけない。里菜が自殺するシーンを思い出す。頭を激しく振る。でも一度生じた不吉な考えを消すことはできなかった。
次の日も「陽菜」だった。不安が増す。不安を抱えながら学校生活を送る。
放課後、寄り道せずに自宅に帰る。自宅前まで来たとき、自宅前の歩道に誰かいるのが見えた。美晴先輩だった。
「美晴先輩、どうしたんですか?」
「鮎川くんに話があって待っていたの」
「僕に話?」
「ええ。里菜のことよ」
「家に上がってください」
「ううん。ここでいいわ」
「・・・」
「鮎川くんも気づいてるわよね。ずっと陽菜だってことに」
「はい。少なくとも僕の前ではずっと陽菜でした」
「私の前でもそうよ。ずっと陽菜なの。そして里菜のご両親の前でもずっと陽菜なの」
ずっと陽菜・・・不安がさらに増す。里菜の自殺シーンを思い出す。
「里菜の人格交代はね、基本的には一日交代なの。夜ふかししたときや眠れなかったときは多少交代までの時間は伸びるけど、ほとんどの場合は一日交代なの。夜眠って朝起きれば違う人格になっているの。今の里菜みたいに同じ人格が長く続くことはなかったの」
僕はどう反応していいかわからない。
「里菜のご家族は不安を感じてる。私も不安を感じてる。里菜が消えてしまったのではないかという不安をね」
「・・・まだそうと決まったわけじゃないですよね?」
「そうね。でもそれが真実かもしれない。もし、真実だった場合、あなたはどうするの?」
「どうするって・・・」
「あの子は里菜なの。でも陽菜だと思っている。もし真実だった場合、あの子は一生陽菜と思い続けて生きていくことになる。あなたはその事実に耐えられる?里菜なのに陽菜と思っている女の子と付き合い続けられる?」
「・・・」
「前にも言ったけど、里菜には里菜の人生があり、あなたにはあなたの人生がある。だから無理して里菜と付き合い続ける必要はないわ」
「でも僕は里菜のことが好きなんです」
「でも今のあの子は陽菜なのよ。一生陽菜かもしれないのよ」
「それでもあの女性は里菜です。間違えなく僕の好きな里菜です」
「その好きな女性を一生陽菜と呼び続けなければいけないかもしれないのよ。死んだ妹の名前を呼び続けなければいけないかもしれないのよ」
「それでも僕は里菜が好きなんです。だからずっと一緒にいたいんです」
「辛い人生になるかもしれないわよ」
「それでもいいです」
「でもあなたが辛い人生を送るのは里菜も陽菜も望んでいないと思うわ」
「それでも里菜と一緒にいたいです」
「・・・わかった。好きにしなさい」
「はい」
「・・・仮定の話をしましょう。里菜が消えてしまったと仮定して、あなたはどうして里菜は消えてしまったと思う?」
「・・・わかりません」
「陽菜はあなたの恋人になることを夢見ていた。里菜はその夢を叶えてあげたいと思っていたんだと思う。心のどこかでね。里菜はその夢を叶えることができた。それで里菜は自分の役目は終わったと思って消えたんじゃないかって・・・私は思う」
そんな・・・僕は里菜のことを好きになったのに。選択肢によって陽菜の過去を見たときに陽菜に対して抱いた感情は妹に抱くような感情だった。決して恋愛感情ではなかった。僕が恋愛感情を抱いたのは里菜なのだ。陽菜ではない。陽菜には申し訳ないけれど、それが事実なのだ。
「あくまでもこれは私の持論よ。真実かどうかわからないわ。それにまだ里菜が消えたと決まったわけじゃないしね」
「美晴先輩は冷静ですね」
「そう見える?」
「はい」
「私はどんな里菜でも受け入れる覚悟があるからね。ずっとあの里菜と付き合ってきたんだもの。当然でしょ」
「そうですね」
「でも、私だって平気なわけじゃない。できるなら里菜に戻ってほしい。私の知ってる里菜にね」
・・・美晴先輩は本当の里菜と一緒に過ごした時間が長いのだ。僕以上に里菜に元に戻ってほしいという気持ちが強いに決まっている。
「僕と親密になればなるほど本当の里菜に戻るのは難しくなる気がするんです」
「それはわからないわ」
「僕は怖いです。僕のせいで里菜が消えてしまうかもしれないと思うと」
「私も怖いわ。でもあなたと出会ってからの里菜は本当に幸せそうだった。だからね、あなたと親密になったからといって里菜は消えたりしないと思うの。だって好きな人を残して里菜が消えたりするとは思えないから。残された人の辛さを里菜はよく知っているはずだからね」
そう言われるとそんな気がしてくる。
「もちろん、これも私の自論だけどね」
「僕は美晴先輩の自論が正しい気がします」
「私もよ」
美晴先輩のおかげで少しだけ心が軽くなった気がした。
でも里菜の自殺シーンを思い出すと心が重くなる。あの自殺シーンは里菜の人格の死を意味しているのではないかと思ってしまう。どれだけ否定してもその考えが消えることはなかった。
僕は里菜先輩と付き合うことができた。恋人同士になることができた。相思相愛になることができた。それなのになぜ里菜先輩が自殺する夢を見るのか?わからなかった。
次の日、校門付近で里菜先輩に会う。
「光くん、おはよう」
「おはようございます。陽菜先輩」
学校内では◯◯先輩と呼ぶことにしたのだ。
陽菜は笑顔を浮かべる。
里菜先輩の中には「里菜」と「陽菜」の人格がある。残念ながら僕には今日の里菜がどちらなのかわからない。
では、今、なぜ僕は迷わず陽菜先輩と呼ぶことができたのか?理由は簡単だ。毎朝、里菜の母親に今日の里菜はどちらなのかメールで教えてもらっているのだ。だから迷わず呼ぶことができたのだ。
早く見分けがつくようになりたいと思う。いや、できるならずっと里菜先輩でいてほしいと思う。だって今、目の前にいる肉体の持ち主は里菜なのだから。
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
次の日の朝。里菜の母親からメールが来た。メール内容『今日は陽菜』
ずっと陽菜の日が続いた。ここ最近、里菜が現れない。
最後に里菜が現れたのはいつだろう?思い出せない。初めてのキスをしたときは陽菜だった。あの日からずっと陽菜しか現れてない。僕と会っていないときには里菜が現れているのだろうか?
放課後、里菜先輩とマックに寄る。
目の前でマックのハンバーガーを美味しそうに食べている女の子は里菜先輩だ。でも彼女は自分を陽菜だと思っている。だから僕は彼女を陽菜と呼ぶ。違和感を感じる。当然だ。彼女は里菜なのだから。陽菜ではないのだから。
里菜に会いたいと思う。里菜と呼びたいと思う。でも今は呼べない。今、目の前にいる女の子は「陽菜」だから。
その夜、再び里菜が自殺する夢を見る。選択肢によって見せられた里菜の自殺シーン。夢で何度も見せられたシーン。今も夢で見せられているシーン。
その夢から覚めたとき、僕の中にある考えが生じていた。
『里菜の人格は死んでしまったのではないか。だから里菜の人格は現れなくなったのではないか。だから陽菜しか現れなくなったのではないか』という考えだった。
僕はその考えを否定する。そんなわけない。里菜の人格が死ぬわけない。里菜が自殺するシーンを思い出す。頭を激しく振る。でも一度生じた不吉な考えを消すことはできなかった。
次の日も「陽菜」だった。不安が増す。不安を抱えながら学校生活を送る。
放課後、寄り道せずに自宅に帰る。自宅前まで来たとき、自宅前の歩道に誰かいるのが見えた。美晴先輩だった。
「美晴先輩、どうしたんですか?」
「鮎川くんに話があって待っていたの」
「僕に話?」
「ええ。里菜のことよ」
「家に上がってください」
「ううん。ここでいいわ」
「・・・」
「鮎川くんも気づいてるわよね。ずっと陽菜だってことに」
「はい。少なくとも僕の前ではずっと陽菜でした」
「私の前でもそうよ。ずっと陽菜なの。そして里菜のご両親の前でもずっと陽菜なの」
ずっと陽菜・・・不安がさらに増す。里菜の自殺シーンを思い出す。
「里菜の人格交代はね、基本的には一日交代なの。夜ふかししたときや眠れなかったときは多少交代までの時間は伸びるけど、ほとんどの場合は一日交代なの。夜眠って朝起きれば違う人格になっているの。今の里菜みたいに同じ人格が長く続くことはなかったの」
僕はどう反応していいかわからない。
「里菜のご家族は不安を感じてる。私も不安を感じてる。里菜が消えてしまったのではないかという不安をね」
「・・・まだそうと決まったわけじゃないですよね?」
「そうね。でもそれが真実かもしれない。もし、真実だった場合、あなたはどうするの?」
「どうするって・・・」
「あの子は里菜なの。でも陽菜だと思っている。もし真実だった場合、あの子は一生陽菜と思い続けて生きていくことになる。あなたはその事実に耐えられる?里菜なのに陽菜と思っている女の子と付き合い続けられる?」
「・・・」
「前にも言ったけど、里菜には里菜の人生があり、あなたにはあなたの人生がある。だから無理して里菜と付き合い続ける必要はないわ」
「でも僕は里菜のことが好きなんです」
「でも今のあの子は陽菜なのよ。一生陽菜かもしれないのよ」
「それでもあの女性は里菜です。間違えなく僕の好きな里菜です」
「その好きな女性を一生陽菜と呼び続けなければいけないかもしれないのよ。死んだ妹の名前を呼び続けなければいけないかもしれないのよ」
「それでも僕は里菜が好きなんです。だからずっと一緒にいたいんです」
「辛い人生になるかもしれないわよ」
「それでもいいです」
「でもあなたが辛い人生を送るのは里菜も陽菜も望んでいないと思うわ」
「それでも里菜と一緒にいたいです」
「・・・わかった。好きにしなさい」
「はい」
「・・・仮定の話をしましょう。里菜が消えてしまったと仮定して、あなたはどうして里菜は消えてしまったと思う?」
「・・・わかりません」
「陽菜はあなたの恋人になることを夢見ていた。里菜はその夢を叶えてあげたいと思っていたんだと思う。心のどこかでね。里菜はその夢を叶えることができた。それで里菜は自分の役目は終わったと思って消えたんじゃないかって・・・私は思う」
そんな・・・僕は里菜のことを好きになったのに。選択肢によって陽菜の過去を見たときに陽菜に対して抱いた感情は妹に抱くような感情だった。決して恋愛感情ではなかった。僕が恋愛感情を抱いたのは里菜なのだ。陽菜ではない。陽菜には申し訳ないけれど、それが事実なのだ。
「あくまでもこれは私の持論よ。真実かどうかわからないわ。それにまだ里菜が消えたと決まったわけじゃないしね」
「美晴先輩は冷静ですね」
「そう見える?」
「はい」
「私はどんな里菜でも受け入れる覚悟があるからね。ずっとあの里菜と付き合ってきたんだもの。当然でしょ」
「そうですね」
「でも、私だって平気なわけじゃない。できるなら里菜に戻ってほしい。私の知ってる里菜にね」
・・・美晴先輩は本当の里菜と一緒に過ごした時間が長いのだ。僕以上に里菜に元に戻ってほしいという気持ちが強いに決まっている。
「僕と親密になればなるほど本当の里菜に戻るのは難しくなる気がするんです」
「それはわからないわ」
「僕は怖いです。僕のせいで里菜が消えてしまうかもしれないと思うと」
「私も怖いわ。でもあなたと出会ってからの里菜は本当に幸せそうだった。だからね、あなたと親密になったからといって里菜は消えたりしないと思うの。だって好きな人を残して里菜が消えたりするとは思えないから。残された人の辛さを里菜はよく知っているはずだからね」
そう言われるとそんな気がしてくる。
「もちろん、これも私の自論だけどね」
「僕は美晴先輩の自論が正しい気がします」
「私もよ」
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