【R18】選択肢のある世界 ~エッチな選択肢は好きですか?~

赤い翼

文字の大きさ
34 / 39

34

自宅に着く。玄関のドアを開ける。靴脱場の後ろに母が立っていた。

「おかえりなさい」

「ただいま」

「優香ちゃん。ひさしぶりね」

「お久しぶりです」

二人は面識があるようだ。

僕たちはリビングに移動する。

僕はソファーに座る。

テーブルの両サイドにソファーが置かれている。僕の正面に母が座る。僕の隣に優香が座る。

「光。優香ちゃんの言うとおり、あなたには双子の兄弟がいるの。他人の空似ではなく、正真正銘の双子よ」

「DNA検査したの?」

「ええ。ごめんね。光に何も言わずに検査して。でも私はどうしても知りたかったの」

「別にいいよ。優香ちゃんの兄も僕と同じ名前なんだね」

「ええ。偶然よ。優香ちゃんのご両親と私達夫婦は偶然、自分の息子に光って名付けたの。名前わからなかったからね。なんの手がかりもない状態で置き去りにされていたのよ」

「そうなんだ。すごい偶然だね。拾ってくれた夫婦の名字がどちらも鮎川で、どちらの夫婦も拾った子供に光って名前を付けるなんて」
僕は薄く笑いながら言う。

「そうね」母がうなずく。「光に兄弟がいると知ることができたのは、優香ちゃんのおかげなの」

優香がうなずく。「小学生のとき、光さんを偶然、見掛けたんです。そのとき兄も一緒にいたんです。それで私と兄は母に聞いたんです。母は兄は自宅前に置き去りにされていたと答えました。それで母は陽子さんに連絡したんです」

陽子とは僕の母の名前だ。

「兄が言ったんです。あの人は僕の兄弟だって。だから母は連絡したんです」
優香は申し訳なさそうに言う。

「電話がかかってきたときは驚いたし、信じられなかった。光に同姓同名に兄弟がいるなんて簡単には信じられなかった。でも光くんに出会って、ああこの子は光の兄弟だって思ったわ。感覚的にそれがわかってしまったの」

「・・・どうして僕に双子の兄弟がいることを黙っていたの?」

「光くんに言わないでほしいと言われたの。僕の存在を知らないほうがいい。知れば息子さんが不幸になる気がするんです。だから言わないでほしい。そう言われたの。真剣な顔でね」

「兄はたぶん自分が将来病気になることを予感していたんだと思います」優香は言う。「それで光くんに迷惑をかけてしまう。だから知らないほうがいいって言ったんだと思います」

「そうかもしれないわね」

そんな未来予知みたいな能力があるわけないと否定できない。いくつもの非現実な経験をしてきた僕には否定できない。

「お兄ちゃんは私に絶対に光くんに連絡してはいけないって言ったんです。でも私はお兄ちゃんを助けたかった。光くんならお兄ちゃんを絶対助けられると思った。だから光くんに会いにきたんです。すいません。迷惑かけて」

「家族なら当然のことよ。私だって光が病気になったら優香ちゃんと同じ行動をすると思うわ」

「・・・」
優香が泣きそうな顔になる。

「光。どうするか決めるのはあなたよ。できるなら光くんを助けてあげてほしい。でも私はそれを強制しない。私は光が正しい道を選べると信じているからね」

「・・・僕には正しい道を選ぶ力なんてないよ。ドナーになることが正しいかもわからない」

里菜は妹のためにドナーになって骨髄を提供した。その結果、妹を失った。それを知っている僕には兄弟のドナーになることが正しいとは思えなかった。もしかしたら陽菜のように死んでしまうかもしれない。自分のせいで誰かが死ぬ・・・考えただけでも怖くなる。

母と優香に言いたかった。双子間の骨髄移植でも失敗することがあるという事実を。でもその事実を言うことが正しいのかどうかもわからない。僕には正しい道を選ぶ力なんてないと改めて思った。

「少し考えさせてくれないか?」
僕は疲れていた。何も考えたくないと思うほどに。

「わかったわ」

僕は部屋に行く。ベットに仰向けになる。すごく疲れている。眠りたいと思う。でも神経が高ぶっていて眠れそうにない。いろんな情報が頭の中を飛び交っている感じがして落ち着かない。何もする気がしない。なのに何かしなければ!という焦りを感じる。

そのとき、スマホが鳴った。画面を見る。里菜からだった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858