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里菜は自室にいた。ベットの中にいる。仰向けに寝ている。パジャマ姿で。
「光くん、来てくれてありがとう」
「うん」
「ねえ、光くん。お願いがあるの」
「何?」
「私の隣に寝てほしいの」
「・・・」
「変なことはしないから。だからお願い」
「・・・わかったよ」
「ありがと」
僕は里菜の隣に寝た。
「ああ光くんのぬくもりを感じる。温かい。ずっとこのぬくもりを感じていたいよ」
「・・・」
「光くんには重荷だよね。わかってる。でも私はそれを望んでしまうの。どうしても望んでしまうの」
「うん」
「里菜って女の子は私のように重くない女の子なんだよね?」
どう答えていいかわからない。だって僕は陽菜がどんな女の子だったか知らないのだから。
「ごめんね。重い女の子で。ごめんね」
里菜は静かに泣き始めた。
胸が痛い。痛くてたまらない。くそっ。
「陽菜・・・話があるんだ」
「何?」
「僕には双子の兄弟がいたんだ」
「・・・」
「本当だ。今日それがわかったんだ。僕と同性同名の兄弟だね。信じられなかったよ。でも本当だった。母さんが教えてくれたんだ。僕には双子の兄弟がいるって」
「・・・」
「僕は捨て子だったんだ。鮎川家に拾われて育てられたんだ。兄弟も捨て子だった。そして別の鮎川家に拾われて育てられたんだ。小説みたいな話だろ。でも事実なんだ。今度、兄弟に会いに行くんだ。骨髄移植の話をするためにね。兄弟は白血病なんだ」
里菜は何も言わずに聞いている。僕は淡々と話し続ける。
「陽菜は子供の頃に僕に助けられたと言ったよね。でも僕はその記憶がなかった。単純に忘れてるだけだと思っていた。でも兄弟の存在を知った後、僕はこう思ったんだ。陽菜を助けたのは僕ではなく兄弟だったんじゃないかってね」
里菜はノーリアクションだ。
「だから陽菜にも僕の兄弟に会ってほしいんだ。そして自分の目で陽菜を助けてくれたのが誰なのかを確かめてほしいんだ」
「・・・わかった」
「ありがとう」
僕は子供の陽菜を助けたのは僕の兄弟ではないかと思っている。
僕は陽菜を助けた過去を思い出したわけではない。選択肢によって見せられたのだ。それを自分の記憶だと思い込んでしまった。
でも兄弟の存在を知り、僕は僕の記憶だと思い込んでいた過去は僕の兄弟ではないかと思うようになった。その可能性は高い気がした。普通なら子供の頃助けた女の子のことを忘れるわけないと思ったからだ。誰かを助ける行為はそれくらいのインパクトがある出来事だと思うからだ。
でも僕は微塵も覚えていなかった。里菜に初めて会ったとき既視感すら覚えなかった。それは里菜を助けたのは僕ではない証拠のように思えた。考えれば考えるほどそう思えた。
里菜に自宅に着く頃にはそれが真実ではないかと思えた。だから兄弟のことを里菜に話そうと思ったのだ。
里菜を幸せにしたい気持ちはある。でも陽菜を助けたのが僕ではなかった場合、僕にはその資格がない気がした。資格がないのに里菜と付き合い続けるのは間違っている気がした。
でもそれは言い訳かもしれないという思いもある。僕の中には里菜から離れたいという気持ちがある。その気持ちを満足させるために里菜に兄弟のことを話したのかもしれない。
そんな自分勝手さを正当化するために資格がないと考えているのかもしれない。そう考えると気が滅入った。兄弟の病気のことを考えるとさらに気が滅入った。
もし兄弟が陽菜の運命の人だった場合、里菜は白血病の男が好きな人ということになる。もしその男がすぐに死んでしまったら・・・それを考えると怖くなる。
それを考えると僕は間違ったことをしてしまった気になる。
どうするのが正解だったんだろう?
いくら考えてもわからなかった。
「光くん、来てくれてありがとう」
「うん」
「ねえ、光くん。お願いがあるの」
「何?」
「私の隣に寝てほしいの」
「・・・」
「変なことはしないから。だからお願い」
「・・・わかったよ」
「ありがと」
僕は里菜の隣に寝た。
「ああ光くんのぬくもりを感じる。温かい。ずっとこのぬくもりを感じていたいよ」
「・・・」
「光くんには重荷だよね。わかってる。でも私はそれを望んでしまうの。どうしても望んでしまうの」
「うん」
「里菜って女の子は私のように重くない女の子なんだよね?」
どう答えていいかわからない。だって僕は陽菜がどんな女の子だったか知らないのだから。
「ごめんね。重い女の子で。ごめんね」
里菜は静かに泣き始めた。
胸が痛い。痛くてたまらない。くそっ。
「陽菜・・・話があるんだ」
「何?」
「僕には双子の兄弟がいたんだ」
「・・・」
「本当だ。今日それがわかったんだ。僕と同性同名の兄弟だね。信じられなかったよ。でも本当だった。母さんが教えてくれたんだ。僕には双子の兄弟がいるって」
「・・・」
「僕は捨て子だったんだ。鮎川家に拾われて育てられたんだ。兄弟も捨て子だった。そして別の鮎川家に拾われて育てられたんだ。小説みたいな話だろ。でも事実なんだ。今度、兄弟に会いに行くんだ。骨髄移植の話をするためにね。兄弟は白血病なんだ」
里菜は何も言わずに聞いている。僕は淡々と話し続ける。
「陽菜は子供の頃に僕に助けられたと言ったよね。でも僕はその記憶がなかった。単純に忘れてるだけだと思っていた。でも兄弟の存在を知った後、僕はこう思ったんだ。陽菜を助けたのは僕ではなく兄弟だったんじゃないかってね」
里菜はノーリアクションだ。
「だから陽菜にも僕の兄弟に会ってほしいんだ。そして自分の目で陽菜を助けてくれたのが誰なのかを確かめてほしいんだ」
「・・・わかった」
「ありがとう」
僕は子供の陽菜を助けたのは僕の兄弟ではないかと思っている。
僕は陽菜を助けた過去を思い出したわけではない。選択肢によって見せられたのだ。それを自分の記憶だと思い込んでしまった。
でも兄弟の存在を知り、僕は僕の記憶だと思い込んでいた過去は僕の兄弟ではないかと思うようになった。その可能性は高い気がした。普通なら子供の頃助けた女の子のことを忘れるわけないと思ったからだ。誰かを助ける行為はそれくらいのインパクトがある出来事だと思うからだ。
でも僕は微塵も覚えていなかった。里菜に初めて会ったとき既視感すら覚えなかった。それは里菜を助けたのは僕ではない証拠のように思えた。考えれば考えるほどそう思えた。
里菜に自宅に着く頃にはそれが真実ではないかと思えた。だから兄弟のことを里菜に話そうと思ったのだ。
里菜を幸せにしたい気持ちはある。でも陽菜を助けたのが僕ではなかった場合、僕にはその資格がない気がした。資格がないのに里菜と付き合い続けるのは間違っている気がした。
でもそれは言い訳かもしれないという思いもある。僕の中には里菜から離れたいという気持ちがある。その気持ちを満足させるために里菜に兄弟のことを話したのかもしれない。
そんな自分勝手さを正当化するために資格がないと考えているのかもしれない。そう考えると気が滅入った。兄弟の病気のことを考えるとさらに気が滅入った。
もし兄弟が陽菜の運命の人だった場合、里菜は白血病の男が好きな人ということになる。もしその男がすぐに死んでしまったら・・・それを考えると怖くなる。
それを考えると僕は間違ったことをしてしまった気になる。
どうするのが正解だったんだろう?
いくら考えてもわからなかった。
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