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第五話「クライムアワー~都市伝説捜査譚~」
5-2.
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誠はいまだに思い出し笑いを続ける天子を連れて、話があるからと奥の方へ行った。残された駆人は、真紀奈に促され、積んである資材に腰掛ける。
改めて真紀奈を眺めるが、とてもロボットだという風には見えない。それほど精巧に作られているのか、はたまたかつがれているのか。
「さてさて。月岡さんが戻ってくるまでお話でもしてましょうか。なにか聞いておきたいこととかありますか?」
「じゃあ、真紀奈さん。怪奇現象犯罪対策課?っていうんですか。それってどういうものなんですか?」
「マキナ、でいいですよう。敬語もいらないです。その方が慣れてますから。それと、本当に知りたいのは私のことじゃないんですか~?」
実際のところはそっちの方を聞きたいのはやまやまだったが、やはり何となく聞きづらい。
「そうですね。でもマキナのことはおいおい分かるでしょうから。そっちの方ですね」
怪しげな笑顔からパッと表情が明るくなった。
「怪奇現象犯罪対策課……、皆さん略して『怪対課』なんても呼びますけど。怪対課のお仕事は、読んで字の如く、怪奇現象が関わる犯罪の捜査、また犯人の検挙が主なお仕事です。とは言っても事件が発覚したら、まずは普通の人たちが調べるんですけど。そこで何かしらのおかしなこと、超常的な痕跡が発見されたら、私たちにお声がかかるわけですねえ」
「怪奇現象犯罪って頻繁にあるの?組織だってあるってことは」
「いえいえ~。うちの課も五人しかいませんから、それで回る程度にしか起きませんよ」
大きな身振り手振りを交えながら快活に説明してくれる姿は、どこか可愛らしく、見ていて飽きない……。
しばらく話し込んでいると、誠が戻ってきた。
「待たせたな。それじゃあ、駆人君にも現場の方を見てもらおう」
「いいんですか」
「そのために呼んだんだからな。事件の概要についても説明しよう」
少し奥に移動すると、道路に携帯電話が落ちている。そのあたりには調べている人がつけた印がいくつかある。ここが現場なのだろうか。誠がこちらに向き直り概要を説明する。
「今回の事件は、一言で言えば失踪事件だな。行方不明者が出た。そこの携帯電話の持ち主だな」
「携帯電話を残して行方が分からなくなったんですね。でもそれなら単に誘拐事件とかたまたま落としただけってことも……」
「そうだ。つまりおかしな点がある訳だが……。真紀奈、頼む」
「はいな!ぴー」
真紀奈は元気よく手をあげて了承する。すると真紀奈の目が光り輝き、地面を青いような光で照らす。
「うわあ。なにそれ」
「えへへ~。マキナの機能の一つですよ。ほら、よく見てください」
促され照らされた部分を見ていると、何やら浮かび上がってくるものがある。これは……。
「足跡、ですか」
しかしその足跡は落ちている携帯電話のあたりで途切れているようだ。
「そうだ。ここで途切れている……。つまり被害者がここで消えているんだ」
「でも、足跡のつかない……、たとえば車とかで連れ去られたとか」
「それも当然あり得る。しかし、それならそれで痕跡が残るはずなんだ。まあ、一番の決め手は目撃情報なんだが……」
「はいな!」
真紀奈は肩にかけたポーチから手帳を取り出しめくる。そこはロボットらしく、内部に記録してあるとかではないらしい。
「ええとですねえ。通行人の証言ですが、『被害者とすれ違って、物を落とす音がしたから振り返ったら消えていた』、とか。近隣住民の話では『電話で話しているような声が突然途切れた』、みたいな話もあるんです」
「……、急に消えた?」
「そうなりますねえ。ケータイの最終着信もその消えたと思われる時間と一致していますから」
携帯電話で通話中の人間が、その携帯電話を残して消え去る。まさに怪奇事件だ。
「更にだ。同様の事件がここ数日で何件も起きている。この近辺でな」
「すべて今回と同じように、通話中に行方が分からなくなっているということから、電話の怪異、それも都市伝説だ。という結論に至ったわけなんです」
「その通話の発信元とかは分からないんですか?」
「特定は済んでいる。ここからが君たちに手伝ってもらいたいところだ」
誠が地図を広げる。この近辺のものだ。いくつか書き込みがなされている。
「ここの印の所を見てくれ」
指し示す先には、赤い丸印が二カ所につけられている。
「ここに何があるんですか?」
「電話ボックスだ。どうやら全ての事件において、被害者のケータイにはこの二つの公衆電話から電話が掛けられているようなんだ」
「そこで電話をかける犯人を捕まえるんですね」
「そうだ。二カ所あるから一方を君と天子様が、もう一方を俺と真紀奈が見張る。もしも都市伝説が現れたら、捕まえてくれ」
「……責任重大ですね」
「大丈夫ですよ~。天子様はこういう事件にも慣れていますからね」
天子はあれでプロの怪奇ハンターだ。と、名前が出て気づくが、天子の姿が見えない。
「そういえば、天子様はどこにいるんですか?」
「ああ。あいつなら、さっき『必要なものがあるから買いに行ってくる』とか言ってどこかに行ったぞ」
「今カルトさんにした説明は昨日のうちにしてますから、その辺は大丈夫だと思いますけどね~」
さらに細かい説明を受けているうちにビニール袋を手に下げた天子が輪の中に入ってきた。
「帰ったぞ。カルトへの説明は済んだか?」
「あ、天子様。必要なものってなんだったんですか?」
「アンパンと牛乳じゃ!張り込みには必需品じゃろう」
なるほど。慣れている……、のか?
改めて真紀奈を眺めるが、とてもロボットだという風には見えない。それほど精巧に作られているのか、はたまたかつがれているのか。
「さてさて。月岡さんが戻ってくるまでお話でもしてましょうか。なにか聞いておきたいこととかありますか?」
「じゃあ、真紀奈さん。怪奇現象犯罪対策課?っていうんですか。それってどういうものなんですか?」
「マキナ、でいいですよう。敬語もいらないです。その方が慣れてますから。それと、本当に知りたいのは私のことじゃないんですか~?」
実際のところはそっちの方を聞きたいのはやまやまだったが、やはり何となく聞きづらい。
「そうですね。でもマキナのことはおいおい分かるでしょうから。そっちの方ですね」
怪しげな笑顔からパッと表情が明るくなった。
「怪奇現象犯罪対策課……、皆さん略して『怪対課』なんても呼びますけど。怪対課のお仕事は、読んで字の如く、怪奇現象が関わる犯罪の捜査、また犯人の検挙が主なお仕事です。とは言っても事件が発覚したら、まずは普通の人たちが調べるんですけど。そこで何かしらのおかしなこと、超常的な痕跡が発見されたら、私たちにお声がかかるわけですねえ」
「怪奇現象犯罪って頻繁にあるの?組織だってあるってことは」
「いえいえ~。うちの課も五人しかいませんから、それで回る程度にしか起きませんよ」
大きな身振り手振りを交えながら快活に説明してくれる姿は、どこか可愛らしく、見ていて飽きない……。
しばらく話し込んでいると、誠が戻ってきた。
「待たせたな。それじゃあ、駆人君にも現場の方を見てもらおう」
「いいんですか」
「そのために呼んだんだからな。事件の概要についても説明しよう」
少し奥に移動すると、道路に携帯電話が落ちている。そのあたりには調べている人がつけた印がいくつかある。ここが現場なのだろうか。誠がこちらに向き直り概要を説明する。
「今回の事件は、一言で言えば失踪事件だな。行方不明者が出た。そこの携帯電話の持ち主だな」
「携帯電話を残して行方が分からなくなったんですね。でもそれなら単に誘拐事件とかたまたま落としただけってことも……」
「そうだ。つまりおかしな点がある訳だが……。真紀奈、頼む」
「はいな!ぴー」
真紀奈は元気よく手をあげて了承する。すると真紀奈の目が光り輝き、地面を青いような光で照らす。
「うわあ。なにそれ」
「えへへ~。マキナの機能の一つですよ。ほら、よく見てください」
促され照らされた部分を見ていると、何やら浮かび上がってくるものがある。これは……。
「足跡、ですか」
しかしその足跡は落ちている携帯電話のあたりで途切れているようだ。
「そうだ。ここで途切れている……。つまり被害者がここで消えているんだ」
「でも、足跡のつかない……、たとえば車とかで連れ去られたとか」
「それも当然あり得る。しかし、それならそれで痕跡が残るはずなんだ。まあ、一番の決め手は目撃情報なんだが……」
「はいな!」
真紀奈は肩にかけたポーチから手帳を取り出しめくる。そこはロボットらしく、内部に記録してあるとかではないらしい。
「ええとですねえ。通行人の証言ですが、『被害者とすれ違って、物を落とす音がしたから振り返ったら消えていた』、とか。近隣住民の話では『電話で話しているような声が突然途切れた』、みたいな話もあるんです」
「……、急に消えた?」
「そうなりますねえ。ケータイの最終着信もその消えたと思われる時間と一致していますから」
携帯電話で通話中の人間が、その携帯電話を残して消え去る。まさに怪奇事件だ。
「更にだ。同様の事件がここ数日で何件も起きている。この近辺でな」
「すべて今回と同じように、通話中に行方が分からなくなっているということから、電話の怪異、それも都市伝説だ。という結論に至ったわけなんです」
「その通話の発信元とかは分からないんですか?」
「特定は済んでいる。ここからが君たちに手伝ってもらいたいところだ」
誠が地図を広げる。この近辺のものだ。いくつか書き込みがなされている。
「ここの印の所を見てくれ」
指し示す先には、赤い丸印が二カ所につけられている。
「ここに何があるんですか?」
「電話ボックスだ。どうやら全ての事件において、被害者のケータイにはこの二つの公衆電話から電話が掛けられているようなんだ」
「そこで電話をかける犯人を捕まえるんですね」
「そうだ。二カ所あるから一方を君と天子様が、もう一方を俺と真紀奈が見張る。もしも都市伝説が現れたら、捕まえてくれ」
「……責任重大ですね」
「大丈夫ですよ~。天子様はこういう事件にも慣れていますからね」
天子はあれでプロの怪奇ハンターだ。と、名前が出て気づくが、天子の姿が見えない。
「そういえば、天子様はどこにいるんですか?」
「ああ。あいつなら、さっき『必要なものがあるから買いに行ってくる』とか言ってどこかに行ったぞ」
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さらに細かい説明を受けているうちにビニール袋を手に下げた天子が輪の中に入ってきた。
「帰ったぞ。カルトへの説明は済んだか?」
「あ、天子様。必要なものってなんだったんですか?」
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なるほど。慣れている……、のか?
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