悪役令嬢の専属メイクさんになったアリスねーさんの話

美浪

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王子とデート?と卒業までカウントダウン

グレースちゃんが優しいの

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「ちょっと!ねーさん?!」
驚いたグレースちゃんに連れられてグレースちゃんの部屋に一緒に入った。

ドスッとソファに腰を落とした。
「グスグス・・・もう何が何だか。」
涙がぶわぶわっと溢れて流れる。

「ルーカス様に何か言われた?虐められた?何よお。ねーさん!」
グレースちゃんは隣に座り、私の背中を優しく摩って寄り添ってくれた。

「ううん。何もされてない・・・。でも、でも・・・あーん!!嘘よねー!信じられない!」
子供の様にグズる私にグレースちゃんは困った顔をして今度は頭を優しく撫でてくれた。

「ちゃんと話して。話してくれないと解らないでしょ?」
諭す様にグレースちゃんは私の手を取った。

「うん・・・ふぅ。ちょっと待って。」
深呼吸して涙をゆっくり拭った。

「失恋したの!!!」
私の第一声にグレースちゃんは目を見開いて
「は?!へ?王子に?いやいや、王子ってアリスねーさんに気がある感じだったじゃない?」
驚いた感じで詰め寄って来た。

そーなのよね。気があると言うか同士かも?と言うか。

何時の間にか勝手に勘違いしていたのは私だ。

「あのね。グレースちゃん。これ何か解る?」
ルーカスには見せなかったネックレスをグレースちゃんに見せた。

「・・・?!王家のネックレスじゃない?この紋はえーと。え?!・・・第2王子ルーカス様。」
やっぱり!!
グレースちゃんは何故このネックレスを持っているの?と驚いた声を上げた。

「子供の頃に私とルーカスは出会っていたの。信じられないでしょうけど。ルーカスが私の故郷に来ていた時期があったみたい。」
そう切り出して私の子供の頃の話をした。

異世界と言う事は隠して・・・。


「私、ルーカスの事はサファイア君だと思って居なかったし。サファイア君は私の事を女の子だと勘違いしてた。」
私の一言一言にグレースちゃんはうんうんと頷いてじっくり聞いてくれた。

「初恋の相手だったんだ?」
そう聞かれて私は静かに頷いた。

淡くてキラキラした私の1番幸せだった時の思い出。

夏休み明けに私の事を両親共に引き取らなかった時もこのネックレスと彼の顔だけが幸せにしてくれた。

「自分勝手だとは思うわ。私、決して一途では無かったもの。今迄、御付き合いした男性も居たしね。」
そう、初恋を貫いて来た訳では無い。

「ねーさん。改めて好きになってた?」
グレースちゃんの一言は重かった。

最初は上から目線で高圧的で苦手な人だと思った。
だけど彼は何故か私にだけは優しくて他の人と区別してくれた態度に・・・私、チョロいわ。すっかり惚れてた!!!!
「自分がこんなに惚れっぽいとは思わなかったわ。」
大きな溜息が漏れる。

「とりあえず。お茶入れるわね。」
すっかり泣き止んだ私にグレースちゃんは紅茶を入れてくれた。

「アリスねーさん。私、ねーさんに凄く感謝してるの。裁判にも勝ててアンディーとは前よりもずっと仲良くなれた。」
「うん。」
私は深呼吸してもう一度頷いた。

そうだ。私の使命を忘れていた。
私はグレースちゃんが幸せになるの為にこの世界に来たのに。

「ねーさんのメイクも最高だけど何時ものアドバイスにも感謝してるの。だから。何と言うか。ねーさんにも頑張って欲しいわ!」
「うん?頑張るって?」

グレースちゃんは私を見詰めて肩をガシッと掴んだ。
「落として見なさいよ。王子だろうと女の子が好きって言ってても。ねーさんならやれるわ!」
それは悪役令嬢の微笑み。

「えぇ。落とすの?!」
私の顔は引き攣り気味。

「好きなんでしょ?」
「多分・・・。」
多分??と微笑む顔がまたまた悪役令嬢だわ。

いやーん。

「元は両思いなんでしょ?楽勝じゃない?」
グレースちゃんは軽く言ってくれちゃうけれどそれが上手くいかないのが男と男の世界なのよねぇ。

「ねぇ。もっと聞かせてよ!プラゲ国での話!!」
やはり日本はプラゲ国なのか。

「うん。解った。」
そう言って私はルーカス王子との思い出を聞かせた。

頑張れるかなんて解らない。

彼はノンケだ。

だけど何時か決意出来たらこのネックレスをルーカスに見せよう。

グレースちゃんから沢山の勇気を貰えた気がする。

まあ、私の事よりグレースちゃんよね。卒業までもう少しだ。
あと一押しできっと上手く行く筈よ。

泣いて話してスッキリした私は改めて彼女を幸せにすると誓った。
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