都合のいい男

美浪

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遺跡

決行日前夜

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決起集会の様な感じで晩御飯は皆でアジトに集合する事になった。

晩御飯は俺の作ったカレー!!
いったいどれだけ作るんだよ?って給食作っている気分だった。
しかし、全員自炊しないらしく鍋はあったけど炊飯器は誰も持っていなかったので足りないご飯はパックご飯をチンする予定。

カレー作りは勿論、ウェンとラズとバニラさんもお手伝いしてくれて何か家庭科の授業みたいで楽しかった。

「美味そうー!この匂いたまんねー!」
ラズがつまみ食いしたい!と言い出したけどもう少ししたら皆が揃うから我慢。

「初めてカレー作ったわ!ミナキは凄いね!」
バニラさんもやっぱり自炊しないそうでカレー作りを興味津々と言った感じで手伝ってくれた。

皆、剣の扱いは得意なのに・・・。包丁の扱いが下手で怖すぎた。

「おー!良い香りだー!」
「カレー良いね。」
ボスとシアンがやって来ると皆も次々と集まって来た。
「バックスレーの武器造りで疲れてたから嬉しいわー。」
「おー!ありがとうー!!」
エルーカさんは赤いベルトの腕時計の様な武器をバックスレーさんに渡した。

「流石、エルーカ。どんな武器なの?」
ボスが興味津々。

「異能ストック&解放。簡単に言うとそんな感じかしら?」
試してみて?とバックスレーさんに嵌めるように促した。
時計部分のダイヤルをマイナスに回す。
「お?!気が吸い取られる感覚だ。戦っている最中みたいだな?」
それをプラスに回すと
「気が自分の身体に戻るのよ。」
「あー。本当だ。」
今日のうちに貯めて置けば明日疲れていても復活直ぐに出来るわよ?
エルーカさんの発想が凄い。

「本当はパワーアップさせたかったんだけど元々のバックスレーが強いから制御不能になるのよね。」
エルーカさんは溜息を付いて今この発想が精一杯だったわと言った。

「なーるほどなあ。これは便利だ!」
ボスも俺も欲しいと我儘言い出しているし。
確かにこの武器は全員欲しいかも。

「腹減ったー!」
「皿準備して良い?」
ハーミット様とディードが待てない!とカレーの準備。

全員揃っていただきます!!

「美味い!!」
「おー。美味ぇなこりゃ。」
ボスもバックスレーさんも褒めてくれて俺も嬉しい。

皆が喜んでくれて笑顔になってくれて本当に嬉しい。

家で食べる手作りカレーがカプリスメンバーを幸せに出来るのが嬉しい。

「アルージャ。警察やキラービーに変更は無いよな?」
食べながらボスが聞いた。

「無いね。取り引きは決行。」
ハーミット様がそう言った。俺達の決行日も確定だ。全員の顔も引き締まり気合いが入った。
皆、楽しみと言った雰囲気。

「時差があるから俺達の出発は23時45分くらいだろうな。ちなみに駆除屋の元締め張さんも同行する事になった。」
色々考えたが彼が居ると心強いと言う見解から頼んだそうだ。

「ミナキは護れよ。」
「勿論です!」
張さんは仲間って意識がある。カプリスに所属していたって言われたからかな。

明日の転移はアジトから行く。
23時45分出発。

「あの。西アン・デスは何時なんですか?」
夜中なのかな。

「2時。夜中の2時だよ。」
草木も眠る丑三つ時ね・・。
その時間って警備少なそうだな。ちょっと安心した。

晩御飯と会議も終了し
「ゆっくり寝る事。食事はきちんと取る事。」
ボスは親の様に俺達に言い聞かせる。
「明日の23時にアジト集合!絶対、盗むぞ!」

「おーー!!」
気合いも入れて解散。

俺とウェンも部屋に戻った。

「ミナキのカレー美味かった。」
ウェンが帰るなり嬉しそうに笑った。
その言葉が1番嬉しい。

「手伝ってくれてありがとうね。」
帰ってきたらまた何か作りたい。

風呂上がりにソファに座ってテレビをみていたウェンの隣に座った。
「ねえ。眠い?」
ウェンに尋ねる。

「普通。何?眠れない?」
正直言うとそう。
遺跡編は原作では失敗したけど逃げる事は出来た。だから心配は要らない気もするんだけど。大きい仕事ってやっぱり緊張する。
「緊張してる。」
ウェンが優しく肩を抱き寄せてくる。
それだけで何か落ち着くなあ。
「ミナキは強くなったよ。」
「うん。前よりはね。」
フワリと顔が近づいてきて頬っぺにチュッとされた。
何か・・照れる。

「ゆっくり寝ろって言われたけど。」
しようか?
ウェンの唇が触れる。
「うん。したい。」
ギュっと抱き着いた。

じゃ、ベッドに行こうか。とウェンにヒョイっと抱えられた。
もう・・・。ウェンにまたお姫様抱っこされてしまった。

ベッドにそっと下ろされる。
「明日が不安って顔に出てる。」
「うん。ちょっと怖い。」
大丈夫だよ。

不安を拭うかの様に抱き締められて甘いキスが続く。
気持ち良い。キスだけで身体が反応する。

脱がされて耳、首筋と優しくキスされて舐められていく。
「んん・・・。ウェン・・・。」
クチュっと音がしてウェンの指が入ってきた。
「ミナキ可愛い。」
あ・・・。ウェンは俺の弱い所をじっくり攻めてくる。
それだけでもうイきそう。

「ちょっと意地悪しようかなあ。」
ウェンが指を抜いた。
お預けを食らって身体がフルフルする。

「ウェン・・・早く・・・。」
待ってね?
そう言ってウェンは俺にキスをしてきた。
舌を絡めながらゆっくりとウェンが入ってくる。
待ってた様に俺の身体は反応する。

グッと押し込まれて俺はそれだけで達してしまった。身体がピクピクと震える。

「意地悪して良かった。」
ウェンはフフっと笑い気持ち良さそうな俺の頬を撫でる。
動くよ。
俺も我慢出来ない。ウェンも気持ち良さそうな顔で俺の弱い所ばかりを突いてくる。

またイきそう。

「ミナキ。愛してる。」
「ウェン・・・。俺も・・・。あっ・・。あっ・・・。」
気持ち良過ぎて上手く言えない。

そんな俺の唇を塞いでウェンは達した。
ビクビクと俺の中でイクのが解る。

「はぁ・・・。ウェン・・・。愛してる。」
「うん。」
俺の身体を浄化しながらウェンが髪を優しく撫でて微笑んだ。

「寝ようか。」
「うん。」
ウェンの腕の中は温かくて不安が消えていく。

「おやすみ。」
「ウェン。おやすみ。」
キスをして目を閉じた。

ウェンは本当に俺の気持ちも不安も何もかもお見通しだな。
もう寝息を立てるウェン。
愛しくて愛しくて堪らない。

全員。俺が護るからね。

消し去られた不安。俺は決意して眠りについた。
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