転生勇者の理想の王国~絶対的な縦社会~

AI異世界小説家

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第3章:鋼鉄の石巨人と、戸惑いの「貴族」たち

鋼鉄の石巨人と、戸惑いの「貴族」たち(上)

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エリュシオンの軍勢は、遠目に見れば華やかなパレードのようだった。
先頭を行くのは、豪奢な装飾が施された鎧を纏い、まるで男性アイドルグループのように完璧な容姿を誇る貴族騎士たち。彼らにとって、この「異端者狩り」は聖戦であり、同時に格好のレクリエーションでもあった。

「ついに見つけたぞ。あのちょこまかと逃げ回る女たちの巣穴をな」

馬上で前髪をかき上げ、不敵に笑うリオン。その後ろには、千を超える「異端者狩り」の軍勢が続く。
その最後尾に近い位置に、エース、そして男装したティリーとクロエがいた。

「どうするんだ、エース。このままだと本当に里が……」

ティリーの声が、恐怖と焦りで微かに震えている。無理もない。数百メートル先には、彼女たちが大切に守ってきた隠れ里があるのだ。
エースは前方を睨み据えたまま、短く、力強く答えた。

「大丈夫だ。数日前からクロエと仕込んでおいた『防衛システム』が、対処する」

「……例の、クロエと夜な夜な作っていた『あれ』のことね?」

クロエが眼鏡を指先で押し上げ、小さく頷いた。二人はエースの指示で、隠れ里近くの山の中腹に土魔法で巨大な「穴」をいくつも掘り、そこにエースが**【召喚魔法】と【無限収納】**から取り出した「仕掛け」を埋めておいたのだ。

軍勢が隠れ里を視界に捉え、男たちがもう勝ったかのように一斉に下卑た歓声を上げ始めたその時だった。

ズゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

大地が、底から突き上げるような震動に襲われた。

「な、なんだ!? 地震か!?」

リオンが馬を制御できずに狼狽する。
男たちの足元、巧妙に隠されていた落とし穴から、ドロドロと泥を払い落としながら「それ」が這い出してきた。

「うわあ……やっべ、怖すぎる。完全に貞子じゃん」

思わず現代日本のホラー映画を思い出して呟いたエースに、「サダコ?」とティリーが怪訝な顔をするが、構っていられない。

這い出してきたのは、全高5メートルを超える岩の巨人――ゴーレムだ。
それもただの岩の塊ではない。エースの現代知識を反映した**「戦闘用ゴーレム」。
その右腕は、魔法回路を組み込んだピッチングマシーン……いや、もはや「岩石カノン砲」**と呼ぶべき無骨な機構に改造されていた。

「な、なんだこの化け物は!? 異端者の隠れ里に、こんな魔物がいたなんて聞いてないぞ!」

「魔法で壊せ! 怯むな、突撃だ!」

パニックに陥った貴族たちが、見た目だけは立派な剣や魔法で攻撃を仕掛ける。
だが、エースが数日かけて魔力を注ぎ込み、構造を強化したゴーレムに、生半可な攻撃は通用しない。

「……掃射開始」

エースが小声で命じると、10体以上のゴーレムが一斉に右腕を掲げた。

ドォォォォン!! ドォォォォン!!

空気を切り裂く轟音。
時速300kmを超える速度で射出された、直径20cmの硬質な岩弾。
それは「ちょっとした鎧」など紙屑同然に貫き、地面に巨大なクレーターを作り出す。
直接当たれば即死、かすめただけでも骨を砕く破壊の嵐に、エリュシオンの軍勢は文字通り「蜘蛛の子を散らすように」逃げ惑った。

「腕の正面に立つな! 引け! いったん引くんだ!」

リオンの叫びも、混乱した男たちの耳には届かない。
数分前まで「獲物」を狩る優越感に浸っていた彼らは、今や自分たちが「狩られる側」になったことを理解し、プライドも美貌もかなぐり捨てて敗走を始めた。

「……すごい、あんなの見たことないわ。魔法の杖も持たずに、あんな速度で岩を飛ばすなんて……」

クロエが呆然と呟く。
エースは、土煙の中で立ち往生する軍勢を見つめ、静かに息を吐いた。

「これでもう、簡単には近づけないはずだ。……さあ、ここからは俺たちの番だ。ティリー、クロエ。里の長に話をつけに行こう」

エリュシオンの軍勢が混乱に乗じて撤退を始めたのを横目に、エースは二人を連れて、戦場とは逆の、静まり返った隠れ里の入り口へと走り出した。
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