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第12章:崩壊する男の力と、混沌の夜明け
魔王城
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12-1
悪魔神官を倒した俺たちは、その足で魔王城へと乗り込んだ。
城門を守るドラゴンニュートの兵士たちも、今の俺たちの敵ではなかった。怒りを力に変えたエリアたちの進撃は凄まじいの一言に尽きる。
エリアの剣技が敵の鎧を紙のように切り裂き、リリスの魔法が戦場を支配する。リースの盾は鉄壁の要塞となり、セレニティの神聖魔法は、回復だけでなく魔族に対する強力な攻撃手段として猛威を振るった。
「邪魔です! 退きなさい!」
セレニティが放つ『ホーリー・ライト』が閃光となって走る。光が当たるだけで、魔族たちは内部の魔エネルギーを蒸発させられ、ミイラのように干からびて倒れていく。悪魔神官が恐れていたのはこれか。
完成されたパーティの連携は、魔王城の精鋭部隊すらも一方的に蹴散らしていく。
そして、俺たちはついに玉座の間へとたどり着いた。
広大な広間の奥、豪奢な玉座に座るのは、ねじれた角を生やした巨漢、魔王だ。
その背後には、先ほど破壊したものよりも遥かに巨大な、禍々しい輝きを放つ『ダーククリスタル』が鎮座している。あれが本体か。
「良くぞここまで来た、勇者よ」
魔王は重々しい口調で、しかしどこか余裕を持って俺たちを見下ろした。
「ここまで辿り着いた勇者は、三千年前のあの男以来、お前で二人目だ」
魔王の手元には、映像を映し出す水晶があった。悪魔神官がやられた様子を見ていたらしい。俺たちの実力を認め、交渉のテーブルにつこうとしているのが分かった。
「悪魔神官とは長い付き合いだったが、わしはなんとも思っていない。奴とは器が違う。わしはお前の願いを叶えることができるぞ? 何か欲しいものでもあるんじゃないか? 遠慮なく言ってみよ」
魔王が鷹揚に腕を広げる。その態度は、まるで駄々をこねる子供をあやす親のようだ。
俺は一歩前に出た。
「この世界を元通りに戻してくれ。背後にある水晶を壊すのでも良い。話はそれからだ」
「フハハハ! 面白い冗談だ。もう授かってしまったものだぞ、それをむざむざ捨てろというのかお前は」
魔王は一笑に付した。
「過去の勇者が今の世界を望んでやったことだからな。グランヴェルの王はいわばお前の同族、勇者の子孫だ。女たちを授かり、躾けていくことでみんな幸せになり、女達はエネルギーをこのクリスタルを通じて魔界に送る。ウィンウィンの関係だ。それが三千年前の取り決めなのだ」
「男たちの……欲望のためだけじゃない! そんなの、ずっと大変な思いをしてきた女性たちはどうするのよ!?」
エリアが叫ぶ。
「女達は授かりものだ、この世界を望んでたくさん産まれるのではないのか?」
「例えそうだとしても、一人で町から出ることもできない女達のいびつな人生をこのままにはできない」
「おかしな奴らだ、3000年の楽園を壊して回ってるのは、新参者の勇者お前だぞ」
「3000年の恨みでしかない!今までの女性たちの恨み……ここで倍返ししてやる!」
「私の神聖魔法で、成敗いたします!」
エリアとリースが殺気を漲らせて前に出る。
だが、魔王は彼女たちを一瞥すらせず、鼻を鳴らした。
「お前等女になど聞いておらん。男の所有物ふぜいが主人に口答えするな」
魔王のその言葉に、空間が凍りついた。
こいつもだ。こいつも、悪魔神官と同じで、女性を「会話する相手」として認識していない。特に悪魔神官は人間の世界で何の会話をしたっていうんだ。
「わしはこの勇者に聞いているのだ。どうだ、何か望みを言ってみろ。世界の半分と、お前の望むだけの女と富を与えてやるぞ? わしと手を組めば、お前は楽しく人生を過ごせると思うのだがな、今まで何人の勇者がこの世界に来たと思う?10や20じゃないぞ、どいつもこいつも満足そうに天寿を全うしていった」
俺はゆっくりと剣を抜いた。
「……あのさ、悪魔神官と話していて思ったけど、魔王さんよ、もう女をどうこうして話をつけるのをやめようよ」
「む?」
「三千年前の異世界勇者なら、その条件を飲んだかもしれない。だがな、今の時代、そんな条件で喜ぶ奴はゲーマーでもオタクでもねーよ。そいつはただの欲望に負けた、加齢臭のするおっさんだ」
俺は魔王を真っ直ぐに見据えた。
「俺たちの世代はな、攻略サイトを見て効率プレイするだけじゃないんだよ。隠しルートも、バッドエンドも踏み越えて、全員が救われる『トゥルーエンド』を見ないと気が済まないんだ。……魔王様よ、3000年前はバットエンドの一つの話だったのかもな、次はトゥルーエンドのルートだ。覚悟しろ!」
「……このわしの話しをバットエンドとは。愚かな奴め」
悪魔神官を倒した俺たちは、その足で魔王城へと乗り込んだ。
城門を守るドラゴンニュートの兵士たちも、今の俺たちの敵ではなかった。怒りを力に変えたエリアたちの進撃は凄まじいの一言に尽きる。
エリアの剣技が敵の鎧を紙のように切り裂き、リリスの魔法が戦場を支配する。リースの盾は鉄壁の要塞となり、セレニティの神聖魔法は、回復だけでなく魔族に対する強力な攻撃手段として猛威を振るった。
「邪魔です! 退きなさい!」
セレニティが放つ『ホーリー・ライト』が閃光となって走る。光が当たるだけで、魔族たちは内部の魔エネルギーを蒸発させられ、ミイラのように干からびて倒れていく。悪魔神官が恐れていたのはこれか。
完成されたパーティの連携は、魔王城の精鋭部隊すらも一方的に蹴散らしていく。
そして、俺たちはついに玉座の間へとたどり着いた。
広大な広間の奥、豪奢な玉座に座るのは、ねじれた角を生やした巨漢、魔王だ。
その背後には、先ほど破壊したものよりも遥かに巨大な、禍々しい輝きを放つ『ダーククリスタル』が鎮座している。あれが本体か。
「良くぞここまで来た、勇者よ」
魔王は重々しい口調で、しかしどこか余裕を持って俺たちを見下ろした。
「ここまで辿り着いた勇者は、三千年前のあの男以来、お前で二人目だ」
魔王の手元には、映像を映し出す水晶があった。悪魔神官がやられた様子を見ていたらしい。俺たちの実力を認め、交渉のテーブルにつこうとしているのが分かった。
「悪魔神官とは長い付き合いだったが、わしはなんとも思っていない。奴とは器が違う。わしはお前の願いを叶えることができるぞ? 何か欲しいものでもあるんじゃないか? 遠慮なく言ってみよ」
魔王が鷹揚に腕を広げる。その態度は、まるで駄々をこねる子供をあやす親のようだ。
俺は一歩前に出た。
「この世界を元通りに戻してくれ。背後にある水晶を壊すのでも良い。話はそれからだ」
「フハハハ! 面白い冗談だ。もう授かってしまったものだぞ、それをむざむざ捨てろというのかお前は」
魔王は一笑に付した。
「過去の勇者が今の世界を望んでやったことだからな。グランヴェルの王はいわばお前の同族、勇者の子孫だ。女たちを授かり、躾けていくことでみんな幸せになり、女達はエネルギーをこのクリスタルを通じて魔界に送る。ウィンウィンの関係だ。それが三千年前の取り決めなのだ」
「男たちの……欲望のためだけじゃない! そんなの、ずっと大変な思いをしてきた女性たちはどうするのよ!?」
エリアが叫ぶ。
「女達は授かりものだ、この世界を望んでたくさん産まれるのではないのか?」
「例えそうだとしても、一人で町から出ることもできない女達のいびつな人生をこのままにはできない」
「おかしな奴らだ、3000年の楽園を壊して回ってるのは、新参者の勇者お前だぞ」
「3000年の恨みでしかない!今までの女性たちの恨み……ここで倍返ししてやる!」
「私の神聖魔法で、成敗いたします!」
エリアとリースが殺気を漲らせて前に出る。
だが、魔王は彼女たちを一瞥すらせず、鼻を鳴らした。
「お前等女になど聞いておらん。男の所有物ふぜいが主人に口答えするな」
魔王のその言葉に、空間が凍りついた。
こいつもだ。こいつも、悪魔神官と同じで、女性を「会話する相手」として認識していない。特に悪魔神官は人間の世界で何の会話をしたっていうんだ。
「わしはこの勇者に聞いているのだ。どうだ、何か望みを言ってみろ。世界の半分と、お前の望むだけの女と富を与えてやるぞ? わしと手を組めば、お前は楽しく人生を過ごせると思うのだがな、今まで何人の勇者がこの世界に来たと思う?10や20じゃないぞ、どいつもこいつも満足そうに天寿を全うしていった」
俺はゆっくりと剣を抜いた。
「……あのさ、悪魔神官と話していて思ったけど、魔王さんよ、もう女をどうこうして話をつけるのをやめようよ」
「む?」
「三千年前の異世界勇者なら、その条件を飲んだかもしれない。だがな、今の時代、そんな条件で喜ぶ奴はゲーマーでもオタクでもねーよ。そいつはただの欲望に負けた、加齢臭のするおっさんだ」
俺は魔王を真っ直ぐに見据えた。
「俺たちの世代はな、攻略サイトを見て効率プレイするだけじゃないんだよ。隠しルートも、バッドエンドも踏み越えて、全員が救われる『トゥルーエンド』を見ないと気が済まないんだ。……魔王様よ、3000年前はバットエンドの一つの話だったのかもな、次はトゥルーエンドのルートだ。覚悟しろ!」
「……このわしの話しをバットエンドとは。愚かな奴め」
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