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第73話 クレアが仲間になる
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「うーむ……」
「どうかしたのか? 主人(マスター)よ」
王城を出た後、ソルは首を傾げていた。
「いや……やけにあっさりクレアが引き下がったと思って」
「あの小娘の事が気がかりか? あんな小娘の力など借りずとも、そなたには我がいるではないか。何を不安に思う必要がある」
「別に戦力の心配をしているんじゃないよ。ただ、クレアの性格からして父親に言われたからって大人しく従うような性格をしているんじゃないと思って」
ソルとクレアは幼馴染の関係だ。付き合いが長いのだから、お互いの性格はよく知っていた。その為、クレアがあっさりと父のいう事を聞いたことに違和感があったのだ。影武者を立ててまで自分が剣神武闘会に出場したくらいなのだから。
待てよ――影武者だと。そう、ソルは思った。
「ご明察……流石はソルね」
道の先にはクレアがいた。ドレスを着替え、動きやすい恰好をしている。ライトアーマーを装備し、腰には剣を携えている。剣神武闘会の優勝賞品でもあった聖剣レーヴァテインだ。
「クレア! どうしてお前がここに」
「それはもう、抜け出してきたからに決まってるじゃない」
クレアは笑みを浮かべる。
「抜け出してきた? 大丈夫か? お前がいなくなると城中大騒ぎになるんじゃ」
王女がいなくなったら大騒ぎになっても不思議ではない。
「あー……それはら大丈夫だと思う。当面は」
クレアは言葉を濁す。
「それよりソル、私を連れて行って。私はあなたの力になりたいの。そして、世界の為に闘い。私はその為の剣になりたいの」
クレアは情熱的にソルに訴えかけてくる。
「でも……クレア」
「主人(マスター)よ。この小娘はしつこそうだ。置き去りにしてもついてきそうだぞ。いう事を聞いてやれ」
「バハムート……だよな。幼馴染の俺はクレアの事をよくわかっている。その通りだよ」
ソルはため息を吐いた。
「ふむ……よくわかっているくせに恋慕には気づかないのか。近すぎて見えないことも往々にして良くある事だ。この小娘がついていきたいのは世界の為だけではない。そなたと一緒にいたいからだ」
「ちょ、ちょっとっ! な、なにを言っているのよっ! バハムートさんっ!」
クレアは顔を真っ赤にして言う。
「なんだって? バハムート」
「何でもない。そなたに言っても無駄だからの」
バハムートは無駄だと悟っている為、それ以上いうのをやめた。
「ともかく、小娘よ。ついてくるのなら勝手にせよ。だが、我等の足を引っ張るなよ」
「うん。わかってる。全力で頑張るから。よろしくねっ。ソル」
「ああ……こちらこそよろしく。必ず、俺達の手で魔族の企みを阻止しよう」
こうして、ソルのパーティーにクレアが加入する事になった。
クレアが仲間になったのだ。
◇
一方その頃。フレースヴェルグの王城での事。
そこにはドレスを着たクレアがいた。当然本人ではない。影武者である。中身はメイドであるレティシアだ。
顔から冷や汗を流している。
「クレアよ……どうした? 顔から汗を流しているが、暑いのか?」
「いえ……そんな事はありませんわ。お父様」
レティシアは『変化』の固有スキルがある為、クレアに成りすましているのだ。
「そういえば最近、お前の側近メイドであるレティシアの姿が見えないのだが……どこか具合が悪いのか?」
「レティシアでしたら故郷で母が倒れられた為、その介護の為、先ほど退職致しました」
「……なんと……そうだったのか。寂しい限りだな」
「はい……その通りです。寂しですわ、お父様」
クレア偽は苦笑いをする。レティシアは正体がバレないか心配をしつつ、それでも王女としての生活に心震わせていた。
(ほほほっ……明日から王女として贅沢三昧で楽できますっ! 最高ですっ!)
レティシアは王女としての境遇を楽しみにしていた。怠惰な生活が送れると。
「そういえば、クレア。明日、騎士団長殿が剣の稽古に参るらしいぞ」
「えっ!? 剣の稽古ですか?」
「ああ……お前が前から希望していた事だぞ。もっと剣の腕を磨きたいと」
「は、はいっ! そうですねっ! が、がんばりますわっ! お父様っ!」
とほほ……とレティシアは思った。クレア王女の身代わりをするのは、怠惰な事ではなかった。それなりに大変な事なのだと覚悟をした。
やはり王女の身分になれるとはいえ、楽な事ではなさそうだった。身代わりになったレティシアは一人、涙を浮かべるのであった。
◆◆◆
作者からのお願い。これにて2章は終わりです。次から3章になります。
少しでも面白いと感じて頂けたのでしたら是非☆☆☆の方よろしくお願いします!
「どうかしたのか? 主人(マスター)よ」
王城を出た後、ソルは首を傾げていた。
「いや……やけにあっさりクレアが引き下がったと思って」
「あの小娘の事が気がかりか? あんな小娘の力など借りずとも、そなたには我がいるではないか。何を不安に思う必要がある」
「別に戦力の心配をしているんじゃないよ。ただ、クレアの性格からして父親に言われたからって大人しく従うような性格をしているんじゃないと思って」
ソルとクレアは幼馴染の関係だ。付き合いが長いのだから、お互いの性格はよく知っていた。その為、クレアがあっさりと父のいう事を聞いたことに違和感があったのだ。影武者を立ててまで自分が剣神武闘会に出場したくらいなのだから。
待てよ――影武者だと。そう、ソルは思った。
「ご明察……流石はソルね」
道の先にはクレアがいた。ドレスを着替え、動きやすい恰好をしている。ライトアーマーを装備し、腰には剣を携えている。剣神武闘会の優勝賞品でもあった聖剣レーヴァテインだ。
「クレア! どうしてお前がここに」
「それはもう、抜け出してきたからに決まってるじゃない」
クレアは笑みを浮かべる。
「抜け出してきた? 大丈夫か? お前がいなくなると城中大騒ぎになるんじゃ」
王女がいなくなったら大騒ぎになっても不思議ではない。
「あー……それはら大丈夫だと思う。当面は」
クレアは言葉を濁す。
「それよりソル、私を連れて行って。私はあなたの力になりたいの。そして、世界の為に闘い。私はその為の剣になりたいの」
クレアは情熱的にソルに訴えかけてくる。
「でも……クレア」
「主人(マスター)よ。この小娘はしつこそうだ。置き去りにしてもついてきそうだぞ。いう事を聞いてやれ」
「バハムート……だよな。幼馴染の俺はクレアの事をよくわかっている。その通りだよ」
ソルはため息を吐いた。
「ふむ……よくわかっているくせに恋慕には気づかないのか。近すぎて見えないことも往々にして良くある事だ。この小娘がついていきたいのは世界の為だけではない。そなたと一緒にいたいからだ」
「ちょ、ちょっとっ! な、なにを言っているのよっ! バハムートさんっ!」
クレアは顔を真っ赤にして言う。
「なんだって? バハムート」
「何でもない。そなたに言っても無駄だからの」
バハムートは無駄だと悟っている為、それ以上いうのをやめた。
「ともかく、小娘よ。ついてくるのなら勝手にせよ。だが、我等の足を引っ張るなよ」
「うん。わかってる。全力で頑張るから。よろしくねっ。ソル」
「ああ……こちらこそよろしく。必ず、俺達の手で魔族の企みを阻止しよう」
こうして、ソルのパーティーにクレアが加入する事になった。
クレアが仲間になったのだ。
◇
一方その頃。フレースヴェルグの王城での事。
そこにはドレスを着たクレアがいた。当然本人ではない。影武者である。中身はメイドであるレティシアだ。
顔から冷や汗を流している。
「クレアよ……どうした? 顔から汗を流しているが、暑いのか?」
「いえ……そんな事はありませんわ。お父様」
レティシアは『変化』の固有スキルがある為、クレアに成りすましているのだ。
「そういえば最近、お前の側近メイドであるレティシアの姿が見えないのだが……どこか具合が悪いのか?」
「レティシアでしたら故郷で母が倒れられた為、その介護の為、先ほど退職致しました」
「……なんと……そうだったのか。寂しい限りだな」
「はい……その通りです。寂しですわ、お父様」
クレア偽は苦笑いをする。レティシアは正体がバレないか心配をしつつ、それでも王女としての生活に心震わせていた。
(ほほほっ……明日から王女として贅沢三昧で楽できますっ! 最高ですっ!)
レティシアは王女としての境遇を楽しみにしていた。怠惰な生活が送れると。
「そういえば、クレア。明日、騎士団長殿が剣の稽古に参るらしいぞ」
「えっ!? 剣の稽古ですか?」
「ああ……お前が前から希望していた事だぞ。もっと剣の腕を磨きたいと」
「は、はいっ! そうですねっ! が、がんばりますわっ! お父様っ!」
とほほ……とレティシアは思った。クレア王女の身代わりをするのは、怠惰な事ではなかった。それなりに大変な事なのだと覚悟をした。
やはり王女の身分になれるとはいえ、楽な事ではなさそうだった。身代わりになったレティシアは一人、涙を浮かべるのであった。
◆◆◆
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少しでも面白いと感じて頂けたのでしたら是非☆☆☆の方よろしくお願いします!
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