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紅蓮獅王との戦闘

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「ぐっ、ううっ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 セシルの攻撃力は高い。その攻撃力はSランク相当である。しかし、それに対してアレルヤの攻撃もまた負けていなかった。
 力が拮抗しているだ。剣と剣のぶつかり合い、その鬩ぎ合いは拮抗状態だった。
 埒があかないと判断したシアは早速ではあるが、必殺魔法である爆裂魔法を発動する。

「エクスプロージョン(大爆発)」

 本来であれば敵味方巻き込む自爆技であるエクスプロージョンは精霊魔法による守りにより、ただの必殺魔法になりえた。

「甘いわ。魔力障壁(マジックウォール)」

 魔女イザベラによる魔法の障壁がクライン達と同じように爆発からその身を守った。

「なっ!?」

 シアは目を丸くする。

「ちっ!」

 リアラはその素早い身のこなしを利用し、ダガーによるイザベラの暗殺にかかった。

「ふん!」

 しかし、盾を持った前衛。盾役戦士のボブソンにより、容易にダガーによる一撃は弾かれた。

「強い」

 クラインは言う。連中は文句のないSランク相当の冒険者パーティーに成りえていた。その力はクラインがパーティーに加わっていた時よりも強いかもしれないくらいだった。

「当然よ。だって私達は正真正銘のSランクパーティーなんですもの」

 イザベラは雄弁に語る。

「なぜだ! なぜ悪魔に魂を売った! そこまでする奴らじゃなかっただろう!」

 クラインは叫ぶ。

「うるさいわね。何かを得る為に何かを犠牲にする事は当然の事よ。私達は心を売り渡した事で、あのお方から素晴らしい力を得たの。気持ちいいわよ。絶大なる力を
振るうっていうのは。弱い人間の命なんか無価値に思えるくらい。ふふふっ」

 イザベラは笑う。

「あのお方っていうのは魔族なのか?」
「だから、それに答える義務はないって言ったでしょう。私達だって守秘義務があるのよ」

 その時だった。アレルヤ達、紅蓮獅王の脳内にテレパシーが響き渡る。魔人ベリアルの声だ。

(待て、お前達)

「ベリアル様、いかがされましたか?」

(面白そうな連中ではないか。ここに案内しろ。お前達は下がれ。少し話をしたい)

「はっ。仰せの通りに。命拾いしたわね。坊や達」

 イザベラは言う。

「……ここから先に行った教会まで来なさい。そこにさらってきた人間達もいるわ。私達もそこで待っている。転移魔法(テレポーテーション)」

 紅蓮獅王の連中はイザベラの転移魔法により姿を消した。だが、あの口ぶりからすると先に教会にいっているようだった。

「なんだったんだ。一体」と、クラインは言う。
「とにかく、行ってみるより他になさそうです」と、シアは言う。
「ああ。その通りだ。先を急ごう。リアラのスキルが教える通り、やはりあの協会に誘拐事件の犠牲者達が捕えられているとみて間違いがなさそうだ」

 そう、セシルが言う。白銀竜王の面々は教会へと急いだ。
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