私の理想の天使様

ROSE

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フェイ 1

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 フェイ・ルチーフェロは幼少期より、自分が好きで好きで堪らなかった。
 自分の顔が世界で一番好きで、許されるならずっと見ていたい。そう思って水面に映る自分の一番好きな角度を探していた時、偶然にも溺れたレオナルドと出会い国王の友人という座を得た。だからといってその立場を特別なにかに利用しようと考えたことはない。フェイの興味は自分の外見なのだから。
 別に女性に興味がないわけではないのだが、フェイは自分が一番好きだ。それに、着飾るのも好きで、自分が一番楽しめる格好をしたい。
 そう思うせいだろうか。化粧をしたり、スカートを穿いたりする姿を見た女性達は、どんどんフェイから遠ざかっていた。気持ち悪いだの同性愛者だの好き放題噂を垂れ流す者もいる。
 その噂を知ってか、レオナルドは自分の見合い話が来るとフェイを呼び、見合い相手を遠ざけていたし、ジョージィの結婚が決まった際には、一緒に下見に行った式場でフェイと結婚するなどと言う冗談を口にした。
 彼と一緒に腕を組んでヴァージンロードを歩いた時に、笑ったのはジョージィただ一人で、マリーは激怒、ついでにレオナルドの教育係とフェイの父親にがっつり説教を貰って以来、一層世間はフェイを馬鹿にする。
 王族の悪口は言えないけれど、フェイの悪口なら構わないのだろう。フェイだって気にしてはいない。影でそんなことばかり言うような女性と結婚してもうまくいくはずが無い。
 だから、フェイはレオナルドと禁断の関係だという噂を放置して、男が好きだということにしていた。ずっとそのままでいいと、結婚もしなくていいと思っていた。
 けれども、フェイは理想の天使と出会ってしまった。
 ローラ・アンダーソン。ジョージィの娘だ。
 服を仕立てに行ったら、とんでもなく忙しいから暫く娘を見ていて欲しいと頼まれた。
 丁度ローラはじっとしていられない年頃だったのだろう。外で遊ぶのが好きな子だった。それでも走り回ったりはせずに、大人しく木の実や落ち葉を集めて遊んでいるような子だった。
 膝を擦りむいて泣いていた彼女がフェイを天使と呼んだとき、驚きと、照れくささがあった。
 そんな彼女があまりにも可愛らしくて、もっと傍に居たいと思ったのに、あっさりとジョージィにローラを取り上げられてしまった時はとても寂しかった。
 その日から、フェイの中で何かが変った。
 ずっと彼女のことばかり考えてしまって、次に会うときには贈りものをと考えて、色々用意したのに、その後、ローラに会えることは無かった。
 何度かジョージィに、ローラが大きくなったらお嫁に欲しいと言ったけれど、冗談だと思われて相手にしてもらえない。
 会えない日々が続けば続くほど、彼女が美しく育っているのではないかと、期待せずにはいられなかった。

「ジョージィ、俺は本気だ。せめて、ローラに宝石の一つでも贈らせてよ」
「だめ。正式に婚約するまでは装飾品は一切禁止」
「じゃあ、お菓子は? ほら、王都で最近流行っているチョコレートとか」
「お酒が入ってないのにしてね。ローラ、全くダメなんだ。一口飲んだら酔っ払っちゃって……酔うとマリーそっくりで怖いから……」
 ジョージィは愛妻家で恐妻家だ。というよりは、彼の妻のマリーは真面目で厳格で怒るとめちゃくちゃ怖い。伝統を重んじる女性で、娘も厳しく躾けてきたと聞く。
「ローラ、他に恋人はいない?」
「俺の知る限りでは」
 ジョージィはそう答えて、グラスを空にする。彼はとても飲む。そして、大抵フェイに奢らせる。
 フェイだって金には困っていないし忙しいジョージィの時間を割かせているのだからそのくらいは構わないとは思っているが、時々ジョージィの体が心配になる。
 まだ、若いときのままの飲み方をしている。飲ませすぎないように目を光らせなければ、下手をすればマリーに殺される。
「フェイはあんまり強くないんだから、飲み過ぎないようにね」
 自分のことを棚に上げて言うジョージィに少しばかり呆れる。
「……ジョージィだって飲みすぎるとよその家の屋根に登ったりするくせに」
 彼はなぜか酔うと高いところに行きたがる。酷い時はそのまま屋根から飛び降りようとするのだ。まるで自分は空を飛べると信じているように。
 一度、それで大怪我をした時はマリーにとんでもない勢いで怒られた。それ以来フェイはジョージィの飲む量を気にしている。気にはしている。ずっと。
「問題は起こしてくれるなよ。抜け出すのは大変だったんだ」
「いや、レオ、あんた見た目ですぐバレてるから」
 当然のようにすぐ隣に居る国王は、自称お忍びなのだが、全く王の威厳を隠せていないし、着ているものが高級すぎる。なにせ、ジョージィの妻が厳選した素材で作った服だ。
「たまには俺もジョージィに作らせるか」
 レオナルドはそう言っておかわりを要求する。彼はどうせ財布すら持ってきていない。ここは全額フェイの支払いだ。
 手持ちが足りるかこっそり財布を確認したくなるほど、両隣の飲む量は凄い。
「レオの服なんてどうでもいい。俺は、今、ローラに恋人がいないかが一番重要だ。あんな可憐な子が他にいるかい?」
「ロリコン。ついに幼女に手を出すか」
「ローラはもう、立派な女性だ。あんたの息子より年上だよ」
「ああ、そうだったか。月日が経つのは早いな。そうか。あんなに可愛かったローラが……まぁ、うちの不良娘もますます反抗期だからな」
 レオナルドはそう言って溜息をつく。彼が不良娘と呼んだのは、弟の娘で、彼の姪だ。幼い頃に父親を亡くした彼女はレオナルドに引き取られている。
 レオナルドは姪を実の娘同然に可愛がっているが、とんでもなく好戦的で自分から戦地に志願し、許可が下りる前に出撃してしまうなど、とにかくとんでもない娘なのだ。
「ローラはまだアンリ様よりは大人しい方ですよ。真面目だし。学校の成績も悪くなかった。ただちょっと、運動が苦手かな。泳ぐのが怖いって前に言ってたよ」
 ジョージィの話でローラの成績についてはたまに耳にしていた。
「そういえば、ローラって歴史が得意だって。趣味が合いそうで嬉しいよ」
「ローラの趣味は可愛い釦を集めることだよ。問屋に行くついでに色々探してるんだ」
「だったらローラの為に専用の職人捕まえてくる」
 彼女の笑うところが見たい。きっととっても愛らしいのだろう。
「……フェイ、本気なのか?」
 レオナルドが少し呆れたように訊ねる。
「本気だ。だって、ローラ、俺のこと優しそうって。それに……俺の服装のことも馬鹿にしなかったし……なにより、俺のこと……天使様って……」
 思い返しただけでうっとりしそうになる。あの可愛らしい唇が、フェイを天使と呼んだのだ。幼い日と同じように。
「俺から見ればローラの方が天使だって……あんな素直ないい子逃したら俺は一生結婚できない気がする」
 実際使用人全員がはやく結婚しろと急かすのだ。フェイ自身はもう結婚など諦めていたが、再びローラを見て気が変った。
 いや、ローラのことが心に残っていたから他の女性と結婚する気になれなかったのだ。
「そりゃあ、惹かれた時は幼かったけど、もう彼女も大人だし、俺の嫁さんにしてもいいと思うんだけど? ほら、俺、金持ちだし、ローラに不自由はさせないよ。それに、一応貴族だし」
「一応、どころか、とんでもない貴族だけどねぇ。中身が残念すぎる」
 ジョージィは溜息を吐く。
「え? だって、俺、女遊びも賭博もしないし、そりゃあちょっと着るものには浪費してるかもしれないけど、その分ちゃんと稼いでるし地位だってそこそこあるし、美形だし」
 そう言うと、ジョージィだけでなく、レオナルドまで溜息を吐く。
「そこだ。フェイ」
「え?」
「お前の、その、自分で自分を美形と言ったり、一日中鏡に見惚れていたり、酔って脱いだり誰にでも抱きつくところがよくない」
 自分に見惚れるのばかりは仕方が無い。こんなにも美形に生まれてしまったのだから。
 しかし、酒ならば。
「俺、ローラの為に禁酒する。だから、ローラとの結婚を認めてください」
 思いっきり頭を下げると勢い余ってテーブルに額をぶつけてしまった。
 痛い。腫れていたら明日ローラに会うときに格好つかない。
 けれど、そんなこともどうでもいい。
「フェイ、それって、ローラの外見が気に入ったってこと?」
「いや、そうじゃない。俺……俺のこと、天使様って呼んだローラが……あまりにも……純真な目で……護ってあげたいって……」
 いや、彼女に危害を加えようとしている悪い大人はフェイ自身なのだが、それでも、本当に彼女の守護天使になれればなどと思ってしまう。
「ジョージィ、一体どう育てれば、こんな自己愛の過ぎる男を天使などと呼ぶ娘が仕上がるのだ?」
「あー、ローラは、昔から天使を強く信じているからねぇ。基準が俺にも分からないけど」
 ジョージィはそう言ってまじまじとフェイの顔を見た。
 一体どうしたのだろうと考えていると、なんだか彼の鼻筋がローラに似ていると思う。ああ、本当に彼の娘なのか。少し、信じられない。
「この厚化粧を剥いでもあの子はきっとフェイを天使だって思うんだろうな」
「なっ、あ、厚化粧って……」
「すっぴんでローラを口説けたらマリーの説得、手伝ってあげる」
 なんと言うことを。
「どうせ結婚したらすっぴん見られるんだし、諦めなよ」
「俺は、妻にもすっぴんは見せないつもりで……」
「へぇ? じゃあ、夜の付き合いはなし?」
 少し意地悪い彼の問いにたじろぐ。
「まさか可愛いローラをベッドに残して化粧を落として別の寝室で休む、なんてことはしないよね?」
「も、勿論……ローラが起きる前に起きて化粧を直すから……」
 ダメだ。絶対見せられない。
 化粧を施した姿がフェイの完成形なのだ。化粧をしていないフェイなど、それはフェイではない。化粧は顔の一部だ。
「素顔を見せられないって言うなら、ローラはあげられないよ」
 ジョージィはそう言って、更に新しいグラスに手を伸ばす。
「あ、それ以上はダメだって! 俺、今度こそマリーに殺されそう……」
「いや、今日はフェイの財布を空にするまで飲む」
「空にするのはいいけど、せめて酒以外にしてください」
 フェイは世の中で一番ジョージィの妻、マリーが怖いのだ。
 怒らせると手が付けられない。どうも、彼女は厳しかったフェイの祖母を思い出させる。彼女と会う度に思わず姿勢を正す勢いだ。
「レオ、レオは俺とローラの結婚は……」
「ローラ次第だ。ローラがそれを望むなら、いつでも許可してやる」
 レオナルドはそう言ってフェイの頭をくしゃくしゃと撫でる。彼は、酒が入ると、少し、昔の仕種に戻る。
 しかし、飲みすぎると吐く。それが常に心配だ。
「ちょっと、今日は俺のスカート犠牲にしないでよ? これ、マリーを拝み倒して作ってもらったんだから」
 勿論、彼女の機嫌取りを兼ねて依頼したのだが、この格好で娘に近付くなときつく釘を刺された。しかし、国王の服を作っているだけあって、素晴らしい品であることは間違いない。お気に入りのひとつだ。
「平気だ。このくらい。それよりも、フェイこそ、飲みすぎるな。お前は飲みすぎると妙に……絡みつく。そのせいでまた噂が広まってはローラが遠ざかるぞ」
 からかうようなレオナルドに少し驚いた。どうやら、彼のほうは結婚には反対していないらしい。
 少し前まで、ローラを息子の嫁にと言っていたくせに、あれは冗談だったのだろうか。
 いや、レオナルドならば、息子に他に想い人が居ることを知って本当に愛する相手と結婚すべきだと思っているのかもしれない。
 そもそも、彼自身、恋愛結婚だ。
 早くに妻を失って尚、妻だけを愛し続けている一途な男。そんな彼を、フェイは尊敬している。王としては勿論、人として尊敬できる男だ。
「レオ、ローラに何か贈りたいんだけど、今時の女の子って何を喜ぶんだ? ほら、姪っ子が居るだろ?」
「アレは特殊だ。最近強請られたのは猿の目の標本だったぞ。自分で解体して標本を作るのが趣味なんだ」
「……ローラは、そう言うのと縁が無さそうだな。装飾品は一切ダメって言われたし……女の子って何喜ぶんだろう?」
 悩む。
 フェイは幼い頃に母を失ったし、祖母だって、フェイが十歳になった頃には既にいなかった。身近な女性と言えば、メイドかジョージィの妻しか居ないが、どちらもローラとは違うだろう。
 もっと若い女の子の趣味が知りたい。やはり初日は王都で流行の菓子がいいだろうか。それとも、定番の花?
 しかし、ローラは造花を作る仕事ばかりしている。もしかすると花はうんざりするかもしれない。
「……フェイ、お前は、ローラに何を貰ったら嬉しい?」
 レオナルドに訊ねられて少し考える。
 特に、ローラから何かを貰いたいとは思わないけれど、多分、貰ったらなんでも嬉しいだろう。
 今、彼女からもらえるとしたら、何が一番嬉しいだろう。
「……名前入りのハンカチ?」
「……本気でそんなものが嬉しいのか?」
「ローラがひと針ひと針刺繍をしてくれるならすっごく嬉しい」
 そういえば、まだ、彼女の腕はそこまで知らない。
 時々、彼女の作品と言うコサージュを買ったけれど、一番最近に買ったコサージュは少し色合いが奇抜で驚いた。けれども、仕事はとても丁寧で、彼女がとても真面目なのだろうということは仕上がりからも察した。
「ああ、そうか。俺が刺繍入りのハンカチを贈ればいいんだね」
「馬鹿、ローラのような娘なら必要であれば自分で刺繍を入れるだろう」
「けど、俺の愛が詰まってる」
「……確かに、お前は何をやってもそこそこ出来てしまうが……女は、装飾品の方が喜ぶ。それに、綺麗なものとか、かわいいものが好きだ。普通の女は」
 レオナルドがそういったのは、姪の姿を思い出したからだろう。
「確かに、アンリは少し特殊な趣味をしているが……恋人に栞を貰っただかで喜んでいたぞ」
「栞?」
「ああ。意外とな、読書家なんだ」
 ああ、栞ならばローラも喜んでくれるかもしれない。
「ちょっと職人たたき起こして作らせる」
「待て、人に迷惑を掛けに行くな。それと、ここの支払いはどうする」
 酔っているせいで、目が据わってきたレオナルドにしっかりと腕をつかまれる。
「さ、財布は置いていきます」
「大体、お前が誘ったんだ。最後まで付き合え」
 レオナルドは強引にフェイを椅子に引き戻した。完全に酔っている。
 怖い。
 正直なところ、フェイは彼が怖い。普段はそれなりに冗談も通じるし、仲良くやっているが、怒らせると本気で怖いのだ。しかも、国の最高権力者だ。
 もしかすると、口に出していないだけで、本心ではフェイがローラに求婚することをよくは思っていないのかもしれない。
 レオナルドは難しすぎる。長い付き合いではあるが、彼には時折壁を感じる。
 だからといって、怯んでローラを諦めるなど、もう、出来そうに無い。
 ここは覚悟を決めて、最後までレオナルドに付き合おう。そう決意した瞬間、ジョージィが立ち上がる。
「やばっ……あの、勘定これでお願いします」
 フェイは慌てて財布を店主に渡してジョージィを追いかける。
 見ていない間に随分飲んでしまったらしい。すっかりご機嫌なジョージィは、キャンディ売りの可愛らしいワゴンによじ登ろうとしている。
「こらっ、流石にキャンディ全部は買い取っても困るから!」
 けど、もう彼が昇ってしまうならワゴンごと買い取るしかないだろう。
 フェイは頭を抱える。
 出費としては別に困りはしない。けれども買い取った後の処分と、マリーの説教が怖いのだ。
「……やはり、ジョージィ、娘が嫁に行くと思うと辛いんじゃないか?」
 レオナルドは一気に酔いが醒めたと言う様子を見せる。
「……嫁さんの説教が怖くないとか、あれって、日頃の慣れなの?」
「飲まないとやっていられない日もある」
 面倒ごとは後回しだとレオナルドは言って、少し強引にジョージィの上着を掴んだ。そして、そのまま引き摺り下ろす。
「うわっ」
 バランスを崩したジョージィはそのままレオナルドの上に倒れこんでしまい、その衝撃でレオナルドまで倒れてしまう。
「レオ、ジョージィ、大丈夫?」
 ジョージィはかなり筋肉質で重い。レオナルドも鍛えてはいるけれど、いきなり倒れこんできたジョージィを支えるには、少し足りなかったようだ。
「……俺は、国王なんだがな……」
 レオナルドは溜息を吐く。
「いやぁ、面目ない。どうも、酔うと楽しくなっちゃって……」
 そう言うジョージィの腕はぼろぼろだった。袖が裂けてるだとかそう言う話じゃない。かなり出血している。酔いで痛みに鈍くなっているのだろうが、酔いが覚めたら悲惨だろう。
 下敷きになっているレオナルドも、上質な服がかなりの損傷を受け、手を擦りむいているようだった。
「……はぁ、久々に三人揃ってマリーの説教を貰いそうだな」
 レオナルドは溜息を吐く。
 きっと、一番怒られるのはフェイに決まっているが、今回ばかりはレオナルドも庇ってはくれないだろう。
 頭が痛い。
 コレは本当に明日、ローラに会いにいけるのだろうか。
 強い目眩を覚えた。

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