私の理想の天使様

ROSE

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天使様はとても素敵

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 ローラは誰かに呼ばれる声でようやく目を覚ました。
「ローラ、ごめん、疲れてるのはわかるけど、そろそろ起きて」
 ぼんやりと、まだ覚醒しきっていない頭が必死に声の主が誰であるか思い出そうとしている。
 天井画の天使が抜け出してローラを呼んでいるのだろうか。そんなことを考えてしまうほどには頭は疲れ切っているようだ。
「天使様?」
 そう訊ねれば、おはようと優しい声で笑いかける。その姿で一気に頭が覚醒した。
「え? な、な、なんで……」
 未婚女性の寝室に入るとは何事だろうかと抗議もしたくなるが、彼が天使であるならそれも許されてしまうような気もした。
「ごめん。扉越しに呼んでも返事がなかったから入ってきちゃった。朝食、持ってきたよ」
 彼はそう言って、テーブルの上にトレイを置いた。昨日と同じ服を着ていて、目の下に隈がある。随分とやつれて見えるし、髪も少し乱れている。なんというか、外見にとても気を配る彼とは思えないほどに煌めきが足りない。
「あの、もしかして……ずっと起きていらしたのですか?」
 くっきりと疲労が目に見えてしまう様子だ。
「んー、終んなくてさ。でも大丈夫。今日はちゃんとローラの手伝い出来るように、ジョージィの手伝いは終らせてきたし、今日はお針子さんが三人来て、俺じゃ出来ないような細かいところやってくれてるから」
 フェイの言葉にローラは青ざめる。自分だけ休んでしまったという罪悪感が胸を締め付けた。
「わ、私、すぐに仕事に」
 慌てて立ち上がろうとすると、フェイはローラの腕を掴む。
「ダメ。ちゃんと朝食を食べてからじゃないと。あと、今日は俺も刺繍手伝うから。多分、ビーズがなかったらなんとかなる。あの、ビーズ刺繍だけがどうしても出来ないんだ……」
 フェイはそう言って黒いレースの手袋をした手を見せる。
「刺繍針は平気なのですか?」
「うん? そのための手袋」
 フェイは笑って、それからカップにお茶を注いでローラの前に出す。
「少し、休んでください。ここ、使っていいですから。あ、私の使った後だと嫌、でしょうか」
 自分の寝台を勧めたところで、人が寝た場所で寝るのは嫌かもしれないと思い返す。
「え? いや……嫌じゃない、けど……ローラ、いいの? ベッドがおっさん臭くなるかもしれないよ?」
 フェイに言われ、ローラは瞬きをする。まさかそんなことを言われるとは思わなかった。
 臭いなんて気にしたことがない。
「天使様を、臭いとは感じませんが」
「え? マジ? よかった……ローラに臭いって言われたら流石に立ち直れない。けど、ローラのベッドで寝たことばれたらマリーに殺されそうだから遠慮するよ。大丈夫。その代わり、作業場の椅子でちょっと仮眠とらせて。流石にこの歳なると徹夜は辛いわ……」
 彼は少し化粧の崩れた顔で疲れたように笑うのに、昨夜よりもずっと綺麗に見える。頑張る人は綺麗に見えるだとかそう言うことだろうか。
 フェイは少し変っているけれどとても優しくて芯が強い、のかもしれない。少なくとも、根性はあるようだと感じる。
「天使様は、どうして、手伝ってくださるのですか?」
「え? だって、暇だし。少しでもローラの傍に居たいし、それに、親友が困ってるの、放っておけないでしょ? ジョージィには感謝してるんだ。いっつも、俺の暇つぶしに付き合ってくれるし、多分、ジョージィに出会えなかったら、今頃俺、自分の領地売って王都で遊んで暮らすようなダメ貴族になってたと思うし」
 彼の言葉に驚く。父からずっと根は真面目な人だと聞いていた分、いっそう驚いた。
「どうして?」
「俺の領地、俺にはちょっと居心地が悪くてさ。伝統とか、しきたりとか、そういうの、俺には向いてないんだよね。人と違うっていうのはすんごい問題なんだ。けど、ジョージィの仕事ってさ、人と違うことを誇りに思うことでしょ? ああいうの、すんごくいいと思う。それに、人と違っていいんだって、背中を押してもらった気がして……まぁ、それで今、こんなんなっちゃったってのもあるんだけど」
 フェイは笑って自分のスカートを摘む。
「俺はさ、そりゃあ、ご婦人の服も着るし、化粧もするけどさ、ちゃんと戦にも行くし、領主の務めも果たしてる。だから、ちょっと、言動がおかしいかもしれないけどさ、それほど人に迷惑はかけてないと思うんだよね。まぁ、ローラ以外には?」
 そう、視線を向けられ、ローラは思わず笑ってしまう。ずるい。そんな風に言われて、迷惑だなんて言えない。
「天使様は、本当に、人を楽しませる天才ですね」
「そう? 俺は、俺が楽しければそれでいいって思ってるのに?」
 彼はそう言って、自分の分もお茶を注ぐ。
 とても手慣れている様に見え、貴族らしくないと思ってしまう。
「天使様が居てくださると、とても場が華やぎます。それに、いつも、前向きで……そういうの、憧れます」
 真っ直ぐ見つめることが出来ずに視線を伏せると、右手の上に手を重ねられる。
「俺だって、落ち込むこともあるよ。いろいろ言われたらそりゃあ、傷つくし、嫌われたら悲しい。でも、そう言うのってうじうじ考えてたら面白くないでしょ? 一日泣いて過ごしたって笑って過ごしたって一日は過ぎて行っちゃうんだから、俺は笑って過ごしたい。それだけだよ。ついでに、一緒に居る人も笑ってくれたら俺はもっと嬉しいってだけ」
 ふわりと頭を撫でられると、温かくてどこか懐かしい。そうだ、小さい時に出会った天使様は、優しく頭を撫でてくれた。大きな手で。
「……やっぱり、天使様は、天使様です」
 温かくて優しくて。いつだって、ローラを励ましてくれる。
「それ、ずっと気になってたんだけど、どうして、俺のこと、天使だって思ったの?」
 フェイは不思議そうに訊ねる。目の下のきらきらとした宝石が、一つ欠けているな、などと思いながら、じっと彼の顔を見る。
「この部屋の天井に、絵があるでしょう? 私が幼い時からずっとこの天使様に見守っていただいている気がして」
 そう言って天井を指す。やはり、この天使も、フェイと似ている。
 教会の天使像に似せて描いてもらった天井画のはずだ。画家は父が連れてきた。彼はいろいろとコネがあるから、有名な腕のいい画家を連れてこられたのだろう。少なくとも天井画はローラのお気に入りだ。
「うーん、ちょっと髪型とか目の色とか似てるかもしれないけど……」
「王都で有名な画家の方が描いて下さったのですが、私が、小さい時によく連れて行かれた教会にも、天使様の像があって……その、天使様が、フェイ様ととてもよく似ていました」
 そう告げるとフェイは瞬きを繰り返し、軽く笑む。それから少し記憶を辿るように視線を上に動かして、思い返したように目を見開いた。
「ああ、あの教会か。俺も何度か行ったことあるよ。あの像ね……いや、まぁ、うん。正解。ローラは何も間違ってない」
 彼はそう言って苦笑する。ローラはどう反応していいのか困惑し、ただ、瞬きを繰り返すことしか出来ない。
「あー、実は、若いときに、うん、まだローラよりも幼かった頃ね、王都に遊びに来てたことがあるんだけど、若い芸術家にね、彫刻のモデルを頼まれたことがあってさ。まぁ、俺の美しさなら男女関係無く魅了しちゃうのは仕方がないかななんて思って引き受けたはいいけど、まさか教会に置かれるとは思わなくて……すんごい恥ずかしい。いや、あの頃も俺はイケメンだったとは思うけど、他にローラみたいな純粋な被害者が居ないか激しく心配。やっぱ、あれ、買い取ってこようかな」
 フェイは心底心配そうな表情で言う。その割に、像のモデルになったこと自体は悔やんでいないようにも見えた。
「だ、ダメです。教会に行った時に天使様が居ないなんて」
「俺がローラの天使様ってことで勘弁してください。調子乗ってヘンなポーズしてたから余計に恥ずかしい。なんかめっちゃ熱くて手で扇いでるみたいで恥ずかしい」
 そう言われ、天使像を思い出す。言われて見れば、手で扇いでいるようにも見える。
「え? あれって、預言を伝える時の様子じゃ……」
「うん、多分作った芸術家はそう言うと思う。けど、俺、ずっと同じ状態で固まってるの辛くてさ……うん、本当に手をぶらぶら動かしてた」
 そう言われ、ローラの今までの幻想が砕け散ったような気がした。とても美しい天使の像なのに、有難味がなくなるような、そんな感覚だ。
 幻滅を誤魔化すかのように、ベーグルサンドに手を伸ばす。分厚いハムと新鮮な野菜が挟まっている。アンダーソン家ではまず口にすることがないと思われた一品だ。そもそも朝食を食べられること自体が珍しい。
「これ、フェイ様が?」
「いや、流石にそこまで余裕無くて、さっき近所のパン屋で買って来たよ。ごめん。本当は手料理振舞いたいんだけどさ」
 申し訳なさそうに言う彼に戸惑う。彼は悪くない。何も悪くないのに、謝ってしまう。
 凄く、優しい人だ。きっと、本当に純粋なんだろう。そして、あまりにも他の人と感覚が違いすぎて、ずっとそのことに悩んでいたのかもしれない。だから、彼はいつだって全力でふざけようとしている。自分が楽しければいいなどと言って、本当は、常に周囲の顔色を気にしているのかもしれない。
「ありがとうございます。あの、こんなに豪華な朝食は、初めてです」
 そう告げると、心底驚いたと言う目で見られる。
「え? マジ? ジョージィ、普段何食べさせてるの?」
 アンダーソン家はそこそこ金持ちでしょと彼は言うけれど、職人にはゆっくり朝食などということはありえない。父は朝早くに、チーズを乗せたパンとコーヒーの朝食を流し込み仕事に取り掛かる。母は朝はお茶を一杯飲むだけで、そのまま仕事に行ってしまう。
「あ、私も急がないと」
「ローラ、食事くらいゆっくりとらないと。焦ると何も上手くいかないよ。仕事は、俺も手伝うから」
「いけません。フェイ様は、少し休んでください。その、お顔が相当疲れていらっしゃいます」
 そう告げると、フェイはハッとしたように、慌ててローラの鏡台で自分を確認する。
「げっ……嘘だろ……嫌だ、俺、こんな酷いの?」
 彼は心底落ち込んだ様子で、必死に髪や顔を整えようとしているが、全く変化はない。
 相当な衝撃を受けたらしい。必死に鏡を覗き込んで、自分の疲れ切った顔をなんとかしようと、いや現実逃避しようとしているようにさえ見えてしまう。
「俺、こんな酷い状態でローラに会いに来てた? 嘘だろ……」
「酷くなんて、ありません。一生懸命頑張った、働き者の証です。誇ってください」
 いつも外見にとても気を使っているはずの彼がこんなに乱れるほどに頑張って手伝ってくれたのだ。ならば、ローラは倍は頑張らなくてはいけない。
「え? ローラ……こんな俺でも……なんとも思わない?」
「やっぱり、フェイ様は、天使様です。とても、素敵だと思います」
 そう言って、一気にお茶を飲み干す。
「あ、あの、ベーグルサンドは、お仕事が終ってから頂きます。私は、作業場に行きますが、天使様は少し、眠ってください。眠れないのでしたら、サリエルを貸してあげましょうか?」
 そう言って、棚の中に座っていたうさぎのぬいぐるみを差し出せば、フェイは懐かしそうに笑う。
「あれ、サリエル、まだ現役だったの?」
 そう言って彼は優しい手つきでサリエルを撫でる。
「なんか、サリエルの服、前見たときより、凄くイカしてる。これ、ローラの手作り?」
「はい」
 彼は本当に、サリエルを覚えていたらしい。サリエルは父がローラの為に作ってくれたぬいぐるみで、小さい時、ローラの友達はサリエルだった。
「いいな、サリエルはずっとローラと居られて。君はずっとローラを守ってくれたんだね」
 フェイはとても優しい仕草でサリエルを撫でる。もう既に随分と化粧が崩れているというのに、彼が笑むと地上の何よりも美しいもののように見えてしまう。
「ちゃんと、休んでくださいね?」
 ローラは見惚れてしまったことを誤魔化すように慌ててそう告げ、返事を待たずに部屋を出る。
 まだ緊張で鼓動が苦しい。
 彼と一緒に居たいと思う気持ちと、一緒にいてはいけないと思う気持ちがせめぎ合い戸惑う。
 彼は天使ではない。ただの人だ。
 わかっているはずなのに、なぜかローラは彼を天使と信じてしまう。
 ローラは戸惑う気持ちを誤魔化すように仕事に取り掛かった。

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