29 / 67
叱責②
「では早速だが、話を聞かせてほしい。ミモザが何か失礼なことを言ったようだが、具体的にどういう発言をしたんだ?」
詳しい説明を求めるフェンネル国王陛下に、私は
「実は────」
パーティー会場であった出来事を事細かに話した。
出来るだけ、客観的に。私情を入れないよう、気をつけて。
後々その場に居合わせた人達からも証言を募るだろうし、下手なことは言わない方がいい。
何より、真実だけでも充分インパクトはあることでしょう。
などと考えていると、フェンネル国王陛下が口を開く。
「そんなことが……改めて、申し訳ない」
目頭を押さえて暗い表情をするフェンネル国王陛下に対し、私は首を横に振った。
「いえ、お気になさらず。ミモザ王女殿下からも謝罪の言葉をいただけましたので、こちらとしてはもう……」
「いいや、是非お詫びをさせてほしい」
食い気味にそう言い返し、フェンネル国王陛下は少しばかり身を乗り出す。
『謝罪だけでは、到底足りない』と述べる彼の前で、私はゆるりと口角を上げた。
そうくると思っていたわ。
だって、ここでしっかり清算しなければこの一件をずっと引き摺ることになるものね。
それはつまり、レジデンス帝国に対して強く出られなくなるということ。
少なくとも、この先数十年は。
だから、フェンネル国王陛下は何としてでもこの一件を私ビオラ・インサニティ・モータルと個人的に決着をつける必要がある。
一回引いてみせたことで、フェンネル国王陛下は多少の焦りを覚えている筈。
なので、ある程度の要求には迷うことなく応じるでしょうね。
『準備は整ったわ』と心の中で呟き、私は太陽のような瞳を見つめ返した。
「では、一つお願いしてもよろしいでしょうか?」
「言ってみなさい」
間髪容れずに話の先を促すフェンネル国王陛下に、私は『じゃあ、遠慮なく』と要求を口にする。
「ミモザ・バシリス・フスティーシア王女殿下を────スヴィエート神聖国の教皇聖下のところへ、嫁がせてはいただけませんか?」
詳しい説明を求めるフェンネル国王陛下に、私は
「実は────」
パーティー会場であった出来事を事細かに話した。
出来るだけ、客観的に。私情を入れないよう、気をつけて。
後々その場に居合わせた人達からも証言を募るだろうし、下手なことは言わない方がいい。
何より、真実だけでも充分インパクトはあることでしょう。
などと考えていると、フェンネル国王陛下が口を開く。
「そんなことが……改めて、申し訳ない」
目頭を押さえて暗い表情をするフェンネル国王陛下に対し、私は首を横に振った。
「いえ、お気になさらず。ミモザ王女殿下からも謝罪の言葉をいただけましたので、こちらとしてはもう……」
「いいや、是非お詫びをさせてほしい」
食い気味にそう言い返し、フェンネル国王陛下は少しばかり身を乗り出す。
『謝罪だけでは、到底足りない』と述べる彼の前で、私はゆるりと口角を上げた。
そうくると思っていたわ。
だって、ここでしっかり清算しなければこの一件をずっと引き摺ることになるものね。
それはつまり、レジデンス帝国に対して強く出られなくなるということ。
少なくとも、この先数十年は。
だから、フェンネル国王陛下は何としてでもこの一件を私ビオラ・インサニティ・モータルと個人的に決着をつける必要がある。
一回引いてみせたことで、フェンネル国王陛下は多少の焦りを覚えている筈。
なので、ある程度の要求には迷うことなく応じるでしょうね。
『準備は整ったわ』と心の中で呟き、私は太陽のような瞳を見つめ返した。
「では、一つお願いしてもよろしいでしょうか?」
「言ってみなさい」
間髪容れずに話の先を促すフェンネル国王陛下に、私は『じゃあ、遠慮なく』と要求を口にする。
「ミモザ・バシリス・フスティーシア王女殿下を────スヴィエート神聖国の教皇聖下のところへ、嫁がせてはいただけませんか?」
あなたにおすすめの小説
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
さようなら、私の愛したあなた。
希猫 ゆうみ
恋愛
オースルンド伯爵家の令嬢カタリーナは、幼馴染であるロヴネル伯爵家の令息ステファンを心から愛していた。いつか結婚するものと信じて生きてきた。
ところが、ステファンは爵位継承と同時にカールシュテイン侯爵家の令嬢ロヴィーサとの婚約を発表。
「君の恋心には気づいていた。だが、私は違うんだ。さようなら、カタリーナ」
ステファンとの未来を失い茫然自失のカタリーナに接近してきたのは、社交界で知り合ったドグラス。
ドグラスは王族に連なるノルディーン公爵の末子でありマルムフォーシュ伯爵でもある超上流貴族だったが、不埒な噂の絶えない人物だった。
「あなたと遊ぶほど落ちぶれてはいません」
凛とした態度を崩さないカタリーナに、ドグラスがある秘密を打ち明ける。
なんとドグラスは王家の密偵であり、偽装として遊び人のように振舞っているのだという。
「俺に協力してくれたら、ロヴィーサ嬢の真実を教えてあげよう」
こうして密偵助手となったカタリーナは、幾つかの真実に触れながら本当の愛に辿り着く。
知らぬが花
鳥柄ささみ
恋愛
「ライラ・アーデ嬢。申し訳ないが、キミとの婚約は破棄させてもらう」
もう何度目かわからないやりとりにライラはショックを受けるも、その場では大人しく受け入れる。
これでもう婚約破棄と婚約解消あわせて十回目。
ライラは自分に非があるのではと自分を責めるも、「お義姉様は何も悪くありません。相手の見る目がないのです」と義弟であるディークハルトにいつも慰められ、支えられていた。
いつもライラに親身になって肯定し、そばにいてくれるディークハルト。
けれど、ある日突然ディークハルトの訃報が入ってくる。
大切な義弟を失い、泣き崩れて塞ぎ込むライラ。
そんなライラがやっと立ち直ってきて一年後、とある人物から縁談の話がやってくるのだった。
裏切りの街 ~すれ違う心~
緑谷めい
恋愛
エマは裏切られた。付き合って1年になる恋人リュカにだ。ある日、リュカとのデート中、街の裏通りに突然一人置き去りにされたエマ。リュカはエマを囮にした。彼は騎士としての手柄欲しさにエマを利用したのだ。※ 全5話完結予定
ソウシソウアイ?
野草こたつ/ロクヨミノ
恋愛
政略結婚をすることになったオデット。
その相手は初恋の人であり、同時にオデットの姉アンネリースに想いを寄せる騎士団の上司、ランヴァルド・アーノルト伯爵。
拒否に拒否を重ねたが強制的に結婚が決まり、
諦めにも似た気持ちで嫁いだオデットだが……。
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。