たとえ、あなたが誰を愛していようとも

「僕はもう君を愛していない」

婚約者から、冷たい言葉を投げ掛けられた公爵令嬢のビオラ。
しかも、彼は他国の王女と恋仲になっているらしく、婚約破棄まで求められた。

貴族令嬢として、これ以上悲惨なことはないだろう。
普通ならここで『貴方なんて、こっちから願い下げよ』となるところだが、ビオラは違うようで?

「私は何があっても、貴方のことを手放さない。それだけは覚えておいて」

婚約破棄を完全に拒絶し、ビオラはいつものように微笑んだ。


この出来事をきっかけに────十数年、ビオラの中に閉じ込めてきた歪な愛が芽を出す。
こうなったら、もう誰にも止められない。後悔しても、遅い。

─────婚約者達はただ狩られるのを待つのみだ。


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