私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第一章

父の証言①

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 以前より少し痩せたように見える使用人達を見つめ、私はどうしようか悩む。
その隣で、アイリスはコテンと首を傾げていた。

「ねぇ、お姉様。何で皆、謝っているの?」

「私に対して、『申し訳ないことをした』と思っているからよ」

「ふ~ん。申し訳ないことって?」

 本当に何も分からないのか、アイリスはクイクイと私の服の袖を引っ張る。
ある意味一番の原因とも言える立場なのに、ここまで無知だといっそ清々しい。

「私の話を信じなかったこと、かしら?ほら、貴方と私が入れ替わった時……」

「あれは悪いことだって聞いたわ」

 『それくらい、私も知っているのよ』と胸を張り、アイリスはちょっと得意げになる。

「あと、『悪いことをしたら謝るんだ』って皇帝が言っていた」

「皇帝陛下、ね。ちゃんと敬称をつけなきゃダメよ。それより、アイリスのところにも陛下が来てくださったのね」

 事情聴取のため城に詰めていた二週間、ロジャー皇帝陛下は頻繁に顔を見せてくれた。
恐らく、私達を気遣ってのことだろう。
皇室とエーデル公爵家の仲は良好なままだ、と……責任はあくまで父と継母個人にあるのだ、と示すために。

 お父様とお継母様はまず間違いなく、貴族籍から除名される。
そうなると、私達は保護者が居なくなるため権力を求める者達の格好の餌となる。
だから、牽制してくれたのだろう。
まあ、それでも近づいてくる者達は一定数居るでしょうけど。

 『これからはより一層気を引き締めないと』と考える中、アイリスはニコッと笑う。

「うん。『何か不便はないか』って、聞いてきたわ。だから、『暇なの』って答えたら少しお茶してくれたの」

「そ、そう……」

 陛下を暇潰しの相手にするって、この子本当に命知らずね。

 『無知故の無鉄砲さだ』と大きく息を吐き、私は額に目を当てた。

「陛下には後でお礼の手紙を送らなきゃね……あと、貴方達。もういいから、顔を上げなさい」

 ずっとひれ伏したままの使用人達を眺め、私は腰を折る。
恐る恐る身を起こす彼らの前で、私はスッと目を細めた。

「貴方達の謝罪を受け入れるわ。だから、死ぬなんて考えちゃダメよ。そもそも、入れ替わりなんて普通は信じないもの」
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